ChatGPT(チャットジーピーティー)は、OpenAIが開発した無料のAI型チャットサービスで、自然言語処理を利用して会話ができます。2022年11月30日にリリースされてから、わずか2か月で1億人のユーザー数を突破し話題になりました。
そんなChatGPTは、すでに日本語に対応しているため特別な設定は必要ありません。この記事では、ChatGPTの使い方や登録方法の具体的な手順まで解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
ChatGPTとは
ChatGPTは、テキスト内容を要約したり、翻訳をしたりと多彩な機能を備えています。2023年2月にはChatGPT-3.5がリリースされ、翌月にはChatGPT-4がリリースされました。
GPT‐3からGPT‐4までの違い
GPT-3は、1,750億の学習パラメーターとテキストデータを使用して幅広いタスクに対応しています。一方、GPT-3.5は3,550億のパラメーターをもっていることから高い生成能力であるとわかります。
しかし、約一ヶ月後にはGPT-4が公開されました。GPT-4は約100兆個のパラメーターなので、GPT-3ができることはすべて含まれており、幅広い一般知識と問題解決能力をもっています。
また、新たな能力として、画像の読み取りを行い、その内容を説明できるようになりました。これにより、より多様なタスクに対応し、より高度な言語生成能力を持つAIモデルとなっています。
ChatGPTは最新情報をもっていない?
GPT-4になり、高度な生成能力を持つようになりましたが、ChatGPTが知っている情報は、2021年9月までの情報に限られており、最新の情報には対応できません。
ChatGPTに「何年何月までの最新情報をもっていますか?」と聞いたところ「2021年9月までのものです」という回答が返ってきました。
しかし、この問題を解決するべく、2023年3月23日にOpenAIはChatGPTがインターネット上から最新情報を収集できる「Browsing」というプラグインを追加すると発表しました。
ChatGPTは、この「Browsing」を使い、最近公開された映画と比較して興行収入がどのように変わったかについて、下記のようにインターネット上から情報を収集して回答していることがわかります。
ChatGPTは日本語に対応している
現在、ChatGPTは全て英語表記となっていますが、Google翻訳のようなアドオンを使用してページ全体を日本語化可能です。ChatGPTは世界の言語に対応しており、日本語で質問したら正確な日本語の文法で回答してくれます。
また、稀に英語で返答されることもありますが「日本語で話して」と書くことで、すぐさま日本語にて返答してくれます。
ChatGPTのアカウント登録方法
ステップ 1:ChatGPT のWebサイトにアクセスします。
ステップ 2:「GET STARTED」をクリックします。
ステップ 3:e-mailアドレスまたはSNS アカウントを選択します。「Continue with Google」か「Continue with Microsoft Account」を選んでください。どちらでも構いません。
ステップ 4:「Continue」をクリックします。メールアドレスとパスワードを入力し、「Continue」をクリックします。※確認用のメールが届きます。
ステップ 5:「Verify email address」をクリックします。メールボックスに届いた「Verify email address」をクリックし、メールアドレスの認証を完了させます。
ステップ 6:アカウント名を入力し「Continue」をクリックします。ファーストネーム(苗字)とラストネーム(名前)を入力します。
ステップ 7:電話番号を入力し「Send code」をクリックします。
ステップ 8:認証コードを確認します。
入力した電話番号宛に、あなたのOpenAI API認証コードと書かれたメッセージが届きます。
ステップ 9:認証コードを入力します。「Enter code」ページの入力フォームに認証コードを入力したら、「Verify」をクリックします。※電話番号の認証完了
ステップ 10:使用目的を選択します。主にどのように OpenAI を使用しますか?という質問が表示されるので、どれか一つを選択します。
- I’m building a product or feature(開発目的)
- I’m exploring personal use(個人利用)
- I’m conducting AI research(AIの研究)
- I’m a journalist or content creator(ジャーナリストやコンテンツクリエイター)
ステップ 11:アカウント登録完了。以上で、ChatGPT のアカウント登録は完了です。
ChatGPTの使い方は簡単!
ここではChatGPTをスマホとパソコンで使う方法を紹介します。
スマホでChatGPTを使う方法
スマートフォンのブラウザでOpenAIのWebサイトにアクセスします。
- Try ChatGPTをクリックします。
- ChatGPTのページに入り、テキストエリアに質問を入力します。
- 質問に対する回答が自動生成されます。
- 必要に応じて、回答をコピーして他のアプリケーションに貼り付けることができます。
パソコンでChatGPTを使う方法
ブラウザでOpenAIのWebサイトにアクセスします。
- Try ChatGPTをクリックします。
- ChatGPTのページに入り、テキストエリアに質問を入力します。
- 質問に対する回答が自動生成されます。
- 必要に応じて、回答をコピーして他のアプリケーションに貼り付けることができます。
ChatGPTのできること
ここではChatGPTでできることを紹介します。
ユーザーとの会話を通じて情報のやりとり
ChatGPTは、ユーザーが質問する内容に基づいて適切な回答を提供します。例えば、歴史的事実や天気予報などに関する質問をユーザーとの対話を通じて、フレンドリーな会話を行うことができます。
下記は、Twitterで話題になったChatGPTと「しりとり」をしている内容です。
しかし、ChatGPTは「しりとり」は得意ではないようで、ルールを無視した回答や特定の単語に執着する回答など、様々な回答パターンが存在しました。
要約や翻訳などのタスク処理
ChatGPTは、複数の言語に対応しており、英語で書かれた文書も日本語に翻訳ができます。これは、『昔話の「花咲じいさん」を英語に翻訳してください』とChatGPTにお願いして回答された文章です。
あらゆる言語でも翻訳可能なChatGPTの登場で、英語を学ぶ意味があるのかという議論も出ているほどです。
バーチャルアシスタントとしての利用
パナソニックホールディングスは、AIアシスタント「PX-GPT」を導入し、パナソニックグループの国内約9万人の社員が利用可能になったことを発表しました。
同様に、ベネッセもAIアシスタント「Benesse GPT」を発表し、将来は消費者向けのサービスでも活用することを視野に入れています。これらのAIアシスタントは、日常的な業務を自動化することで生産性を高め、従業員の負荷を軽減することが期待されます。
画像から分析できる
GPT-4では、画像に質問文を添えて入力することで、その画像の内容に基づく回答文の生成もできます。
また、スマートフォンのカメラで冷蔵庫内を撮影すると、中身の説明や冷蔵庫の中にある材料から調理可能な料理などを教えてくれるということも可能です。
プログラミング言語を用いた記述
ChatGPTは、プログラムのコードやスクリプトを記述することも可能です。
これは、ChatGPTがトレーニングデータセットから学習した多様な文書やコードのパターンを理解しているためです。これにより、開発者はコードをより簡単に作成できるようになります。
短文小説などの執筆
ChatGPTでは、好みのテーマやジャンル、文字数や形式などを知らせるだけで執筆の手伝いをしてくれます。
しかし、ChatGPTは小説を書く際に、著作権に触れる内容を生成することもあります。そのため、著作権を侵害していないか十分に注意してください。
ChatGPTの5つの活用事例を紹介
ここではChatGPTの5つの活用事例を紹介します。
カスタマーサポートへの導入
ChatGPTをカスタマーサポートに導入することで、多数の顧客からの問い合わせに24時間365日対応可能です。
また、既存の問い合わせログを学習して、より的確な回答を生成できます。これにより、カスタマーサポートの品質を向上させ、従業員の負荷を軽減できます。
実際に、海外の食品メーカーでは、ChatGPTを利用して顧客が好きな味や食感などのデータをもとに、カスタムオーダーメイドの食品を作り出す事例が存在します。
質問応答システムの開発
先ほどのカスタマーサポートへの導入には、FAQシステムの開発が必要です。しかし、この開発自体もChatGPTに頼むことができます。
FAQシステムの開発には、主にPythonやJavaScriptなどのプログラミング言語が使用されます。また、データベースとして、MySQLやMongoDBなどが利用されることがあります。
FAQシステムは、顧客の問い合わせに対する迅速かつ正確な回答を提供でき、それが顧客満足度の向上につながるため、多くの企業が導入しています。
ファイナンシャルアドバイザーとしての活用
ChatGPTをファイナンシャルアドバイザーとして活用する場合、投資や資産運用に関する情報や、相談者が抱える悩みや疑問について回答してもらう方法がベストです。
ChatGPTには様々な投資情報や市場動向に関するデータが蓄積されているため、相談者の質問に対して適切な回答を生成できます。また、相談者の資産状況やリスク許容度に合わせて、投資商品や資産運用方法についてアドバイスしてくれます。
ニュースサイトでの活用
ChatGPTを用いて、スポーツや芸能、科学技術などの特定の分野に関する記事を自動生成できます。それにより記事の量産が可能になり、ニュースサイトの情報量を拡大できるようになりました。
コミュニケーション支援
ChatGPTを使えば、言語障害や聴覚障害、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ人々とのコミュニケーション支援にも期待できます。これらの障害を持つ人々は、言葉を理解するのが難しかったり、音声によるコミュニケーションに困難を感じたりすることがあります。
しかし、言葉によるコミュニケーションの代わりに、文章での意思疎通が可能になれば、社会参加や日常生活において、より自由に、より多様に活動できるようになります。
ChatGPT活用時の注意点
ここではChatGPT活用時の注意点を紹介します。
日本語における対応力の難しさ
ChatGPTの学習データは、主に英語データで学習されているため、当然、日本語よりも英語で伝えた方が精度が高いです。文章生成の速度にも違いがあり、英語の方がより良い結果が得られると言われています。
セキュリティ面でのリスク
ChatGPTが、フィッシング詐欺への悪用やセキュリティ製品で監視するのが困難なポリモーフィック型マルウェアの開発に悪用される可能性も懸念されています。
悪用を最小限に抑えるためには、利用者も情報の正確性や悪用の可能性に気を配る必要があります。
不十分な回答
ChatGPTは、2021年9月までのデータに基づいて文章を生成するため、誤った回答を生成する可能性があることに注意が必要です。
さらに、ChatGPTは文章の正確さよりも人間らしさを追求しているため、デタラメな回答を返すことがあります。質問に対する回答は、常に自己判断と裏付けを行う必要があることを意識しましょう。
まとめ:ChatGPTにより様変わりする未来
2023年4月10日、来日したOpenAIのCEOサム・アルトマン(Samuel H. Altman)は、ChatGPTによるビジネス環境の変化について日本政府と面会しました。
ChatGPTは、膨大な情報を学習して自然な対話ができる無料のAI型チャットボットサービスであり日本語での使い方もできるため、日本がAIの利活用を通じて、世界で大きな存在感を発揮できる可能性があると語りました。
AIは、これまで経験したことのない新しい可能性を生み出すことができますが、同時に様々な問題も引き起こす可能性があります。私たちは、AIを正しく理解することで、より良い未来を創り出すことができるでしょう。
- 最新記事