Web広告は、GoogleやSNS、メールなどに掲載されるもので、インターネット上で手軽に宣伝できるツールとして普及しています。しかし、種類や媒体が多すぎて、何を選べばいいか分からないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Web広告とはなにか、種類と選び方、効果的な運用方法について解説します。
目次
Web広告とは
Web広告とは、WebサイトやSNSなどのインターネット上に配信される広告のことを指します。
画像、動画、テキスト、メールといった形式が含まれ、インターネット広告やオンライン広告などとも呼ばれています。
代表的なWeb広告として、ディスプレイ広告、リスティング広告、SNS広告などがあります。
Web広告の種類と選び方
代表的なWeb広告8つと、その選び方について解説します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告のことを指します。
バナーで表示されることが多いため、バナー広告と呼ばれることもあります。
【ディスプレイ広告の種類】
ディスプレイ広告 |
↓
アウトストリーム広告 | インストリーム広告 |
↓
バナー広告 | レスポンシブ広告 |
テキストと画像で作成されており、広告がクリックされた回数に応じて課金される仕組みになっています。
ディスプレイ広告は、以下のような企業に向いています。
- 潜在顧客に向けて商品やサービスをアピールしたい企業
- ターゲットを絞って広告を表示させたい企業
リスティング広告
リスティング広告は、検索連動型広告と呼ばれる広告手法で、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、キーワードに連動して表示されるものです。
ユーザーが検索したキーワードに関連した広告が表示されるため、ユーザーのニーズに合った広告を表示でき、成果に繋がりやすいという特徴があります。
クリック課金制のため、広告が実際に表示されただけでは費用は発生しません。
リスティング広告は、以下のような企業に向いています。
- Webサイトを多くの人に閲覧してもらいたい企業
- 商品やサービスの売上を上げたい企業
SNS広告
SNS広告とは、Meta(Facebook)、Instagram、X(旧Twitter)、LINEといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に配信する広告のことです。
ユーザーの属性・興味・関心・行動履歴に基づいて広告を表示できるため、ターゲティングの精度が高いのが特徴です。
SNS広告は、以下のような企業に向いています。
- SNSのユーザーの特徴にマッチした広告を配信したい企業
- 動画や画像を使って視覚的に広告を配信したい企業
動画広告
動画広告は、テキストや静止画とは異なり、音と映像で情報を伝えることで、短い時間でも商品やサービスの魅力を伝えることができる広告です。
【動画広告の種類】
動画広告 |
↓
インストリーム広告 |
↓
インフィード広告 |
↓
インバナー広告 |
Web上で配信されることが多いWeb動画広告は、SNSを通じて瞬時に拡散され、集客力やクリック率、費用対効果に優れています。
主にYouTubeやTikTokなどで目にする動画広告が一般的で、スマホの普及に伴い、市場規模が拡大しています。今後も動画広告市場は成長を続け、その経済規模は2023年には6,253億円だったのが、2027年までに約1兆228億円規模に達すると予想されています。
参考:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
動画広告は、以下のような企業に向いています。
- 認知度アップを図りたい企業(バナー広告よりも印象に残ると答えた割合が約1.7倍多い)
- 幅広い年齢層に向けた商品やサービスを提供している企業
メルマガ広告
メルマガ広告は、電子メールを利用したマーケティング手法のひとつです。メールマガジン(メルマガ)に広告を掲載することで、企業や個人が商品やサービスの情報を直接顧客に届けることができます。
メールマガジン(メルマガ)広告は、以下のような企業に向いています。
- 自社の商品やサービスに関心の高い顧客リストを保有している企業
- 見込み顧客を育成したい企業
ターゲティング広告
ターゲティング広告とは、ユーザーの興味や関心、行動履歴などから広告を配信する手法です。
たとえば、20代男性をターゲットにファッション広告を表示したり、似た傾向を持つユーザー層にアプローチしたりすることができます。
リマーケティング広告(Google広告)やサイトリターゲティング広告(Yahoo!広告)も、Webサイトを訪れたユーザーの閲覧コンテンツに基づいて関連性の高い広告を表示する追従型広告の一種です。
ターゲティング広告は、以下のような企業に向いています。
- 商品やサービスのターゲットを細かく設定したい企業
- 広告の費用対効果を高めたい企業
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告主が設定した成果条件を満たした場合、広告を掲載したメディアに報酬が支払われるという成果報酬型広告のことです。
広告主は、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に広告を出稿し、ASPは広告をアフィリエイターに紹介します。
アフィリエイターは、自身のWebサイトやSNSアカウントなどで商品を紹介し、それを見たユーザーが商品を購入するなどの成果条件を満たすことで、ASPからアフィリエイターに報酬が支払われます。
アフィリエイト広告は、以下のような企業に向いています。
- ECサイトを運営している企業や、ECサイトを利用しているメーカー企業
ECサイトは多くの消費者が利用しているため、自社の商品を効果的に宣伝することができるためです。
Web広告のメリット・デメリット
Web広告のメリット・デメリットとして、次のことが挙げられます。
メリット | デメリット |
---|---|
Web広告を配信するターゲットを絞れる | 効果が出るまで時間がかかる |
効果測定ができる | 競争が激しい |
少額から始めることができる | 知識やスキルが必要 |
Web広告のメリット
Web広告は、年齢層や興味・関心、行動履歴などの属性に基づいて、ターゲットを絞り込んだ配信が可能です。広告掲載する媒体や配信時間帯を調整することで、より多くの人に見てもらうことができます。
Googleアナリティクスなどのツールを活用すれば、広告の閲覧数、クリック数、コンバージョン数などを詳細に分析できます。
広告キャンペーンの効果を数値で把握し、必要に応じてターゲティングやクリエイティブを改善することで、より良い結果につなげることができます。
Web広告のデメリット
Web広告の効果が出るまでには、3ヶ月〜6ヶ月程度の期間がかかります。これは、適切なキーワード選定やサイト最適化、継続的なデータ分析が必要となるためです。
また、Web広告市場は競争が激しく、人気のキーワードや業界では入札価格が高騰する傾向があります。そのため、成果を出すためには、媒体ごとにデータを分析し、実践と検証を繰り返す必要があります。
Web広告の課金方式の仕組み
Web広告には、目的や予算に合わせて選べるさまざまな課金方式があります。それぞれの課金方式の特徴を理解し、より効果的な広告運用をしましょう。
1.クリック課金型(PPC・CPC)
クリック課金とは、ユーザーが広告をクリックした回数に基づいて課金される方式です。
PPC(Pay Per Click)または、1クリックあたりのコストを表すCPC(Cost Per Click)とも呼ばれます。
メリット | デメリット |
---|---|
費用対効果が高く、興味のあるユーザーにリーチできる | 人気キーワードではクリック単価が高騰する場合がある |
クリック数に基づいて支払うため、予算管理がしやすい | クリック数が少ないと広告効果が低かったと判断される可能性がある |
潜在的な顧客を自社サイトに誘導できる | クリック後のコンバージョン率を考慮した戦略が必要となる |
2.インプレッション課金型(CPM)
広告が表示された回数(インプレッション数)に基づいて課金される方式で、CPM(Cost Per Mille)とも呼ばれます。
1,000回の表示ごとに広告費を支払い、露出を増やしブランド認知度向上に有効です。
メリット | デメリット |
---|---|
クリエイティブを改善することでクリック率を上げ、単価を抑えられる | クリックやコンバージョンに繋がらなくても費用が発生する |
ブランド認知度向上や露出増加に効果的 | クリック率が低いと単価が割高になる |
アクセス数の多いメディアやブログで宣伝効果を高められる | ユーザーのアクションへの貢献度が低く、費用対効果の分析がしにくい |
3.エンゲージメント課金型(CPE)
ユーザーが広告に対して行ったアクション(いいね、シェア、コメントなど)に基づいて課金される方式で、CPE(Cost Per Engagement)とも呼ばれます。
この方式は、広告主がSNS広告などを通じてユーザーからの反応(エンゲージメント)を得た場合に広告費を支払います。
メリット | デメリット |
---|---|
広告に興味のあるユーザーにリーチできる | 明確なコンバージョンを目的とする場合、費用対効果が見合わない可能性がある |
ユーザーの能動的なアクションを得ることができる | エンゲージメント単価が高騰し、予算管理が難しくなる場合がある |
実際にコンバージョンにつながる可能性が高いユーザー層にリーチできる | 他の課金方式と比べてデータ分析がしにくい |
4.動画視聴課金型(CPV)
ユーザーが動画広告を視聴した秒数に基づいて課金される方式で、CPV(Cost Per View)とも呼ばれます。
YouTubeでは30秒以上、Tiktokでは2秒、6秒、または最後までの再生から選択可能です。それぞれの秒数が視聴された場合に費用が発生します。
メリット | デメリット |
---|---|
商品やサービスの魅力を効果的に伝えることができる | 視聴単価が高騰し、予算管理が難しくなる場合がある |
興味を持ったユーザーに訴求でき、費用対効果が高い | 広告動画の制作費がかさむ可能性がある |
情報量の多い動画で、ユーザーに強くアピールできる | クリックやコンバージョンにつながらないと、費用が無駄になる可能性がある |
5.成果報酬課金型(PPA)
広告経由で発生した成果(商品購入、会員登録など)に基づいて課金される方式で、PPA(Pay Per Action)とも呼ばれます。
広告主にとってはリスクが少なく、費用対効果の高い料金形態です。
メリット | デメリット |
---|---|
成果が発生するまで費用がかからず、予算管理がしやすい | 広告媒体にとっては、最低出稿金額が設けられている場合がある |
設定したKPIを達成するまでコストがかからないため、無駄な広告費を抑えられる | 公正でない成果が発生した場合、費用対効果の分析が難しい |
成果報酬型は、コンバージョンに結びつきやすいアクションに投資できる |
6.掲載期間保証型課金型(CPD)
事前に決められた期間、広告を掲載し続ける方式で、CPD(Cost Per Day)とも呼ばれます。
この方式は純広告(バナー、動画、メルマガ、ターゲティング)で使用され、広告を特定の位置に一定期間掲載することを保証します。
メリット | デメリット |
---|---|
長期的なブランド認知度向上に効果的 | 柔軟性に欠け、途中で広告効果が低くても費用が変わらない |
安定したアクセス数増加が見込める | クリック数や表示回数に関係なく、掲載期間に基づいて費用が発生する |
広告費が事前に明確で、予算管理がしやすい |
7.配信数型課金型
広告の配信量(クリック数やインプレッション数など)に基づいて課金される方式で、主にメール広告で使用されます。
インプレッション課金型(CPM)と似ていますが、より柔軟に設定でき、100回や500回などの配信ごとに費用が発生するのが特徴です。
メリット | デメリット |
---|---|
広告配信量をコントロールでき、予算に合わせて柔軟に運用できる | クリックやコンバージョンに繋がらなくても費用が発生する |
インプレッション数やクリック数に関係なく、設定した配信数に基づいて費用が発生する | 望ましい反応が得られない場合や、メールが開封されない可能性がある |
Web広告の主要な媒体9つ
SNSやWebメディアの普及に伴い、Web広告を掲載できる媒体が大幅に増えています。
主要なWeb広告の媒体には、以下の9つが挙げられます。
Google【ディスプレイ広告・リスティング広告】
Google広告は、検索履歴やユーザー属性などに基づいて広告を表示するため、幅広いターゲット層にリーチできます。リスティング広告はテキストベースの広告で、検索結果の上位やサイドバーに表示されます。
ディスプレイ広告は画像や動画を使用でき、Google検索パートナーやYouTube、Gmailなどのサービスにも表示されます。クリック課金やインプレッション課金が一般的で、月額予算はリスティング広告で30万円程度、ディスプレイ広告で10〜50万円程度を検討しましょう。
YouTube【動画広告】
YouTube広告は、年齢や性別、興味・関心などに基づいてターゲットを選択できます。年齢層は10歳前後の区切りでターゲティングでき、主に10代〜30代の若年層にリーチできます。
動画の冒頭や途中に挿入されるバンパー広告やTrueViewインストリーム広告、関連動画として表示されるTrueViewディスカバリー広告など、さまざまな形式があります。
費用は、広告の種類やターゲット、目的によって大きく異なりますが、1日1CV(コンバージョン)を達成するには約1,000円の予算を見積もる必要があります。
TikTok【動画広告】
TikTok広告は、主に10代や20代の若年層をターゲットとしており、利用者数は、10代が全世代で一番多い55%となっています。
TikTok広告の課金方式は、クリック課金、インプレッション課金、再生課金の3つで、単価の目安はそれぞれ10円〜100円、100円〜1,000円、5円〜50円程度です。
予算やターゲット層、目的に合わせて、動画広告やハッシュタグチャレンジ、インフルエンサーを活用した広告などから選択しましょう。
LINE【SNS広告】
LINE広告は、年齢・性別などのデモグラフィックターゲティングや、ユーザーの興味・関心に基づく詳細ターゲティング、直接データをアップロードするオーディエンス配信が選択できます。
クリック課金やインプレッション課金、友達追加課金などの課金方式があり、クリック単価は40円〜150円、インプレッション単価は1,000回表示ごとに400円〜1,000円、友達追加は1件あたり100円〜400円が相場です。
X(旧Twitter)【SNS広告】
X(旧Twitter)は、主に10代から20代のユーザーを主要ターゲットとしたSNSです。消費者庁の調査によると、この年代層ではSNSがきっかけで商品購入やサービス利用に至ったケースが多くみられます。
X(旧Twitter)では、画像広告、動画広告、カルーセル広告、テキスト広告の4種類の広告形式が利用可能です。とくに動画広告は、ブランドへの関心喚起やウェブサイトへの誘導に効果的です。
X(旧Twitter)広告の月額広告費は、概ね10万円から30万円程度が一般的な目安とされています。
Instagram【SNS広告】
Instagramは、主に10代〜30代のユーザーをターゲットとしています。利用率が最も高い年代は10代で約69.0%となっています。
Instagram には、写真広告、動画広告、ストーリーズ広告、カルーセル広告、コレクション広告、発見タブ広告の6つの広告形式があります。
写真広告は商品やサービスのビジュアル表現に適し、動画広告はより印象的なプロモーションが可能です。ストーリーズ広告はユーザーエンゲージメント向上に、カルーセル広告は複数商品の紹介に効果的です。
Instagram広告の月額費用は、効果的な広告運用を行うために最低でも5万円前後が必要とされ、一般的な広告費は10万円程度が目安とされています。
Meta(Facebook)【SNS広告】
Meta(Facebook)広告は、主に30代〜40代のユーザーをターゲットとしています。実名登録制や詳細なプロフィール情報に基づいて広告を配信できるため、ビジネス活用している企業も多いのが特徴です。
Meta(Facebook)広告のインスタントエクスペリエンスやコレクション広告は、ユーザーが広告を開くとフルスクリーン表示され、より視覚的な訴求が可能です。
Meta(Facebook)広告の費用相場は月10万〜30万円程度ですが、初めて広告を出す場合は、月3万円程度から始め、効果を見ながら予算を増やすのがおすすめです。
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