営業、マーケティングにおいて近年注目されている「The Model(ザ・モデル)」
デジタル化や顧客の購買プロセスが複雑になり、営業アプローチが変わっている現代で、従来型の営業からリモデルして、The Model型の営業を採用する企業も増えています。
そんなThe Modelとは何なのか?仕組みや効果、メリットを解説します。
目次
The Modelとは?
The Modelとは簡潔に言うと顧客獲得やサポートなど、営業活動の一連の流れを細分化して分業体制で行うことを言います。従来の営業スタイルは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサービスの4つのプロセスを1人の営業担当が対応するのが当たり前でした。
The Modelでは分業体制にすることで、営業担当者の負担を減らし、効率的に営業活動を進め高い成果を出すための仕組みです。大きな塊を1人で抱えるのではなく、粉末のように細かく分け、各部門毎に担当者を配置して取り組むと考えるのが良いでしょう。
従来営業スタイルとの比較
上記でも記述した通り、従来の営業スタイルは4つのプロセスを1人の営業担当者が行うことが当たり前でした。マコモという植物を製品にするまでで例えるなら、刈り取り、選別、粉末化、梱包までを1人で行うことになります。
上記の刈り取りから梱包までを1人で行うのは効率が悪いため、The Modelは、営業プロセスを分業体制にすることで各部門の専門性を高めると共に、各チームで業務に集中して取り組むことが可能となり、業務効率の向上にも繋がります。
4つの営業プロセスを理解しよう
The Modelでは、4つの営業プロセスに分けた分業体制の仕組みです。何故分業する必要があるのか、まずは各部門についてご紹介します。
マーケティング(活動)
マーケティングは、市場・顧客のニーズを調査し、十分に理解した上で、競合調査等を行い、ターゲットに対し如何に製品が売れるかの仕組みを作る部門です。
インサイドセールス
インサイドセールスは、見込み顧客に対して、メール・DMや電話でアポイントを取り、オンライン会議などを活用しながら、対面せずに内勤で営業活動を行う部門です。
フィールドセールス
フィールドセールスは、インサイドセールスや自社に蓄積した顧客に対して、営業訪問、サービスや改善提案、クロージングを行う部門です。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、「顧客の成功」という意味です。
顧客のアフターフォローを行い、商品やサービスを顧客が最大限に活用できるようサポートする部門です。
scaleFulldetailKit 規模、満ちた、詳細、道具箱。
分業体制にすることで、規模の調査に集中出来たり、満ちた業務量を分配したり、詳細な報告書を作成したり、部門に合ったツールを使用し、業務効率を上げられます。
The Modelのメリットは?
自社が抱える問題点が明確になる
それぞれのプロセスを可視化することで、自社が抱える問題点が明確になります。その問題に対する対策・改善策を練り取り組むことで、効果的に収益を得られるようになるでしょう。
各プロセスの専門性向上
4つのプロセスを各部門の人材が担当することで、専門的なスキルを身に着けたり、集中して業務に取り組むことができパフォーマンスの向上にも繋がるでしょう。
顧客へ手厚いフォローが可能になる
4つのプロセスを分業体制で行うため、各部門のチームに業務を深化させることができ、顧客へ適切なタイミングでのアプローチや丁寧な対応ができます。
それにより、顧客の取りこぼしを防ぎ、手厚いフォローが可能となります。
担当者の入れ替わりに対応しやすい
The Modelをしっかりと構築すれば、担当者が交代するタイミングに営業力が落ちるリスクを回避できます。元来の営業体制では担当が1人で顧客の対応をすることが多く、属人的になる傾向が強いという問題がありました。
The Modelのシステム化された営業体制では、各部門の担当者が交代しても、社内全体の営業力が過度に落ちる心配がありません。
The Modelの注意点は?
The Modelでは4つのプロセスで分業体制で行います。各部門毎にKPIが設定されており、それぞれの部門毎にKPI達成に向けて注力します。
始めは部門間で共有をしっかりして業務に取り組み上手く機能しますが、後にコミュニケーション不足が原因で上手く機能しなくなるケースがあります。各部門でKPI達成のため独り歩きし始めると、営業プロセスへ渡すべき顧客像がブレ、The Modelの強みを活かせなくなります。
分業体制により各分野内の視野は広がりますが、逆に全体への視野は狭くなりかえって効率が悪くなってしまうケースも考えられます。そういった課題を改善するためには、全部門を交えた戦略立案と業務プロセスの最適化や戦略データ分析などを行う必要があります。
自社に合った活用方法を見つけ注意点を理解した上で、各部門内でチームビルディングし、テストを行いながら、事前に部門間の連携方法などを決め、取り組むことで問題は回避可能です。時には部門を超え二つの部門、ツインで業務に取り組むのも良いでしょう。
The Modelを上手に活用しよう!
The Modelは分業することで営業の効率化、パフォーマンス向上、利益の最大化をできる仕組みです。営業マンの思考や行動を分析することで、コンピテンシーを明らかにできます。
全部門でKPIを達成できるよう、部門間のヒトの繋がりを大切にし、仕組みを理解した上で、検証を交えながら活用するのが良いでしょう。
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