公式サイトよりも気軽に見られるSNSのコンテンツは、企業や個人経営の店舗にとって、効果的な集客手段として注目されています。
調査によると、飲食店の82.6%(※1)がSNSを集客に活用しており、そのうち41.7%(※2)がInstagramやGoogleビジネスで集客効果を実感しています。
(※1)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000495.000001049.html
(※2)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000528.000001049.html
本記事では、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookの活用事例を紹介しながら、効果的な集客方法について解説します。
目次
SNSを効果的に使った「思わず行きたくなる」マーケティング
集客するにはお店の雰囲気づくり、メニューはもちろんですが、SNSを利用した「魅せ方」にこだわることが大切です。現在全国に1,885店舗を展開する、日本最大のコーヒーチェーンであるスターバックス(以下スタバ)。
スタバといえば、一度は試したい「季節限定ドリンク」、そこでしか味わえない独自のサービスと「オシャレな雰囲気」が魅力です。
また、それを伝えるスタバのSNSはとにかく拡散性があって、魅力的なコンテンツです。
スタバは敢えて広告配信をしないことでも有名ですが、その代わりにSNSが十分な広告の役割を担っているといえるでしょう。
そして、近年目立つのは「インスタ映え」で大きな集客を狙うカフェです。思わずSNSに上げて自慢したくなるインテリアやドリンクがあり、流行りに敏感な人なら一度は訪れたくなることでしょう。
そういった、来店していない人に向けても魅力的な「イメージ」をつくるのもSNSだからこそできるのです。
SNSでマーケティングするメリット
(公式Instagramより)
SNSでマーケティングするメリットは、以下の2つです。
写真で雰囲気が伝わる
画面に大きく表示される写真中心の投稿ができるので、実際に店舗に足を運ばなくても、カフェのイメージが分かりやすいです。
(公式X(旧Twitter)より)
リアルタイムで新商品やイベント情報が伝わる
「今じゃないと季節限定が味わえない」という気持ちにさせるのに最適なスピードで情報が届くのがSNSです。効果的に発信すると、短期間でで大きな売り上げが見込めます。
ここでX(旧Twitter)とInstagramの特徴をまとめてみます。使用するSNSによって、情報の伝わり方や拡散のされ方が異なります。
現在、国内のX(旧Twitter)人口は4,500万人、Instagramは3,300万人とされており、どちらも若年層のユーザーが多数を占め、月のアクティブ率はX(旧Twitter)が7割、Instagramが8割を超えています。
▶X(旧Twitter)
- 日本語では140文字制限があり、要点が分かりやすい。
- 文字が先に目に入る、画像は二の次。
- 文章次第で注目される。
- 時系列で表示されるため、最新情報がいち早く伝わる。
- 「いいね!」で拡散される。
- 写真がメイン。まず雰囲気やイメージが伝わりやすい。
- 時系列では表示されない。
- オシャレな写真が多く、写真のセンス次第で注目される。
- 「いいね!」で拡散されない。発見されるにはハッシュタグが絶対条件。
SNSでマーケティングするデメリット
SNSマーケティングのデメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
炎上リスク
SNSは、不特定多数のユーザーが自由に情報を発信できるプラットフォームです。そのため、不適切な投稿や誤解を招くコンテンツが公開されると、短時間で多くのユーザーの目に触れ、炎上に発展するリスクがあります。
炎上が発生すると、企業のブランドイメージや信頼を失うだけでなく、売上や業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そのため、SNSマーケティングを行う際には、炎上リスクをしっかりと把握し、予防策を講じる必要があります。
成果がわかりにくい
SNSマーケティングの成果は、売上や問い合わせ数の増加など、直接的な数値で測定するのが難しいという特徴があります。
そのため、成果をどのように評価するか、あらかじめ明確な指標を設定しておくと良いでしょう。
また、SNSの利用状況は常に変化するため、定期的に効果測定を行い、成果を検証し、必要に応じて施策を修正していく必要があります。
出所:2023年一般向けモバイル動向調査
運用に手間とコストがかかる
SNSマーケティングを効果的に行うためには、継続的な運用が必要です。コンテンツの作成や更新、ユーザーとのコミュニケーションなど、さまざまな業務が発生するため、手間とコストがかかります。
また、SNSの運用には専門的な知識やスキルが求められるため、外部に委託するケースも少なくありません。
集客につながるSNS活用のコツ
集客につながるSNS活用のコツを、5つ紹介します。
集客に効果的なハッシュタグの付け方
X(旧Twitter)やInstagramでは、多くのユーザーが「#新作メニュー」など、興味のあるトピックについて、ハッシュタグ検索をしています。
ですので、投稿内容と関連がある人気のハッシュタグを付けて投稿することで、フォロワー以外のユーザーに投稿を見てもらえる可能性が上がります。
そして、投稿を見たユーザーが店舗に足を運んでくれることにつながるでしょう。では、X(旧Twitter)やInstagramのSNSを運営するにあたり、集客に効果的なハッシュタグの活用方法について解説します。
トレンドのハッシュタグを使う
X(旧Twitter)では、トレンド入りしているハッシュタグを使用すると、多くのユーザーにツイートを見てもらいやすくなり、リーチ数を増やす手段として効果的です。
トレンド入りしているハッシュタグは、頻繁にランキングが変化します。
X(旧Twitter)の「# 話題を検索する」の「トレンド」の欄で、今、ユーザーの間で多くツイートされているトレンドのハッシュタグを確認することができます。リアルタイムでトレンドのハッシュタグを活用するのが効果的です。
オリジナルのハッシュタグを作成する
X(旧Twitter)で投稿を作成するときは、既存のハッシュタグの中から投稿内容に合ったハッシュタグを選ぶ必要はありません。
オリジナリティのある投稿にしたいときや、X(旧Twitter)でブランディングを図りたいときなどは、オリジナルのハッシュタグを作成してみましょう。
自社の商品やサービス名はハッシュタグにする
自社の商品やサービスについて投稿したい場合は、商品・サービス名を含んだハッシュタグにするのがおすすめです。
商品やサービス名を含んだハッシュタグは、商品やサービスの認知拡大を図るには、とても効果的です。それには、2つの大きなメリットがあります。
(メリット)
- 商品・サービスに興味を持ったユーザーが、ワンタップで情報を入手できる
- UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)を獲得できる
まず、新作商品・サービス名をハッシュタグに含めることによって、ユーザーの興味を引き、興味を持ったユーザーはハッシュタグをタップするだけで、その商品に関するツイートをまとめてチェックできるメリットがあります。
その商品・サービスを提供する企業の情報はもちろんのこと、実際に商品・サービスを購入したユーザーが撮った写真や感想といったUGC(ユーザー生成コンテンツ)もチェックできるので、商品・サービスの認知拡大に繋がります。
キャンペーンを開催する
「オリジナルのハッシュタグをX(旧Twitter)で拡散させたい!」というときは、オリジナルハッシュタグを活用したキャンペーンを開催するのが効果的です。
オリジナルハッシュタグを自社のアカウントで発信するだけでなく、多くのユーザーに使ってもらうことによって、より効果的にオリジナルハッシュタグを拡散させることができます。
ハッシュタグキャンペーンのやり方は下記の通りです。「オリジナルハッシュタグを使って投稿すること」を参加条件に、ユーザーが参加したくなるような参加のメリットを考えましょう。
(ハッシュタグキャンペーンの手順)
1.自社の商品・サービス名などを取り入れたオリジナルハッシュタグを用意する。
2.キャンペーンの目的や内容を決める。
3.キャンペーンの参加条件を決める。
4.キャンペーンツイートを投稿する。
それでは、カフェはどのようにSNSを運用しているのでしょうか?実際の活用事例を見ていきましょう。
こうすれば行きたくなる!SNS活用法
有名カフェを例に、上手なSNS活用術を見ていきましょう。
- 【Starbucks / スターバックス】
- 【Blue Bottle Coffee / ブルーボトルコーヒー】
- 【ALFRED TEA ROOM / アルフレッド ティー ルーム】
- 【Cafe Amazon / カフェ・アメィゾン】
【Starbucks / スターバックス】
▼思わず行きたくなるシチュエーション、時期にあった適切な呼びかけがユーザーの心に訴えます。
(公式X(旧Twitter)より)
X(旧Twitter)は時系列で投稿表示されるため、適したタイミングで発信すれば、見ている人の心にダイレクトに伝わり、行動を喚起させます。
▼店内が分かる動画付き投稿で、仕事帰りにでも寄ってみるか・・・という気になってきます。
(公式X(旧Twitter)より)
リアルタイムだからこそ、ライブ配信も効果的です。
【Blue Bottle Coffee / ブルーボトルコーヒー】
▼これどこの店舗?って気になります。京都に行ったら寄ってみよう!と思わせます。
(公式Instagramより)
Instagramはアルバムの様な見方ができるので、アカウントページを一目見るだけでも様々な情報を視覚で伝えることが可能です。
(公式Instagramより)
▲カフェの建物、内装、飲み物、食べ物、カフェに関わる人たちまでも紹介できます。
アピールポイントを効果的に伝えたいなら、写真の並びにもこだわって投稿すると良いでしょう。ユーザーを飽きさせずに、内装のオシャレさから素材のこだわりまでを伝えることができます。
【ALFRED TEA ROOM / アルフレッド ティー ルーム】
▼来店者がタグ付けによってとにかく拡散してくれます。
▼ここで撮りたい!と思わせるインスタ映えスポットも紹介されており、行く前から何となく楽しみになります。
(公式Instagramより)
投稿数の多いハッシュタグを付けると、人目に触れる機会が増えます。
ユーザーにとってはカフェの宣伝というよりも、自分の投稿が多くの人に見てもらうことができるので、より自然な形でカフェの情報が広がります。
【Cafe Amazon / カフェ・アメィゾン】
タイ国内に2,300店舗以上持つタイ大手のコーヒーチェーン「Cafe Amazon(カフェ・アメィゾン)」。
(公式Instagramより)
日本の震災復興を願い、福島県にて日本一号店が出店され、安倍元首相も訪れています。村に唯一のカフェであり、地域の人の憩いの場、観光客が訪れる場としてオープンしたそうです。
2023年11月29日には、四号店目が千葉県船橋市の商業施設内にオープンが決されました。
(公式Instagramより)
▲木造のあたたかな建物で、落ち着いた雰囲気の良さを感じられます。
ちなみにFacebookについては取り上げませんでしたが、Facebookの場合は「いいね!」をしている既存の人へ向けたアピールが効果的です。また「シェア」機能を使えるため、Instagramよりも拡散性は高いです。
X(旧Twitter)、Instagramに加え、Facebookも積極的に利用してみてはいかがでしょうか。それぞれのコンテンツの良さがあるので、複数のアカウントを運用してみるのもよいでしょう。
効果的な集客にSNSマーケティングは必須!
SNSマーケティングの強みは、広告らしさがあまりなく、親しみやすくて受け入れやすい点です。
ユーザーが「いいね!」「リツイート」「タグ付け」をすることによって店舗が有名になり、多くの人に「このお店に行ってみよう」という心理が働きます。
多くの人に店舗を知ってもらうために、SNSの発信をお勧めします。
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