インターネットを使ってビジネスを始める方法として、ECサイトを立ち上げて商品を販売する方法があります。ECサイトを作りたいと考えている人の中には、「そもそもECサイトとはどのようなものなのかわからない!」と感じる人もいると思います。
そこで本記事では、ECサイトの基礎知識から実際の作り方、そして売上を伸ばすために意識すべきポイントまで初心者の方向けに徹底解説します!ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ECサイトとは?基礎知識を解説
はじめに、ECサイトとはどういったもので、何ができるサイトなのかご存知でしょうか。具体的な作り方の説明に入る前に、まずはECサイトの基本的な知識を解説します。
ECサイトとコーポレートサイトの違い
インターネットでビジネスを成功させるための有効な手段として、コーポレートサイトやECサイトは必要不可欠なものです。二つのサイトの違いを理解することで、ECサイトを作る目的を明確にすることができます。
ECサイト
ECサイトは商品を売ることが主な目的として作られるサイトです。ECサイトは商品やサービスを、インターネット上で販売するサイトのことです。Amazonや楽天市場などの大手ECモールと連携ができるという強みもあります。
ただし、発注を受けてから配送するなどの運営・管理体制や、顧客の情報を守るためのセキュリティ機能などを厳重に設ける必要があり、システムや設計などの予算はコーポレートサイトよりも高くなります。
コーポレートサイト
コーポレートサイトとは、企業や組織の情報を提供するためのサイトです。コーポレートサイトを作る目的として、以下のようなことが挙げられます。
- 企業のイメージをアピールする
- 企業の情報を伝える(会社の所在地、社員数、提供するサービス、経営状況など)
- 採用情報を載せて人材を確保する
ECサイトとコーポレートサイトの違いを簡潔にまとめると「商品やサービスの販売」に焦点を当てるか(=ECサイト)、「企業の情報提供やコミュニケーション」に焦点を当てるか(=コーポレートサイト)の違いです。
この記事では、ECサイトを作りたい方向けに解説していきます。
実店舗ではなくECサイトだからできること
「商品・サービスを販売する」ことは実店舗でも可能なことですが、実はECサイトには実店舗ではできないさまざまなメリットや機能があります。ECサイトならではのメリットをいくつか紹介します。
グローバルに事業展開でき、世界中の顧客がアクセス可能
ECサイトはインターネット上に存在するため、国と国の制約なく世界中の顧客がアクセスすることができます。
国境を越えて商品を販売できるため、実店舗よりも容易に世界市場に参入することができます。
営業時間の制限がない
ECサイトはインターネット上で常にオープンしているので、24時間365日営業していることになります。そのため顧客は自分の都合の良い時間に商品を閲覧し、購入することができます。
営業日や営業時間が限られる実店舗よりも便利な点と言えます。
カスタマイズとパーソナライズ
ECサイトでは、顧客の購買履歴や個人情報を活用して、パーソナライズされたオファーや推奨商品を表示することができます。顧客の嗜好や興味に合わせた情報や商品を提供することで、顧客の満足度と売上を向上させることができます。
詳細な商品情報と比較できる
ECサイトでは、商品の詳細な説明や仕様、写真、レビューなどをわかりやすい形で提供することができます。顧客は自分のペースで商品情報を閲覧し、他の商品と比較して購入を検討することができます。
マーケティングとデータ分析
ECサイトでは、顧客の行動データを収集し分析することができます。これにより、顧客の傾向や購買パターンを把握し、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
これらの要素により、ECサイトは顧客に対してより便利で柔軟なショッピング体験を提供し、企業にとっては市場拡大や効率的な販売活動を実現することができます。
ECサイト作りに入る前に確認したいこと
ECサイトの基礎知識を解説したところで、実際にECサイト作りに入る前に確認しておいた方がいいことを紹介します。
このポイントを抑えておくことで、ECサイトの集客成功率がグッと上がりますので見ていきましょう!
ECサイトを作る目的とターゲットを明確にする
まず、ECサイトを作る目的とターゲットを明確にして意識しながら制作に入ることが重要です。目的は、「販売の促進」、「企業ブランドの構築」、「新規顧客の獲得」など個人や企業によってさまざまです。具体的なビジネス目標を設定することが非常に重要なプロセスになってきます。
ターゲットを明確にすることで、下記のようなメリットがあります。
マーケティングの効率化
ターゲット層を明確に定めることで、広告やプロモーションの対象を絞ることができます。予算やリソースを効果的に活用し、ターゲット層に訴求するマーケティング戦略を展開できます。
商品開発
ターゲット層をしっかり研究することで、ニーズや好みに合わせた商品(サービス)を開発できます。顧客の要求に応えることで満足度が高まり、リピート購入や口コミの促進に繋げられます。
競争力の強化
ターゲット層を明確に定めることで、競合他社との差別化が可能となります。独自の価値を提供したり、ターゲット層の顧客に対して特化したサービスを提供することで、競争力を高められます。
顧客の満足度向上
ターゲット層に合わせた商品やサービスを提供することで、顧客の満足度を向上させることができます。顧客は自分のニーズに合う商品やパフォーマンスを求めています。
ターゲット層を見定めてニーズに合うサービスを反映させることで、顧客との信頼関係を築くことができます。
市場調査と競合分析
次に、ターゲットとなる顧客層を細かく分析し、目標を定めます。ユーザーの年齢、性別、地域、興味・関心、購買行動などの要素を考慮し、どのような顧客に焦点を当てていくかを決定しましょう。
業界のニュースやトレンド、競合他社のウェブサイトなどを調査することも大事です。顧客の嗜好や行動、市場の需要と供給、競合他社の戦略などを分析し、ECサイトを運営していくための戦略を立てましょう。
顧客のニーズに応えるために、商品選定や価格設定、コンテンツ作成などを最適化します。市場調査は継続的に行う必要があり、顧客や市場の変化に合わせて柔軟にアップデートしていく必要があります。
こういった市場調査は、ECサイトの成功に必要不可欠な要素です。
ECサイトの種類と構築方法を知ろう
ここからは、実際にECサイトを作るために必要な知識を解説します。『ECサイトにはどのような種類があり、またECサイトをどのように作るのか』という点を、要点を押さえながら学んでいきましょう。
ASP
ASP(Application Service Provider)とは、クラウド上で提供されている、サイトの構築に必要な機能が元々備えられているシステムのことを指します。ASPには商品管理や決済機能など、インターネット上での商品販売を可能にする基本的な機能が初めから組み込まれています。
そのため、ECサイト初心者の方でも簡単にECサイトの作成や運営を行うことができます。
メリット
- 開発費用を安価に済ませられる
- 運営のために必要なWeb制作の専門知識がなくても運営ができる
- 導入までの期間が短く、最短1日でショップのサイトを開設できる
- サーバー管理にかかる業務もプロバイダー側が負担してくれる
デメリット
- 決められたテンプレートの中からデザインを選ぶため、カスタマイズ性が低い(サービスによってはテンプレートの種類数が多く、追加料金でさらに選べるテンプレートの数を増やすことも可能)
- 使用できる機能が限定的で、顧客のニーズに合わせてサイトを作りこんでいくことは難しい
- 外部のシステムやデータベースと連携しながら利用するには不向きなシステムのため、売上アップして規模が大きくなってくると、他の構築手法に乗り換えざるを得なくなってくる可能性がある
モール型
モール型とは、複数の店舗が集まったオンラインショッピングモールのような形態です。例として、楽天市場やAmazonが挙げられます。
一つのウェブサイト内で複数の店舗が独立して商品を販売しているので、顧客は複数店舗の商品を一括して購入することもできます。
メリット
- モール自体にブランドと知名度があるため、集客力があり顧客からの信頼を得やすい
- モール側がショップの運営をサポートしてくれるため、初心者でも運営がしやすい
- 複数の店舗やブランドが一つのプラットフォームに集まっているので、多様な商品を一つのウェブサイト内で販売できる
デメリット
- 同じモールで販売している他ショップとの競争や差別化が難しい(サービスによってはテンプレートの種類数が多く、追加料金でさらに選べるテンプレートの数を増やすことも可能)
- 売上に応じたロイヤリティやテナント料をプラットフォームに支払う必要がある
クラウドEC
クラウドECとは、クラウド上のプラットフォームを用いて、クラウド上でECサイトを構築・運営できるサービスのことです。長期的に運営する上ではコストパフォーマンスが非常によく、さらにカスタマイズの自由度や機能性も比較的高いサービスです。
業種を問わずさまざまな企業がクラウドECを用いてインターネット販売を行っている事例も豊富にあり、条件さえ合えば多くの企業やショップにおすすめといえるサービスです。
メリット
- プラットフォーム内でシステムが自動更新されるため、システム改修のための費用がかからず、長期的に運用することを考えるとかなりお得
- サーバーのスペックを一時的に上げられるため、セールや期間限定品を販売する際の急なアクセス増加にも柔軟に対応できる
- データのバックアップや復元機能がついているため、データの保護と復旧が簡単にできる
デメリット
- 初期費用に最低でも500万(月額でも数十万かかる)ため、費用面で低コストではない
- プロバイダーが提供する機能や設定に制限がつく場合があるため、柔軟なカスタマイズは難しい
オープンソース
オープンソースとは、無料で公開されているソースコードを利用し、自由にECサイトを構築できる形式のことを指します。ECサイトに必要な基本機能が元々備わっていることが多いので、後から拡張機能を使って便利な機能を追加することもできます。
メリット
- 無料のソースコードを利用して構築するため、初期コストをさほどかけずに開設することができる
- ソースコードを直接操作して構築するので、必要に応じて機能を追加でき、外部のシステムと同時に運用も可能
デメリット
- ソースコードを操作してサイトを構築できる専門的なスキルを持った人材が必要(初めの構築時だけではなく、長く運用していく中でのメンテナンス時にも必要不可欠)
- 公開されているソースコードから構築するということは、ハッカーに狙われる恐れがあるのでセキュリティ対策が他の構築方法に比べて難しい
- ソースコードを改変して利用するので、サイトに障害が起きた際は自己責任で解決する必要がある
パッケージ
パッケージは、既存のソフトウェアやプラットフォームを利用して、比較的短期間でECサイトを構築する手法です。必要な機能や基本的な設定がすでに用意されており、開発にかかる工程やコストを省略できます。
メリット
- パッケージを利用することで、既存のシステムを活用するため、ECサイトの構築にかかる時間を短縮でき、初心者でも迅速にサイトを立ち上げられる
- パッケージは、既存のソフトウェアやプラットフォームを使用するため、カスタム開発に比べて費用を削減できる場合があり、サポート体制があるため、トラブル解決にかかる費用も削減できる
デメリット
- パッケージを利用する場合、既存のシステムに基づいた制約が存在するため、自由度の高いカスタマイズが難しい場合がある
- パッケージは定期的にバージョンアップやアップデートが行われるため、新しい機能やセキュリティのアップデートに追従する必要がある。アップデートの際には、カスタマイズ内容への影響や、互換性の確認が必要
フルスクラッチ
既存のコードを利用せず、完全にゼロの状態からECサイトの全てのコードを構築することを指します。つまり、ソースコードやプラットフォームを一切使用せずに全ての要素を開発する方法です。
これまで紹介してきた構築方法の中で最も自由度が高く、最もコストのかかる方法と言えます。
メリット
- 全ての機能やデザインをゼロから開発するため、それぞれのサービスやビジネスモデルに合わせた最大限のカスタマイズ性を実現できる
- 全てのコードを独自で書くため、セキュリティやパフォーマンスの最適化、特定の機能の実装などの自由度が高い
デメリット
- プログラミング言語やデータベース、セキュリティ対策など、幅広い領域にわたる知識が必要
- 全ての要素を自身で開発するため、時間とコストが大きく必要。特に初心者にとっては学習と開発に時間を要することになる
ECサイトの基本的な作り方
①プラットフォームの選択
利用料、手数料、機能、カスタマイズ性などを検討し、自身のサービスに合ったECサイトのプラットフォームを選択します。
②商品の登録
商品情報の画像、価格、在庫情報などをプラットフォームに登録します。商品管理を行いつつ、注文処理や在庫管理なども同時に担当します。
③カスタマイズとデザイン
プラットフォームが提供するカスタマイズオプションを活用して、ECサイトのデザインを調整します。店舗のロゴや色彩設計を反映させ、自身のブランドの個性を表現します。
④支払い処理と集計
プラットフォームは決済システムを提供し、顧客の支払い処理や注文集計を行います。売上や注文状況を確認して次の集客のための施策を練ります。
⑤マーケティング活動
商品のプロモーションやマーケティング活動を行います。プラットフォーム側が提供するマーケティングツールや広告サポートを活用し、集客を増やしていきましょう。
売上が伸びるECサイトを作るなら必ず抑えておきたいポイント
続いては、売上が伸びるECサイトを作るために必ず抑えておきたいポイントを紹介します。冒頭で説明した「市場調査」や「競合分析」などはマーケティングに関するポイントでしたが、ここではユーザーに寄り添ったECサイトを作るための工夫に当たるので、知っておくと一歩ステップアップできます!
デザイン
ECサイトのデザインは、顧客のニーズに合わせたものにする必要があります。例えば、ターゲット層が「40〜50代のサラリーマンの男性」とした場合、ポップで色数の多いデザインはニーズに合っておらず、顧客離れにつながるおそれがあります。
そのため、ターゲット層に合わせて最適なデザインを吟味することが大切になってきます。ニーズに合わせたトレンドも取り入れると、より一層目を引くECサイトに仕上げることができます。
ECサイトのデザインを考える上で参考になるサイトを紹介します。
SANKOU! Webデザイン制作の参考になる国内のステキなサイト集
https://sankoudesign.com/category/ec-onlineshop/
『SANKOU!』は洗練されたデザインを数多く掲載しているため、『どういったECサイトが』『どのようなターゲット層に』『どのようなデザインでアピールしようとしているのか』を明確に把握することができます。
この視点はマーケティングする上でも非常に役立つものになってきます。
さらに、カテゴリ検索機能が便利で、サイトの特徴だけでなく、業種やテイスト、配色、レイアウトなど多様な絞り込み要素を利用して参考になるWebサイトを見つけることができます。
ECサイトのデザインは集客に繋がる非常に大切な要素の一つですので、時代のニーズやトレンドを考えて作成できると成功に繋がりやすくなります。
使いやすさ
ECサイトにおける『使いやすさ』は、ユーザーがECサイトを簡単かつ直感的に操作でき、目的の情報や商品を迅速に見つけることができることを指します。これはデザインにも通ずることですが、サイト内のメニューやカテゴリーは、分かりやすく階層化されている必要があります。
ユーザーが目的のページや商品にスムーズにアクセスできるようにしましょう。そのためには検索機能も充実したものを用意する必要があります。
キーワードやフィルターを使用して商品や情報を検索できるのが基本です。しかし、中には商品名やキーワードをはっきり覚えていないという顧客もいることを想定し、広範囲の検索機能を用意しておくと満足度に繋がってきます。
また、購入手続きのステップが簡潔で分かりやすいことも非常に重要です。ユーザーがスムーズに商品をカートに入れて購入手続きを完了できるように、不要な入力項目や手続きを最小限に抑えましょう。購入手続きのページは簡潔かつ分かりやすい文字量にしておくと、ユーザーからの信用に繋がります。
決済方法
ECサイトにおける『決済方法』は、ユーザーからの満足度や信用に直結する非常に大切な項目となります。
まず、多くの決済オプションをユーザーが選択できることが重要です。クレジットカード、デビットカード、銀行振込、電子マネー、PayPalなど、利用者数の多い一般的な決済手段を用意し、ユーザーのニーズに合わせた選択肢を提供しましょう。
また、決済手続きはより簡潔かつスムーズであることが求められます。ユーザーが必要な情報を迅速かつ正確に入力し、支払いを完了できるような設計にしましょう。余分な入力項目や複雑な手続きはなるべく避け、ワンクリック決済や保存済みの支払い情報の利用などの便利な機能を提供すると購買意欲に繋がります。
ユーザーは支払いに関する情報を明確に把握し、安心して支払いができる環境を望んでいます。手数料、返金に関するポリシー、保証制度などの情報を分かりやすく明示し、ユーザーに対して信頼感を与えることが重要です。
以上の三点を意識し、ユーザーにとって便利で安全な購入体験を提供することで、購買意欲を高め、顧客満足度を向上させることができるので、結果的に売上を伸ばすアプローチになります。
ECサイトの作り方を知って気軽にオンラインショップを始めてみよう
ECサイトを作る方法を知り、必要なステップを踏むことで、オンラインビジネスを始めることができます。提供するサービスと顧客情報のマーケティングを重ね、最適な作り方でオンラインショップを開設してみましょう。
この記事が少しでも参考になり、ECサイト作りの手助けになれば幸いです。最後までご精読いただきありがとうございました。
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