部下を育成して戦力にする方法

部下を育成して戦力にする方法

「名選手、名監督にあらず」という言葉。これは、素晴らしいプレイヤーが、必ずしも良い指導者になる訳でないことを表した言葉です。それは、企業に置き換えても同じではないでしょうか。そこで今回は、部署として成果を高めていくために欠かせない、部下の育成について考えてみることにします。

育たない原因は部下だけなのか

企業においては、部下やメンバーが成長しないという悩みを抱える管理職の方も多く、ネットにそのような悩みを書き込む投稿者も多いようです。悩みを解決、対策していくために管理職向けのリーダー研修、リーダーシップ研修会も盛んに行われています。

・質問に対しておどおどしていて明確な受け答えができない。
・自ら先の指示を積極的に確認しない。

おそらく世の中の管理職と呼ばれる人達は、部下のそんな態度にやきもきし、困っているのではないでしょうか。なぜ部下がおどおどしていたり積極的に指示を確認しないのでしょうか。その態度には、管理者側の部下への接し方にも理由があるのかもしれません。

自分の態度を振り返る

こちらの聞きたいことが明確に部下に伝えられているのだろうか。無意味に怒ったりすることで、コミュニケーションがとれなくなってはいないか。目標設定など、やる気の出るような環境を作る努力をしているのか。

自ら考え工夫し、より良い環境に会社を変えられる組織やチームを変えていく意思を持っている人間。部下がそういう社員になって欲しいと思うのであれば、上司自らが変わらなければいけないですよね。自分が変われば相手も変わる。これもよく言われる一文です。育たないと嘆く前に、部下に対しての自分の行動を見直すことが必要なのです。

ただし、部下のことを考えて話しやすいように怒らず、常に笑顏でといっているのではありません。部下が素晴らしい社会人となり、会社にとって貴重な人材となるためのことを意識しての指示やトレーニングを課すことは、その時は厳しく捉えられたとしても、いずれ必ず伝わるものだと思います。そう信じて、部下と接していくことが大切なのではないでしょうか。

育成出来る企業は強い

ある書籍では、上司不適切者の特徴として、「部下に任せず自分でやってしまう」「部下の能力を信じることができない」「全てではなく一部分しか任せない」「指導するのが面倒くさい」と紹介されています。思い当たる方もたくさんいらっしゃいますよね。

上司は部下に任せて失敗しても、自らが責任を問われる立場です。それなら自分がやるほうがましだ、と思ってしまいがちですが、その発想は、部下の育成から逃げていることにも繋がります。失敗リスクを背負える度量も、上司に欠かせない資質と言えます。

企業の採用活動においては、少しでも優秀な人材を確保したいものですが、優秀な人材かどうかは仕事をしてみないとわからないのも事実です。結果的に会社に欠かせない人材にする為の育成。本気で事業の発展を目指している企業は、この人材育成に投資をしているのです。

指導で意識すること

実際に部下への接し方について、意識したいポイントをご紹介します。

失敗したときの対応

「もっと上手くやれ!」などと曖昧な言葉を発してはいないでしょうか。そもそも出来なかった理由が部下にはわからないのですから、「上手く」と言われても改善方法がわかりません。スキルが足りないのであれば、向上するための行動を指示することも必要です。何を変えるのかを具体的に伝えてあげましょう。

部下に質問をする時

なぜ出来なかったのか?という質問が続くと精神的に追い詰めてしまいます。そこで上司やリーダーから質問するスタイルを、次の行動に繋がるような聞き方「どうやったら出来たのだろう」に変え、部下の目線を次へのチャレンジに向けるようにしましょう。部下から多くの回答数も期待でき、より多くの情報を得ることにも繋がります。

理解度を把握する工夫を

指導したことを、部下に逆説明してもらいましょう。理解度を把握することで、任せられる仕事内容が明確になります。失敗する確率が高い、もしくは大丈夫。そんな予測が立てられることで、万が一トラブルになった時の対応準備も可能になります。

自らの行動がお手本に

部下に言う前にまず自分が懸命に仕事に取り組みましょう。上司やリーダーは、常に部下に見られているのです。普段の取り組みが部下の信頼をつかみ、言葉に重みを加えます。何を言われたかではなく、誰に言われたか。それが大事なのです。

まとめ

人工知能の発達により、段階的に仕事がロボットに奪われていきます。将来的に生き残るのは、ロボットに奪われない人間力を活かした組織・サービスであり、そういう人間力を自社で教育出来る企業であると感じます。人材教育において、上司が部下に与える影響の大きさや会社にとっての役割。上司の皆様は、重々意識して行動するべきではないでしょうか。

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