皆さんがスマートフォンやパソコンを使いやすくなるよう、日々進化していく。
コンピュータの脳であるOSですが、今回は2020年秋にApple社よりリリースされた「iOS14」に対するFacebookの考えとその対応、マーケティングに携わるものとして、どう動いていくかについて解説します。
目次
iOS14によるトラッキングに関する機能とその影響
ATT(App Tracking Transparency)とは
ATT(App Tracking Transparency)とは、AppleがiOSデバイスユーザーのプライバシーをユーザー自身が守りやすくするために、iOS14で新しく追加したフレームワークです。
iOSデバイスを使ってSafariなどのブラウザで検索した時のサイトや、AppStoreで取得したアプリを作っている企業などがユーザーのアクティビティを追跡することの許可を検索時やアプリ取得時に確認し、設定できるよう促すオプトインの表示が義務化されることになりました。
ATTがマーケティングに及ぼす影響
iOSデバイスにはIDFAというランダムに割り当てられたデバイスIDがあり、今回のアップデート以前は広告主やマーケターが、ユーザー自身が細かく設定していなければ許可を得ずともそのIDを取得でき、そのIDを使って動向を分析したり、集めたりすることでデータをマーケティングに活かすことができました。
しかし、その許可を手軽に設定できるようになり、データを集めるということそのものがやりづらくなってしまったのです。さらに、トラッキングを許可しているユーザーは全体の1割にも満たないということが各方面から発表されています。
この影響は当然、売上が広告によるものが9割以上を占めていて、世界のデジタル広告では20%以上のシェアを獲得しているFacebookにとって多大な影響を受けざるを得なくなりました。
Facebookの見解と対応
見解
iOS14へのアップデートについてFacebookは、
・これまで無料でアプリ等を提供してきた企業はデータ取得の為に課金制にせざるを得なくなり、その利益をAppleが獲得するための施策である。
・新型コロナウイルスにより苦境に立つ中小企業に更なる打撃を与えることになる
と発表していますが、
・Facebookとしては納得せざるを得ない、しなければFacebookを活用しているビジネスユーザーに大きな打撃を与えることになる。
とも述べています。
対応
iOS14への対応として、Facebookはビジネスヘルプセンターで以下のような提案をしています。
・ビジネスマネージャのドメイン認証
・上限8種類までイベント数を選択する(合算イベント測定)
これらについてはBigmacコラムでも紹介しています。
https://big-mac.co.jp/column/ios-14-update-on-web-advertising/
・AppleのSKAdNetwork APIからのレポートの制限事項があるので、iOS14用のアプリインストール用のキャンペーンを別途つくる必要がある。
アプリキャンペーンでの
・リアルタイムレポートができないことによるレポートの遅延
・ターゲティング設定の縮小
以上のことを踏まえ、iOS14へのFacebookが対応し、設定した新たなシステムを随時確認し、自身のアップデートも怠ることがないようにマーケティング活動をしていくことが私たちにできることであり、私たちにとっての課題となります。
マーケティング活動において大切なこと
Appleが発表している個人のプライバシーに対する考え方と施策は大変素晴らしいものですが、データを活用して生きる人へのフォローがあまり記載されていないことが気になる点です。デジタルマーケティングにおいて、今回のiOS14へのアップデートによる変更はFacebookだけでなく、デジタルデバイスを媒体にマーケティングを行っている人間全体へ大きく影響することになります。
これまで以上に企業ごとに持っていた顧客情報などのアセット、IDを使わない匿名からのリアルタイム情報が大切になり、更に考えなければならないことが、自社の顧客との信頼関係を厚くしつつ、そこから広げていくことです。
デジタルマーケティングを行う上で、私たちは常にGoogle、Facebook等の広告市場として大きな企業のポリシー、AppleなどOSを開発している企業のポリシーに従わなければ活動そのものが出来なくなってしまいます。
今後のアップデートにも注目
今回はiOS14のアップデートでのFacebookの見解を解説しました。
デジタルマーケティングに関わる人間として業界構造について深く考え、Facebookはもちろん、ほかの企業の今後のアップデートにもさらに注目していく必要があるでしょう。
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