Googleの検索エンジンアルゴリズムの進化や競合の増加により、従来のSEO対策では成果が出にくくなっていると感じている方も多いのではないでしょうか。そんな課題を解決する鍵となるのが、ロングテールSEOです。
ロングテールSEOのキーワードは、比較的競合が少なく、ポイントを押さえることでユーザーの行動につながりやすいという特徴があります。
そこでこの記事では、ロングテールSEOのメリットと効果を最大化するキーワードの選び方や注意点を解説します。
目次
ロングテールSEOとは
ロングテールSEOは、3つ以上の複数の単語で構成される「ロングテールキーワード」をターゲットにするSEO対策です。一方、従来のSEO対策では1つの単語で構成されることが多い「ショートテールキーワード」をターゲットにすることも多くありました。
ロングテールキーワードとは
ロングテールキーワードとは、「レストラン」「ホテル」などの1単語のキーワードに、「レストラン 福岡市 洋食」「ホテル 池袋 1泊 素泊まり」などさまざまな単語を組み合わせ、3〜4つのキーワードで成り立つものを指します。
複数の単語を組み合わせるため、キーワード自体の検索数や検索流入数は圧倒的に少なくなります。つまり、ターゲットがより明確になり競合が少なくなります。
そのため、ロングテールキーワードの意図を理解し、コンテンツを作成することができれば、効果が出やすいSEO対策であるといえます。ロングテールキーワードはSEOの分野だけでなく、広告の分野でも活用されており、リスティング広告運用の際にも使われています。
ロングテールSEOとビッグワードSEOの違い
ビッグワードSEOとは、検索ボリュームの多い「ビッグキーワード」をターゲットにするSEO対策です。一般的に、検索ボリュームが月間1万回以上のキーワードをビッグキーワードと呼びます。
検索ボリュームが大きいということは、検索上位に表示できれば、より多くのユーザーにアピールすることが可能です。
ただし、ビッグキーワードを検索すると、広範な情報や選択肢が表示されます。つまり、競合も多く、上位表示が難しいというデメリットもあります。
ロングテールSEO | ビッグワードSEO | |
扱うキーワード | ロングテールキーワード (3語以上の複数の単語) |
ビッグキーワード (1つの単語) |
検索ボリューム(月間) | 1,000回未満 | 1万回以上 |
メリット |
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デメリット |
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また、ロングテールキーワードが、ユーザーの悩みが明確になっている場合が多いことに対し、ビッグキーワードは、検索意図が漠然としているユーザーが多いことが特徴です。そのため、ビッグワードSEOでコンテンツを作成する際、知識と経験が重要です。
一方、ロングテールキーワードは、ユーザーの悩みが比較的明確なため、コンテンツ制作がしやすい傾向にあります。
そのため、ビッグワードSEOで最初から検索上位を狙うよりは、ビッグキーワードに関連したロングテールキーワードを活用して、サイト全体のコンテンツの質を高めていくことがおすすめです。
2つのSEOを組み合わせることで、より効果的にSEO対策を行いましょう。
ロングテールキーワードが注目される理由
ロングテールキーワードのもとになった「ロングテール理論」というものがあります。ロングテール理論は、「ヒット商品の売上総額よりも、年に一度しか売れないようなニッチな商品の売上総額が大半を占める」という現象を提唱した理論のことです。アメリカのWIRED誌の編集長であるクリス・アンダーソンが提唱しました。
全体の売上を、横軸に商品、縦軸に売り上げにしてグラフを構成してみると、長い尻尾(テール)のように見えることからロングテールの名が付いています。
ロングテールSEOは、ロングテール理論を活用したSEO対策です。ロングテールSEOにより、ニッチなキーワード対策を積み重ねることで、1つの検索ボリュームが大きいキーワードを対策するよりも、全体的なアクセス数の増加が期待できるといわれています。
ロングテールSEOのメリット
ロングテールSEOは効果が出やすいとされているのは、主に3つのメリットがあるためです。
競合が少なく検索上位を狙いやすい
1つ目は、ロングテールキーワードは複数の単語を組み合わせるため、ターゲットを絞りやすく、競合が少ないことがメリットです。
また、ターゲットが絞られていることで、コンテンツの方向性をユーザーの意図と合致させやすく、記事の評価につながり、検索上位に表示させることができます。
ロングテールキーワード1つの検索ボリュームは少ないですが、複数のロングテールキーワードを検索上位に表示できれば、サイト全体の流入数の増加が期待できます。
関連記事:SEOの評価基準とは?上位表示を狙うためのポイントを解説
コンバージョン率(CVR)につながりやすい
ロングテールキーワードは、ユーザーの具体的な悩みやニーズを反映したキーワードであるため、検索意図と一致しやすいという特徴があります。
また、ロングテールキーワードで検索するユーザーは、すでに購入意欲が高く、具体的な商品やサービスを探している可能性が高いです。その結果、企業が目指すサービスの利用や商品の購入といったコンバージョンにつながりやすくなります。
Googleのアップデートの悪影響を受けにくい
検索ボリュームが大きいキーワードのみを頼りにしていると、Googleのアップデートの影響を受けたときに、サイト流入数が大きく落ち込んでしまうリスクがあります。
複数のロングテールキーワードを対策することで、特定のキーワードからのアクセスに依存することが少なくなり、Googleのアップデートなどで順位の変動があった場合のリスクを分散することができます。
ロングテールキーワードの探し方
キーワード選定は、競合サイトをみて探し出したり、自分で考える以外にもいくつか方法があります。次の2点を活用して、ロングテールSEOの効率化に役立ててみてはいかがでしょうか。
無料の検索ツールを使う
1つ目は、無料の検索ツールを使う方法です。キーワードの検索ボリュームや競合性、季節要因、地域性も含めた情報を知ることができます。
また、自分の考えだけだとどうしても限界があるため、ツールを使うことで思わぬキーワードが見つかる場合があります。
おすすめの検索ツールは以下の3つです。
関連記事:キーワードプランナーとは?利用方法や使い方を分かりやすく解説!
Googleのサジェスト機能を活用する
Googleのサジェスト機能とは、検索窓にキーワードを入力した際に、関連するキーワードやフレーズを自動的に表示してくれる機能です。
これらのキーワードやフレーズの中には、ロングテールSEOに効果的なキーワードが含まれている可能性があります。
ただし、サジェスト機能は、検索したユーザーの過去の検索履歴や現在の検索クエリに基づいています。キーワードが対策の方向性として間違っていないか最終確認が必要です。
関連記事:サジェスト機能とは?Google検索の仕組みやSEOへの活用方法
ロングテールキーワードを選ぶ3つのポイント
ロングテールSEOでは、キーワードの見極めが重要です。ニッチなキーワードだからこそ、選び方を間違ってしまうと、コンテンツが無駄になってしまいます。
ここからは、ロングテールSEOの効果を最大限に発揮する、キーワードを選ぶポイントを解説します。
サイトのテーマに合わせる
ロングテールSEOにおいて、サイトのテーマを意識することは非常に重要です。
なぜなら、ロングテールキーワードは単体では検索ボリュームが少ないため、複数のコンテンツと関連付けて、有益なサイトであることを示す必要があるからです。
サイトのテーマを意識することで、ユーザーのニーズに合致したコンテンツを作ることができます。これにより、一貫性のある情報発信となり、サイト全体のSEO効果を高めることができます。
サイトのディレクトリ構造を意識する
ディレクトリ構造とは、ファイルやフォルダを階層的に整理する方法です。これをロングテールSEOでも意識することで、ユーザーにとってわかりやすく、目的の情報が見つけやすくなります。
具体的な施策としては、カテゴリページや内部リンクを設置すると良いでしょう。また、これらを設置するために、先述したようにサイトのテーマを決めておくと実施しやすいでしょう。
ディレクトリ構造を意識することは、サイト内の情報の流れをスムーズにするために効果的です。その結果、ユーザー満足度の向上や滞在時間の延長につながり、最終的にはコンバージョン率向上も期待できます。
また、わかりやすいサイトは、Googleなど検索エンジンからの評価を高め、上位表示を獲得しやすくなるというメリットがあります。
検索ボリュームを確認して決める
ロングテールキーワードでSEOの効果を発揮するためには、あらかじめキーワードの検索ボリュームを調べておく必要があります。考えついたキーワードが全く誰からも検索されないキーワードだったら意味がないからです。
ただし、検索ボリュームが大きすぎると、上位表示へのハードルが高くなるため、注意が必要です。
つまり、適切な検索ボリュームとは、ターゲット層に十分なリーチを確保できる一方で、競合が少なく、上位表示しやすいボリュームです。
一般的なロングテールSEOでは、月間検索ボリューム100~1,000回程度のキーワードが適切とされています。
また、検索ボリュームを確認するには、以下のツールが役立ちます。
SEO効果を最大限に引き出すために、検索ボリュームを意識して、ロングテールキーワードを決めましょう。
ロングテールSEOの注意点
ロングテールSEOを効果的に実施するための注意点を3つ解説します。
似たようなコンテンツが増えてしまいやすい
ロングテールSEOでは、ターゲットを絞ったコンテンツ制作が求められるため、類似コンテンツが発生しやすいという問題があります。特に、ニッチな分野では、限られた情報しか存在しないため、どうしても類似コンテンツになりやすい傾向があります。
似たようなコンテンツは評価が下がる
先述したように、ロングテールSEOでは、類似コンテンツが発生しやすい傾向にあり、評価にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
検索エンジンは、独自性や質の高いコンテンツを評価するため、類似コンテンツは上位表示されにくくなります。
また似たようなページが増えてしまうと、キャンペーンの変更や記事、内部リンクなどを最新に維持しなくてはいけない手間がよりかかるため、運用全体を見回る時間が増えてしまいます。
本当に必要なコンテンツなのか、ターゲットを明確にして、慎重にキーワードを選定しましょう。
長期的な戦略が必要
ロングテールSEOは、短期的な成果よりも、長期的な視点で取り組むことが重要です。
なぜなら、ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないため、効果が出るまでに時間がかかるからです。サイト全体の効果を得るためには、良質なコンテンツをつくり続け、ページを充実させる必要があります。また、長期的な戦略となるため、アクセス数やコンバージョン率などの分析もかかせません。
つまり、ロングテールSEOでマーケティング効果を発揮するためには、継続的な労力が必要です。
当社では、「検索エンジンからの評価を高めたい」「安定した集客を実現したい」などさまざまなお悩みに合わせて、SEOの専門知識をもったスタッフがサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
ロングテールSEOは、検索ボリュームの少ないロングテールキーワードに注力して、適切な戦略を練ることで、中小企業でも大きな成果を期待できるSEO対策です。
そのため、ビッグワードSEOで効果が出なかった場合でも、ロングテールSEOを上手く活用できれば、サイト全体のアクセス数が増加する可能性があります。
ただし、ロングテールキーワードのターゲットは少ないからこそ、ユーザーの解像度を明確にし、検索意図を理解したキーワード選択が重要です。
また、効果が出るまでに時間がかかるため、コンテンツ制作に労力がかかる、分析が難しいなどの注意点もあります。運用体制を整えて、戦略的に取り組みましょう。
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