製造から小売までを一貫した最も垂直統合度の高い販売業態「SPA」企業が増えています。本記事では、SPA企業のメリット・デメリットなどについて解説します。
マーケティングに関するSPA
「SPA」とはアメリカの衣料品小売大手のGAPドナルド・フィッシャー会長が発表した「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字を組み合わせた造語です。
Apparelという言葉が入っていることからもわかるように元々はアパレル業界で多く見られたビジネスモデルです。「製造から小売までを一貫した最も垂直統合度の高い販売業態のこと」を指します。
現代では、素材調達、企画、開発、製造、物流、販売、在庫管理、店舗企画など、製造から販売までのすべての工程管理・企画を自社の中で一貫して行うことで、サプライチェーン全体のムダやロスを極小化するビジネスモデルとして定義されています。
日本における代表的なSPA企業として表される企業がユニクロを展開する「ファーストリテイリング」や無印良品の「良品計画」などです。みなさんもよく聞かれたことがありますよね。
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SPA企業のメリットとデメリット
メリット
自店の顧客ニーズを的確にキャッチできるのでリーズナブルな価格で製造することができます。情報やマーケティング資料・ネットワークを駆使し、商材の売れ行きをチェックし、柔軟な対応ができるという部分です。柔軟な対応が可能だからこそ、間違った戦略に陥る可能性もありますが。
ユーザーにもメリットがあります。製造や物流過程において中間業者を介さないため、製品が出来上がるまでにかかってきていた中間マージンを削減することができるようになります。なので、従来の商品より低格での販売が可能となります。ユーザーのお財布には優しいですね!
デメリットとしては、
自社での企画、生産管理であるため、ビジネスリスクが比較的大きい。顧客や市場のリサーチから企画を仕上げるまでに知識と手間が必要となる。行程管理から店頭オペレーション・サイト運営まで幅広いノウハウが自社内に必要となる。などがあります。
「仮説→実施→修正→検証」の繰り返しによる製品作りとクイックレスポンス体制によって、製品企画・開発からリリースまでの期間を短縮し販売を行うことで、よりリアルなマーケティング数値を得ることができます。こういった体制がとても大事となります。この流れが現代の製造メーカーの主流となりつつある多品種少量生産につながっていることがわかります。
福井の製造メーカーの現状は
従来の製造メーカーでは、大量生産体制を敷いていたこともあり、なかなか多品種少量生産に切り替えられないメーカーも多いのではないでしょうか。
自社ではマーケティングと製品企画や開発、卸機能と小売(マーケティング)に集中することができます。福井の製造メーカーはものづくりの技術に長けていることからOEM工場としての位置づけとなっている企業が多いのが現状です。
もう少しだけ、次世代を担う製品企画や開発を行うためのマーケティングに目を向ける必要がありそうですね。
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