SNSで拡散されると、多くの人に知ってもらうことができます。そのため、情報過多な現代において、SNSは個人だけでなく企業にとっても欠かせない存在です。
拡散されることで、効率的に商品やサービスの認知度を高めることが可能となります。
しかし、ただ情報発信しても、拡散されるわけではありません。SNSで拡散され、多くの人に知ってもらうためには、仕組みを理解することが重要です。
そこでこの記事では、SNSで拡散されるための効果的な運用方法と注意点を詳しく解説します。
目次
SNSの拡散が起こる仕組みとは?
SNSで拡散されると、個人や企業が発信した情報が、1度で多くのユーザーに届けられます。SNSの拡散を「バズる」と呼び、ネット社会の現代においてバズった商品が大ヒットしたり、メディアで紹介されたりするなど大きな影響力があります。
そのため、SNSの拡散力を利用したサービスの宣伝やキャンペーンの実施など、マーケティングでSNSを活用した事例も多くあります。
SNSで拡散されるために、まずは拡散が起こる2つの仕組みを理解しましょう。
ユーザーが自ら拡散する
1つ目のSNSの拡散が起こる仕組みは、ユーザーが自ら拡散する場合です。こちらのグラフは、総務省が「SNS上で拡散をした経験があるか」を調査した結果です。
出典参考:SNSでの情報拡散の状況
グラフを見るとわかるように、半数以上が「拡散した経験がある」と回答しています。
その一方で、SNSでの情報発信の経験についてはこのような結果が出ています。
出典:SNSでの情報発信経験
「SNSを利用しているが、自ら情報発信することよりも他人の書き込み等を閲覧することの方が多い」「SNSを利用しているが、自らほとんど情報発信せず、他人の書き込み等の閲覧しか行わない」と答えた人がどの世代でも半数以上を占めており、全体で65.2%でした。
つまり、SNSを見る専門で情報収集する手段として利用している人も多いが、拡散に対して抵抗感がある人は少ないということになります。
拡散に抵抗感がない理由として、ユーザーの心理的要因が関係します。具体的には、以下の3つの心理的要因は、SNSでの拡散を促進させます。
- 共感
- 有用性
- 承認
投稿に共感し思いを共有したい
1つ目は、投稿に共感し、思いを共有したい場合です。例えば、ユーザーの心を動かすような感動的なストーリーや、笑いを誘うようなユーモアのあるコンテンツは拡散される可能性が高くなります。
有用な役立つ情報を伝えたい
SNSを情報収集として使うユーザーが多いように、ユーザーは役立つ情報や、生活を豊かにするような情報を知りたいと思っています。
そのため、新しい知識や問題解決の方法など、役立つ情報が載った投稿は拡散される可能性が高くなります。
いいねやコメントで承認欲求を満たしたい
SNS上での、「いいね」やコメントなどの反応は、承認欲求を満たし、自己肯定感や自信を高める効果があります。そのため多くの人が、いいねやコメントを獲得できるようなコンテンツを拡散しようとしています。
SNSのアルゴリズムによりおすすめに載る
2つ目の、拡散される仕組みは、SNSのアルゴリズムにより「おすすめ欄」に載ることです。
従来のSNSのタイムラインは、フォローしているアカウントの投稿を見るのがメインでした。しかし、近年はSNSを情報収集のツールとして活用しているユーザーが多く、おすすめ欄がその役割を担っています。
具体的には、X(旧Twitter)やInstagramなどSNSのアルゴリズムは、以下のような観点で、どのコンテンツをユーザーのおすすめ欄に表示するかを判断します。
- 投稿へのエンゲージメント: いいね、コメント、シェア、保存などの反応
- プロフィール情報: ユーザーの興味関心や属性に関する情報
- フォロー状況: ユーザーがフォローしているアカウントの投稿
- コンテンツの品質: 画像や動画の鮮明さ、文章の読みやすさ、情報の新鮮性
これらの情報により、AIに評価された投稿はおすすめ欄を通して、興味関心がありそうなユーザーに拡散されます。その結果、ユーザーはおすすめ欄で、新しい情報や興味のある話題を見つけることができます。
また、おすすめ欄の投稿は、ユーザーの興味関心に近いものを選別しているため、企業にとっても、潜在顧客の獲得が期待できるというメリットがあります。
出典参考:X(旧Twitter)
X(旧Twitter)のホーム画面は、大きく分けて2つのタイムラインで構成されています。画面上部のタブで、「おすすめ」「フォロー中」のタイムラインを切り替えることができます。
出典:Instagram
Instagramのおすすめ欄は2つあります。検索アイコンを押すと、複数のフィード(静止画)・リール(動画)が一覧で表示されます。動画アイコンを押すとリール(動画)のおすすめが表示されます。
出典:Tik Tok
Tik Tokのおすすめ欄は、写真のようにホーム画面の上部のタブで切り替えができます。また、アプリを再起動すると、ホーム画面の初期画面がおすすめ欄になるように設定されています。
Tik Tokのアルゴリズムについては、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:TikTokのアルゴリズムを活用したマーケティング戦略
SNSで拡散された企業の成功事例
SNSの拡散力はブランディングや商品やサービスの認知向上など、さまざまな目的に効果を発揮できます。また、中小企業でも大きな効果が期待できるのが、SNSの拡散力のメリットです。
ここからは、SNS拡散で成功した企業事例をいくつか紹介します。
山崎実業「tower」
山崎実業のtowerシリーズは、シンプルでスタイリッシュなデザインと機能性の高さで、近年人気が高まっています。
出典:山崎実業 キッチン_インテリア_ランドリー_収納のメーカー
SNSを活用したブランディングに成功し、Instagramのフォロワー数は125万人となっています(2024年6月時点)。
出典:Instagram
towerシリーズは、シンプルで洗練されたデザインが特徴なので、SNS映えするアイテムがたくさんあります。実際に使用した様子を写真や動画で投稿するユーザーが多く、拡散につながっています。
大塚製薬「ファイブミニ」
出典:Tik Tok
ファイブミニは、大塚製薬が1986年に作った食物繊維ドリンクです。2022年5月にTikTokで拡散され、1日の販売数が2倍になりました。
拡散された背景には、TikTokの特性が大きく関係しています。TikTokは、音楽やエフェクトを使って、無料で簡単に動画を作成できる特徴を持つプラットフォームです。当時、ファイブミニのダイエット効果やアレンジレシピがTikTokの動画ツールで表現されることで、若者の間で話題となりました。
その結果、元々30代以上をターゲットとしていたファイブミニでしたが、TikTokの利用が多い10代~20代の若いユーザー層にも広まり、潜在顧客の獲得に成功したのです。
さらに、大塚製薬は「#ファイブミニ」を使ったハッシュタグキャンペーンやインフルエンサーの起用などのマーケティング戦略を実施し、「#ファイブミニ」がつく投稿の視聴回数は2,000万回を突破しました。さらに、認知拡大を向上させています。
このように、SNSで拡散されることは、従来のターゲット層に限定されていた商品が、新たなファン層を獲得する可能性を示しています。
関連記事:SNSの影響力を活用!最新マーケティングの始め方と成功事例
企業のSNSアカウント需要は年々高まっている
近年、スマートフォンの普及やインターネット環境の整備により、消費者は従来のテレビCMや雑誌広告などのマスメディアよりも、SNSなどのオンラインメディアで情報収集するようになりました。
この背景から、企業がSNSアカウントを持つことが注目されています。SNSアカウントを活用することで、消費者の認知拡大や興味関心を効果的に引くことができます。
また、SNSは双方向のコミュニケーションツールであり、ユーザーからのコメントや反応を通じて顧客との信頼関係を築きます。さらに、アンケートやキャンペーンを実施することで、顧客のニーズを把握し、商品やサービス開発に活用することも可能です。
このように、さまざまなメリットがありながら、無料で始められるため、企業がSNSアカウントを持つことが増えています。
SNSの拡散力を活用したマーケティング手法3つ
SNSの拡散力を活用したマーケティング手法には、次の3つが効果的です。
キャンペーンの実施
SNS上でキャンペーンを実施することは、ユーザーの興味関心を引き、ブランドの認知度を高める効果があります。
出典:#キュンフォトコンテスト
出典:サッポロポテト公式
キャンペーンの種類には、コンテストやプレゼント企画などがあります。キャンペーンを通して、賞品を獲得するチャンスを提供することで、多くのユーザーにアクション(フォロー、投稿、シェア、コメントなど)してもらうことに効果的です。
また、ユーザーからリアクションを受けることで、投稿のエンゲージメントが高まります。その結果、SNSのアルゴリズムが評価し、さらに拡散を促進させる効果があります。
ハッシュタグの活用
ハッシュタグの活用は、投稿が発見されやすくなり、多くのユーザーにリーチすることに効果的です。
出典:ニベア キャンペーン情報
ハッシュタグはトレンドや特定のテーマが効果的です。メッセージやテーマがユーザーに伝わりやすくなり、ブランドイメージの強化につながります。また、先述したキャンペーンとハッシュタグは併用すると相乗効果を生み、キャンペーンの認知を更に拡大できます。
さらに、ハッシュタグは、ユーザーが自発的にブランドについて発信する手助けをします。キャンペーンに参加したユーザーがハッシュタグを使って投稿することで、自然な口コミが生まれ、その口コミを見た他のユーザーも興味を持ちやすくなります。
ものが多い現代では、口コミやレビューなどのUGCを参考にする傾向があります。UGCとは、ユーザー個人が作成したコンテンツのことで、拡散力が高く、多くのユーザーに情報を届けることに効果的です。
関連記事:ユーザー生成コンテンツ(UGC)とは?企業の活用例もご紹介
ハッシュタグについてもっと知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:ハッシュタグとは?意味や活用方法について分かりやすく解説
インフルエンサーの起用
影響力のあるインフルエンサーと提携することで、彼らのフォロワーに対してブランドの認知度を高めることができます。
出典:なえなの
インフルエンサーを起用したマーケティング方法を、「インフルエンサーマーケティング」といいます。インフルエンサーには元々ファンがついているため、影響力があり、実際の利用や購買行動につながりやすいのが特徴です。
インフルエンサー選びの際には、フォロワーの属性や関心がブランドのターゲット層と一致していると、SNSの拡散が起こりやすくなります。
SNSの拡散力を最大限にする2つのポイント
SNSの拡散力を上手くマーケティングに活用している企業は、以下の2つのポイントを重要視しています。
ユーザーが利用する時間に投稿する
SNSで投稿を多くの人に拡散してもらうためには、ユーザーの利用時間が集中しているタイミングを狙って投稿することが重要です。
タイミングを逃してしまうと、ユーザーのタイムラインに投稿が更新されて、追加されていき、他の投稿に埋もれてしまう可能性があります。
具体的には、帰宅後の18~21時をピークとし、通勤時間の7~9時や昼休憩の12~13時など、スマホを操作するタイミングがおすすめです。
また、ターゲット層によって、スマホを使うピーク時間は多少変動します。ターゲット層のスマホ利用時間帯を理解することで、より多くの人にリーチし、拡散力を最大限に発揮しましょう。
拡散されやすいSNSを選ぶ
まず、SNSはオープン型とクローズ型の2つに分けられます。拡散されやすいSNSは、いわゆる「オープン型」のSNSです。オープン型のSNSは、主に文字や画像・動画の発信として使われます。一方、クローズ型のSNSは、1対1のメッセージのやり取りなどで使われるLINEが有名な例です。
オープン型の中でも拡散力があるのが、X(旧Twitter)やInstagram、Tik Tokです。これらは、ユーザー数が多く、拡散の効果を得やすいSNSです。
Facebookも、オープン型のSNSではあるのですが、実名制で仕事に使っているユーザーも多いため、拡散は上記のSNSより発生しづらい傾向にあります。
また、拡散されやすいジャンルは、SNSの種類によって異なります。これは、各SNSを利用するユーザーの年齢層や活用できる機能に特徴があるからです。
各SNSの特徴や、マーケティングの手法はこちらの記事も参考にしてみてください。
関連記事:SNSマーケティングで成功!具体的な5つの手法やコツを解説
SNSで拡散される注意点と対策
SNSで拡散されるためには、多くのユーザーに共感されるような魅力的なコンテンツを作成することが重要です。しかし、拡散を追求するあまり、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
SNSで拡散される3つの注意点とそれぞれの対策を解説します。
炎上のリスク
炎上は、企業や個人のイメージを大きく損なうだけでなく、その後の活動にも悪影響を及ぼす可能性があります。
対策として、法令遵守や差別表現の排除、誤情報拡散の防止など、投稿内容や問題がないことを確認してから投稿しましょう。
また、炎上が発生した場合は、迅速で丁寧な対応をこころがけて、被害拡大を最小限に抑えましょう。
アカウントの凍結や停止
SNSプラットフォームの利用規約に違反した場合、アカウントが凍結・停止されることがあります。最悪の場合、また0からアカウントを作り直すことになるため、注意が必要です。
対策として、利用規約をしっかりと理解し、違反行為は絶対に避けましょう。
また、スパム投稿、なりすまし行為、不正なツール利用などは、アカウント停止の原因となる可能性があります。
PR投稿によるユーザー離れ
PR投稿が多すぎると、ユーザーから「宣伝ばかりでつまらない」と敬遠されてしまう可能性があります。
対策として、 PR投稿は全体の投稿量の2割程度に留めるとよいでしょう。また、PR投稿であっても、ユーザーにとって価値のある情報やコンテンツを提供するようにしましょう。
SNS戦略のプロ集団Bigmacにお任せください
ここまでSNSの拡散について解説してきました。SNSで拡散されるためには、各SNSの特徴を捉えた戦略が重要です。
Bigmacでは、当社SNSアカウントであるMATEをはじめ、様々な業界のSNS運用をサポートし、拡散させた実績があります。
- 自社アカウントMATE
フォロワー77.1万人突破(2024.6時点)
- 自動車関連T社
1年でフォロワー増加率204%(期間:2023.5~2024.5)
リール再生134万回突破
- 住宅関連L社
8か月でフォロワー増加率107%(期間:2023.9~2024.5)
- 造園関連N社
3か月でフォロワー増加率29.7%(期間:2024.2~2024.5)
リール再生フォロワー数×8.6倍回突破
定額制サービスLeftyではSNS運用をはじめ、デジタル・SNSに関するお客様の悩みをサポートしています。お見積は無料で行っており、ご希望があれば実績の詳細についてもご紹介可能です。
SNSの拡散を活用し、認知度や集客など自社の悩みを解決しませんか?
SNSで拡散されるためにはユーザー理解が最大のポイント
SNS拡散において最も重要なのは、ユーザー自身の行動です。ユーザーが「いいね」や「シェア」、「コメント」などのアクションを起こすことで、投稿は拡散されていきます。
そして、ユーザーがこれらのアクションを起こすためには、ユーザーにとって有益で共感できる投稿であることが重要です。
SNSのアルゴリズムは日々変化していますが、ユーザー心理や行動を理解することは、拡散を後押しする重要な要素となります。
まとめ
この記事では、SNSを拡散する具体的な方法や注意点について解説しました。SNSの拡散は、中小企業でも1度で多くのユーザーに商品やサービスを知ってもらえるチャンスとなります。
また、SNSは顧客とのコミュニケーションの場となるため、信頼や親密度を深め、長期的な関係が期待できます。
自社のマーケティングの手段として、SNSを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
- 最新記事