Google広告の広告ランクとは、広告掲載を決める基準となるもので、ランクが高いと、広告が掲載されやすくなります。リスティング広告は配信しても必ず表示されるわけではなく、一定以上の広告ランクを満たしていなければいけません。
本記事では、リスティング広告の運用初心者に向けて、広告ランクの仕組みやランクを改善する方法を解説します。
目次
広告ランクとは?
広告ランクとは、「広告が掲載可能かどうか、掲載可能な場合に他の広告主様の広告と比較して、検索結果ページでの広告の掲載位置を決定するために使用される数値」としています。
つまり、広告ランクによって掲載順位や掲載可能かどうかが大きく左右されるということです。
品質スコアとの違い
品質スコアとは、広告やキーワード、ランディングページといったGoogle広告の広告の品質を示す数値で、広告の掲載順位に大きく影響します。品質スコアが高くなるほど、入札単価を低く抑えながら、広告掲載順位を上げることができます。
広告の掲載順位を決める数値ということでは広告ランクと同じですが、品質スコアは、広告やキーワード、ランディングページの品質を表す指標です。
品質スコアは次の3つの要素の総合値によって算出され、指標は1〜10の数値で評価されます。
- 推定クリック率(推定CTR)
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
品質スコアの数値が高くなると、広告の掲載順位が上がり、ユーザーの目に止まりやすくなり、クリックされやすくなります。
広告ランクが高いとどうなる?
広告ランクが高いと次のようなメリットが得られます。
- 広告の掲載順位が上がる
- クリック単価が下がる
- 広告の効果が上がる
広告の掲載順位が上がる
広告ランクが高いほど、広告が上位に表示されやすくなります。上位に表示されるほど、ユーザーの関心を引きやすく、クリック率やコンバージョン率も高くなります。
クリック単価が下がる
広告ランクが上がると、クリック単価が下がり、より費用を抑えながら効果的な運用ができます。
広告の効果が上がる
クリック率やコンバージョン率が上がると、広告の効果が上がり、1つの広告からより大きな成果を得やすくなります。
広告ランクを決める要素6つ
広告ランクを決める要素は次の6つです。
- 入札単価(上限クリック単価)
- 広告とLPの品質(品質スコア)
- 広告ランクの下限値
- オークションにおける競争力
- ユーザーが検索に至った背景
- 広告アセット(表示オプション)などのその他の要素
入札単価(上限クリック単価)
入札単価とは、広告のクリック1 回に対して最大でいくらまで支払ってもいいか、広告主様がその上限値を指定したものです。実際には最終的な支払金額は、指定した金額より少なくなります。また、入札単価はいつでも変更できます。
入札単価と実際のクリック単価は異なる
検索連動型広告において、実際にクリックされた際に請求される金額は、広告掲載順位を維持するために最低限必要な金額。つまり上限クリック単価と同じかそれを下回る金額になります。公式で表すと実際のクリック単価=次の順位の広告ランク÷自身が出している広告の品質スコア+1円(通貨の最小単位)となります。
では上記の公式から基づいて例2から広告主が実際に支払う、1クリック当たりのコストを計算していきましょう。
表を見ていただければわかるように、A社の場合は入札単価が¥500でしたが実際の1クリック単価は¥251と入札単価より低くなる場合が多いことがわかります。
実際のクリック単価は決して自分が入札した金額できまっているわけではありません。自社よりも1つ下の順位に位置している広告ランクと自社広告スコアに依存していることを覚えておきましょう。
広告とLPの品質
広告とそのリンク先のWebサイトがユーザーにとってどれほど有用で、関連性が高いものであるかどうかも重要な判断基準となっています。広告の品質がどのように評価されているかは、「品質スコア」によってわかります。
品質スコアは、Google広告アカウントで確認できます。
広告の品質スコアの確認方法
品質スコアは次の手順で確認できます。
- Google広告の管理画面を開く
- 「キャンペーン」アイコンをクリックする
- セッションメニューの「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」 プルダウンをクリックする
- 「検索キーワード」をクリックする
- 表の右上にある「表示項目」から「品質スコア」をクリックする
- 現在の品質スコアと各要素のステータスを表示するには、次の中から見たい情報を選択する:「品質スコア」「ランディングページの利便性」「推定クリック率」「広告の関連性」
- 過去の品質スコアを表示するには、次の指標から見たい情報にチェックボタンをつける
- 品質スコア(履歴)
- ランディングページの利便性(履歴)
- 推定クリック率(履歴)
- 広告の関連性(履歴)
広告ランクの下限値
広告ランクの下限値とは、広告がオークションで表示されるための最低基準のようなものです。Googleでは、常に質の高い広告を掲載するため、表示される広告が満たすべき最低限の基準に達しているかどうかを確認しています。
広告ランクの下限値によって、広告オークションで競合可能かどうかが決定されます。下限値は、オークション時に動的に決定され、広告の品質や掲載順位、ユーザーシグナルや属性などの要素が考慮されます。
オークションにおける競争力
広告ランクのオークションにおける競争力とは、同じキーワードに対して複数の広告主が競合する場合に、自社の広告がどれほど有利な位置を勝ち取れるかを示す指標です。競争力が高い場合には、より上位に表示される場合が高くなり、より多くのユーザーの目に触れる機会が増えます。
ユーザーが検索に至った背景
広告ランクのオークションでは、入札単価や広告の品質だけでなく、ユーザーが検索したときの状況も重要な要素として考慮されます。このユーザーの状況を「コンテキスト」と呼びます。
ユーザーの検索背景とは、ユーザーが検索エンジンにキーワードを入力するに至ったときの状況や気持ちのことを指します。たとえば、スマートフォンやPC、場所、時間、過去に検索したキーワード、趣味や嗜好、年齢などが複合的に作用し、ユーザーの検索意図をより深く理解する手掛かりとなります。
広告アセット(表示オプション)などのその他の要素
広告を作成する際、特定の広告文だけでなく、サイト内の特定のページへのリンクや電話番号など、特定の情報を追加することができます。この機能を「広告アセット(表示オプション)」と呼びます。
Google 広告では、広告主が追加したアセットやその他の広告フォーマットの見込み効果も考慮されています。
広告アセット(旧広告表示オプション)とは?
広告にビジネス情報を加えて表示する機能です。(住所、電話番号、ショップの評価、ウェブページの追加リンクなど)
▼広告表示オプション
広告オプションは追加することで広告ランクに掲載順位が高いほど影響する可能性があります。広告の掲載順位にプラスの影響はあっても、広告オプションを設定することにお金がかかるということがないためマイナスに影響することはありません。
広告ランクを改善するには?算出にかかわる要素3つ
上記の広告ランクを決める要素の中でも特に重要なのが、次の広告ランク算出にかかわる要素です。
- 入札単価(上限クリック単価)
- 品質スコア
- 広告アセットなどその他の要素
ただ、入札単価を上げることよりもまずは、品質スコアの向上やページの利便性につながる広告アセットなどその他の要素を意識した方が良いでしょう。順に解説します。
入札単価(上限クリック単価)
上限クリック単価を高く設定するほど、広告ランクが高くなりますが、入札単価の設定は最終手段としておいた方が良いでしょう。入札単価は、広告主が自主的にコントロールできる要素ではありますが、品質スコアを上げることを優先して行う方が最善です。
広告の品質スコア
品質スコアとは、先述したようにGoogle広告の広告の品質を示す数値で、推定クリック率(推定CTR)や広告の関連性、ランディングページの利便性の3つの要素から評価されます。
広告アセットなどその他の要素
広告アセット(旧広告表示オプション)には、動的サイトリンクや動的構造化スニペット、自動生成住所アセットなどがあります。Google広告では、広告主が追加したアセットなどによる効果も考慮しているため、可能な限りアセットは追加しておいた方が良いでしょう。
広告ランクの計算方法
広告ランクの計算方法は、次のようになっています。
入札単価×品質スコア+広告アセット(広告表示オプション)
広告アセット(表示オプション)とは、広告文とは別に広告主の住所や電話番号、サービスや商品の内容など追加情報を表示できる機能です。
関連記事:リスティング広告のアセット(広告表示オプション)とは?種類別に特徴を解説!
広告ランクとは、入札単価と品質スコアを掛け合わせたうえに、広告アセットの要素を追加したものが広告ランクを決め、掲載順位に影響を与えます。では、入札単価を上げれば良いというわけではなく、まず品質スコアを上げるための施策が重要です。
広告の品質スコアを上げる方法
Google広告では、広告の品質において、広告の関連性や信頼性、魅力があるかどうかを重視しています。具体的には、広告の文言やデザイン、リンク先のLPやユーザビリティなどが重要です。
品質スコアを上げる方法として、次の4つを意識しましょう。
- キーワードと広告文の関連性を高める
- 広告文のクリック率(CTR)を向上させる
- ランディングページの品質を向上させる
- コンバージョン率の改善など定期的な見直し
キーワードと広告文の関連性を高める
キーワードと広告文の関連性を高めるには次の3つがポイントです。
- キーワードに合わせた広告文
- キーワードの種類を適切に使い分ける
- 否定キーワード
キーワードに合わせた広告文が重要です。検索キーワードと広告文が密接に関連していることを確認しましょう。
また、広告グループ内で、キーワードの種類(完全一致、部分一致、フレーズ一致)を適切に使い分けましょう。不必要なキーワードを設定し、広告が表示されないようにしましょう。
広告文のクリック率(CTR)を向上させる
広告文のクリック率(CTR)の向上には、次の3つがポイントです。
- 魅力的な広告文
- 広告拡張機能
- 広告の表示位置
まず、魅力的な広告文を意識しましょう。ユーザーの目を引くような、簡潔で分かりやすい広告文を作成します。
さらに広告拡張機能を活用し、広告の情報をより詳細に表示しましょう。広告が表示される位置を調整し、より多くのユーザーにアピールしましょう。
ランディングページ(LP)の品質を向上させる
LPの品質向上には次の3つがポイントです。
- 関連性の高いコンテンツ
- ページの読み込み速度
- モバイルフレンドリー
関連性の高いコンテンツであるかどうかを意識しましょう。広告の内容とランディングページの内容が一致していることを確認します。
ページの読み込み速度を速くし、ユーザーの離脱を防ぎましょう。
モバイルフレンドリーも重要なポイントです。 スマートフォンでの表示にも対応し、ユーザーエクスペリエンスを向上させましょう。
コンバージョン率の改善など定期的な見直し
最終的な目標であるコンバージョン率を向上させることで、広告の品質が向上すると評価されます。広告の運用状況を定期的に見直し、改善点を洗い出しましょう。
広告運用はぜひBigmacにご相談ください
本記事では、Google広告の広告ランクについて、ランクを決める仕組み(構成要素)や改善方法について解説してきました。
Google広告ランクを改善するには、品質スコアを上げる施策を重視しましょう。
ただ、なかなかやっても効果が出ない、広告ランクが低く、広告が掲載されないなどお困りごとがありましたら、いつでもご相談ください。
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