Web広告やマーケティング業務の関係者なら『スマート自動入札』という言葉を耳にすることがあるでしょう。詳細を把握できていなければ、業務の非効率や広告運用でのコスパ悪化などにつながるかもしれません。
今回は、リスティング広告やマーケティングの初心者向けに、スマート自動入札の特徴や種類について紹介します。
目次
スマート自動入札とは
自動入札とは、Web広告の配信時に使用する機能で、目標に適した入札単価を自動で設定し、配信の調節を行います。スマート自動入札は、自動入札機能の中でもコンバージョンを増やすことを目的としたものを指します。
Google広告の公式ヘルプでは、スマート自動入札について、次のように記載されています。
スマート自動入札は、Google 広告で利用できる機能です。Google 広告のコンバージョン トラッキング データを使用して、費用を低く抑えながら、さらに多くのコンバージョンを獲得できます。具体的には、広告オークションごとに広告掲載を最適化して、収益につながらないクリックを減らし、収益性の高いクリックをできるだけ多く獲得できるよう調整します。
<引用元:Google広告ヘルプ|スマート自動入札>
また、『自動入札』という単語は、Google広告とYahoo広告の両方で確認されますが、『スマート自動入札』という単語はGoogle広告にて見られます。
スマート自動入札の特徴
スマート自動入札の特徴には、次の3つが挙げられます。
- オークションごとに入札単価が調整される
- 検索語句単位での学習機能
- 豊富なシグナル(属性)を使用した高度な分析
サードパーティー各社が発表・市場展開していた、過去の自動入札ツールの傾向と比較することで、現在のスマート自動入札の機能・特徴をわかりやすく説明します。
特徴1.オークションごとに入札単価が調整される
スマート自動入札の「オークションごとの入札単価調整」は、リアルタイムで入札を自動で最適化してくれることを指します。
過去にも自動入札ツールは存在していましたが、入札調整は1日に数回の頻度であり、限界がありました。リアルタイムでオークションごとに入札調整が行われることで、より高度な最適化が実現されます。
リアルタイムでの入札調整は、後述するシグナル(属性)をもとに行われるので、信頼性も向上しています。
特徴2.検索語句単位での学習機能
過去の自動入札ツールでは、アカウントが持つキーワード実績をもとに入札単価の上限を変化させていました。実際に利用された検索語句(検索クエリ)ではないので、現実のユーザーアクションに対応しきれていなかった面があります。
スマート自動入札では、過去のコンバージョン発生につながった検索語句から、掲載結果を予想して入札調整が行われます。あわせて、アカウントの過去の検索語句も学習機能に取り込みます。
特徴3.豊富なシグナル(属性)を使用した高度な分析
シグナルとは、個々のユーザーやオークション時のコンテキストを特定する属性を指しています。シグナルは多数あり、データの組み合わせによって入札調整に使われます。
Google広告の公式ヘルプには、重要なシグナルとして次のものが公開されています。
デバイス
所在地
地域に関する意図
曜日と時間帯
リマーケティング リスト
広告の特性
表示言語
ブラウザ
OS
実際の検索語句(検索キャンペーンとショッピング キャンペーン)
検索ネットワーク パートナー(検索キャンペーンのみ)
ウェブサイトのプレースメント(ディスプレイ キャンペーンのみ)
サイトでの行動(ディスプレイ キャンペーンのみ)
商品属性(ショッピング キャンペーンのみ)
モバイルアプリの評価(今後対応予定)
価格競争力(ショッピング キャンペーンのみ)
季節性(ショッピング キャンペーンのみ)
<引用元:Google広告ヘルプ|スマート自動入札について>
スマート自動入札の種類
スマート自動入札の種類には、次の4つの入札戦略があり、目的に応じて選択できます。各入札戦略の簡単な説明も記載しますので、あわせて確認しておきましょう。
- 目標コンバージョン単価
指定単価でのコンバージョンを最大限に獲得するよう入札単価が調整されます。
- 目標広告費用対効果
指定した目標広告費用対効果で、コンバージョン値を最大化できるよう調整されます。
- コンバージョン数の最大化
キャンペーンに設定された予算内で、コンバージョン数を最大化するよう調整されます。
- コンバージョン値の最大化
キャンペーンに設定された予算内で、コンバージョン値を最大化するよう調整されます。
入札戦略は複数ありますが、一般論としての優劣はありません。広告の目的や望む成果を明確にすることで、状況に適した入札戦略を選択しやすくなります。
スマート自動入札を活用して効果的にGoogle広告を運用しよう
Web広告では、高度な自動化が進んでいるのが現状であり、スマート自動入札はひとつの現れです。実際、機械学習により入札調整などの作業は軽減している傾向です。
しかし、使用する人間が機能を把握できないと、高度な自動化も効果的に活用できません。競合に後れを取らないためにも、知識を持って業務効率化を進めましょう。
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