SNSマーケティングとは、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを活用してマーケティング活動を行う手法のことをいいます。
SNSを活用して求人募集をかけている企業も増えてきています。
本記事では、初心者のSNS担当の方に向けてSNSマーケティングのコツを分かりやすく解説しています。
SNS運用を効果的に行うことで、比較的短い期間で認知度や好感度を高めることが期待できます。
SNSマーケティングのノウハウを知りたい方は、是非最後まで読んでみてくださいね。
目次
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、人気SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用することでビジネス成長に繋げていくマーケティング戦略のことです。この活動によりファンを獲得し、コミュニケーションを通じてブランド理解を促す効果を期待できます。
とはいえ、SNSマーケティングをどのように運用すればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
以下ではSNSの特徴や、SNSマーケティングにおいて主に活用されている人気プラットフォームについて簡単に説明していきます。
SNSマーケティングの特徴
SNSマーケティングを運用する上で、自社の目的に合ったプラットフォームを選択することは非常に重要です。
各プラットフォームによって利用しているユーザーや機能が異なりますので、それぞれの強みを理解していきましょう。
主に活用されている人気プラットフォームは以下のとおりです。
代表的なSNS
- X(旧Twitter)
- LINE
- YouTube
- TikTok
Instagramは動画や画像をメインに配信できる、視覚的効果に優れたSNSです。
インスタグラムは、企業の認知度を高めたり、魅力を発信しファンを増やすといった企業のブランディング目的で運用されたりすることが多いです。
企業の理念や世界観を画像で伝えることは、採用面でのブランディングにも効果的といえます。共感してくれる求職者が応募してくれる可能性が高くなり、「職場の雰囲気がイメージと違った」という採用後のミスマッチを防ぐことにも繋がるでしょう。
働く社員の様子や職場環境など、求人サイトでは分かりにくい部分を写真や動画で伝えられるメリットがあります。
X(旧Twitter)
140文字以内のテキストをメインとしたプラットフォームであり、匿名で情報を発信できる特徴があります。X(旧Twitter)は若年層での利用率が高く、20代では78.6%を占めています。
リツイートという拡散機能でアカウントのフォロワー以外にもリーチできる強みがあり、最新情報をリアルタイムで確認できる点も他のSNSより優れているところといえます。
企業としてだけでなく、採用担当者のアカウントを作成するなどの試みも最近では増えてきています。社員の日常の一コマの発信が、企業サイトや求人情報では伝えきれない魅力の訴求に繋がるでしょう。
Facebookは実名登録制のSNSであるため、求職意識の高いターゲットに訴求できる強みがあります。
学歴、仕事、ライフステージといった精度の高いターゲティング情報を得られ、ユーザーの仕事に対する価値観などパーソナリティを把握しやすいメリットがあります。
また、フォーマットに沿って内容を記入すれば簡単に求人募集ができる機能を備えているため、是非活用してみてくださいね。
ただし、ビジネスアカウント限定の機能であるため、あらかじめアカウントを作成しておく必要があります。
LINE
LINEは国内利用者が最も多く、月間利用ユーザー数は約9,200万人といわれています。幅広い年齢層のユーザーへの訴求が期待でき、LINEを通じて非常に多くのユーザーとコミュニケーションを取ることが可能です。
「友だち登録」で求職者を集め、チャットタグ機能を活用していきましょう。
採用目的で利用する場合、LINEアカウントのQRコードを添付した資料を企業説明会などで配布し、求職者に「友だち登録」を促す流れが一般的です。
チャットタグ機能を活用し、希望職種、専攻などの要素でグルーピングすると、グループごとに合わせた情報を発信できるのでおすすめですよ。
チャットタグによるグルーピングは、説明会参加者や面接予定者など、選考段階ごとの設定も可能なため、採用担当者の負担軽減にもつながります。
YouTube
世界中で最も人気がある動画SNSで、ユーザーの利用者数が圧倒的に多いです。
そのためYouTubeでのマーケティングは、他のSNSと比べて市場が大きいという特徴があります。
YouTubeは動画の長さを自由に設定できるため(最大12時間、256GBまで)、たとえば採用に関する動画を制作してアップすれば、説明会を何度も開催する企業側と参加側の手間を省けます。
また、YouTubeのライブ配信機能を利用すれば、リアルタイムで質疑応答できる企業説明会が可能です。
企業側は会場を押さえる必要がなく、参加人数を制限する心配も要りません。
インターネットが繋がる環境であれば遠方からの参加もできるため、多くの就活生の参加が期待できますよ。
TikTok
TikTokは15〜60秒の短い動画を配信できるSNSで、Z世代を中心に絶大な人気を誇っています。10代の利用率が50%以上を占めており、今後就職活動を控えている学生に向けて情報発信できる強みがあります。
TikTokは他のSNSと比べると、ユーザーのモチベーションが異なる傾向があり、暇つぶしで気軽に見るユーザーが多いのも特徴の一つです。その分、エンタメ性の高いコンテンツが多く見られる傾向があります。
そんな暇つぶし目的で見るユーザーが、採用に繋がるのかと疑問に思われるかもしれません。しかし、暇つぶしで見ているからこそ、面白いコンテンツであればアカウント(企業)に興味を持ってくれるといえます。
SNSマーケティングが注目されている理由
SNSマーケティングが注目されている理由を以下の統計データを見ながら解説していきます。
消費者と企業のSNSの利用率が高まっている
以下は2022年に総務省が発表した「令和4年通信利用動向調査」によるSNSの利用状況を表したデータです。
調査結果より、ほぼ全ての年齢階層で増加していることが分かります。
幅広い年齢層による利用する機会・時間が増えたことにより、SNSでのマーケティング需要は更に定着していくことでしょう。
また、企業のSNSの活用状況も増加傾向にあり、「ブランディング・採用募集」を目的に活用する企業が増えています。
検索エンジンよりもSNSで情報収集している人が増えている
以前は情報収集する際にGoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べることが主流でしたが、現在はそれらの検索エンジンに加えて、SNSでも情報収集する機会が増えています。
以下は、ユーザー(個人)のSNSの利用目的をグラフ化したもので、「知りたいことについて情報を探すため」がSNS利用の目的の第2位となっています。
コロナ禍でSNS需要が更に高くなった
新型コロナウィルス感染症が拡大して以降、国内で30%以上もの人がSNSを利用する時間が増えたといわれています。
その背景には、感染拡大防止のため外出自粛をはじめテレワークなどの新しい生活様式が取り入れられたことがあります。
これらによって、オンラインでの企業説明会や面接が可能となったり、SNSへの需要が高まったりと活用シーンに変化が表われました。
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングにおける大きなメリットは以下のとおりです。
- 効果的な認知拡大が見込める
- 情報伝達できるスピードが速い
- ブランディングの向上
- ロイヤリティ醸成
- 顧客獲得単価・費用対効果の改善
効果的な認知拡大が見込める
SNSの強みである「拡散性」と、いいね!などの「共感性」により、サービス・商品だけでなく企業そのものの認知を拡大できます。これにより、従来のマーケティング手法ではリーチできなかった潜在的な顧客にも興味を持ってもらえる可能性が高くなります。
情報伝達できるスピードが速い
SNSの拡散力を上手に活用することで、強力な認知拡大ルートを得られます。
リアルタイムで発信することで、より熱い状態で情報をユーザーに届けられるところもメリットといえます。
ブランディングの向上
SNSマーケティングは、サービス・商品はもちろん、企業のブランディング効果を高めることも期待できます。
企業の公式アカウントでの情報発信や、ユーザーによる良いクチコミによって、企業へのイメージが前向きな方向へ変わっていくでしょう。
ユーザーに対して有益な情報を発信し、「共感性」のある投稿を続けていけば、ユーザーからの信頼を得て、ブランディングの向上に繋がるといえます。
ロイヤリティ醸成
SNSマーケティングでは、コミュニケーションを通じて良好な関係を築き、企業への愛着や信頼を醸成することが期待できます。
ビジネスシーンでのロイヤリティとは、ユーザーが一つの企業やサービス・商品に対して抱く信頼や愛着のことを指します。
ユーザーに対して有益な情報を発信し続けることは、ファンの獲得やフォロワーとの信頼関係を築くことにも繋がります。
顧客獲得単価・費用対効果の改善
SNSマーケティングは、企業にとって、とても費用対効果の良いツールです。
たとえば、
- X(旧Twitter)
- LINE
- YouTube
- TikTok
といった利用ユーザーが多い有名なSNSは、ほとんどが無料で始められます。
初期コストを抑えて始められるため、費用対効果が高く、広い視野での施策展開が期待できます。
SNSマーケティングのデメリット
SNSマーケティングには、多くのメリットがある一方、注意すべきデメリットもあります。
デメリットを理解した上で効果的なSNSマーケティングを実施していきましょう。
SNS運用に負担がかかる
SNS運用には、長期的な施策が必要であることを理解しなければなりません。
SNSのほとんどが無料で気軽に始められますが、効果を上げるためには相応の時間がかかります。
加えて、目的達成に向けての定期的なSNS分析が非常に大事です。
企業がSNS運用を始める際には、業務としてSNSにしっかりと時間を費やせる担当者を予め決めておくことをおすすめします。
炎上や誤った情報が拡散されるリスクがある
SNSは拡散性が高く、宣伝しやすいメリットもありますが、炎上のリスクとも隣り合わせであることを忘れてはいけません。
投稿した内容に対してネガティブなコメントが書かれてしまうこともあるため、テキスト表現には十分に注意することを心掛けましょう。
常にリスクを予測し、もしも炎上が発生してしまった場合でも冷静に判断し、適切に対応できるよう事前に対処法を考えておくことをおすすめします。
SNSマーケティング5つの手法
SNSマーケティングの具体的な手法は以下の5つです。
- SNSアカウント運用
- SNS広告配信
- SNSキャンペーン
- インフルエンサーマーケティング
- ソーシャルリスニング
SNSアカウント運用
企業の情報を発信するために、企業公式SNSアカウントを運用します。
魅力的な写真や動画を共有し、企業の理念イメージやメッセージを発信し続けることで、企業とユーザーとの接点を増やしていきます。ユーザーとの関係を築き、ファンの獲得に繋げていきましょう。
SNS広告配信
SNS広告は、テキスト広告と比べ、画像や動画を用いた訴求力の高い広告を配信できます。また性別、年齢、仕事などを詳細にターゲティングできるため、対象を絞った精度の高い訴求を期待できるところも大きなメリットといえるでしょう。
各SNSのプラットフォームの特徴を理解して、ターゲットや目的に合わせて選ぶ必要があります。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンはユーザーも参加できる行動喚起施策です。
これにより新規フォロワー獲得はもちろん、既存のファンへの顧客ロイヤリティを高める手法としても取り入れられる活用の幅の広さが特徴です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、SNSで強い影響を与えるインフルエンサー(インスタグラマー・ユーチューバーなど)を企業が起用し、ユーザーの購買行動に影響を与えるマーケティング手法のことです。
たとえば、人気インスタグラマーに企業のサービスをPRしてもらうことで、そのインスタグラマーが抱える沢山のフォロワー(ファン)に対して情報発信ができるメリットがあります。
「企業」ではなく、インフルエンサーという「消費者」としての目線を主軸とした情報発信のため、共感を得られやすく拡散も生まれやすい点も魅力といえます。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングとは、主にSNSを通してユーザーの意見収集ができるビッグデータを活用した手法のことです。
Instagram上でどのようなハッシュタグと一緒に動画や写真が投稿されているかなど、SNS全体を俯瞰して意見収集できる点が大きなメリットです。
競合他社との違いを分析して施策を展開したり、ユーザーの「顕在ニーズ」「潜在ニーズ」の把握に必要なSNSマーケティングを行う上での基礎にあたったりします。
SNSマーケティングを始める5ステップ
具体的には、以下のような流れでSNSマーケティングを進めていきます。
-
SNSマーケティングを行う目的を決める
- ブランドの認知度を高めたいのか
- 商品の購入を促したいのか
- イベントの短期的な集客を行いたいのか
- 採用情報を発信したいのか
- 市場調査を行いたいのか
求める目的・成果によって活用するSNSのプラットフォームや手法が変わってくるため、まずは「何のためにSNSマーケティングを運用するのか」という目的を決めましょう。
-
目的を達成するために活用するSNSと手法を決める
最適なSNS選びは、「企業のターゲットとなるユーザーが多いSNSを選ぶこと」が基準になります。
- 長期的な情報発信やユーザーとのコミュニケーションによるファンを獲得したい
⇒「SNSアカウント運用」 - 新商品発売にあたり認知を獲得したい
⇒「SNS広告」「インフルエンサーマーケティング」 - 繁忙期によって話題を作り集客したい
⇒「SNSキャンペーン」
といった、実現したい成果を基準に決めるといいでしょう。
-
目的達成のためのKPIを設定する
KPIとは、目的達成のために設ける重要指標のことをいいます。
- 月間で自社アカウントのフォロワー数を300人増やす
- SNS経由の購入数を月間30件増やす
といった、具体的な数値を設定し、後に分析や振り返りができるようにしましょう。
-
運用体制を整え施策を行う
SNSマーケティングは継続する労力の負担や、専門的な知識も必要になります。
円滑に進められるように、専任者を設置したり、チーム化したりするなど、SNSマーケティングの運用体制を整える必要があります。
特にSNSマーケティングは炎上のリスクとも隣り合わせのため、出来るだけリテラシーの高い人物を選ぶことをおすすめします。
-
データから分析し次回の施策に活かす
特定の期間に実施したSNSマーケティングの成果を振り返りましょう。
KPIが達成できているか、達成できていないかを確認し、達成要因もしくは未達成要因を丁寧に分析することが大事です。
何が課題になっているのかをデータをもとに考え、多角的に情報収集し、次の施策に活かしていきましょう。
SNSマーケティング成功事例
こちらは、Web事業や人材事業などをおこなっている企業、「株式会社DYM」です。
インスタグラムでは、説明会の開催情報だけでなく、職場環境が分かるものや社員の紹介などを投稿しています。入社後間もない新入社員たちの投稿が特に多く、就職希望者と立場の近い感覚でのメッセージがターゲットに届きやすい強みがあります。
堅苦しくなく親しみある社内の雰囲気と、社員の生の声を載せることで「自分に合っている」と感じる人に訴求しやすくなるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
SNSマーケティングは、人気SNSを通じてユーザーとコミュニケーションを図り、ブランド理解を促し、ファンの獲得に繋げていくデジタルマーケティング活動です。
幅広い年代で多くの人々に利用されているSNSは、企業としてもビジネスチャンスが大きく期待できる市場です。
- SNSマーケティングを運用する際は、それぞれの特徴を理解して運用すること
- SNSでの炎上のリスクを想定し、対応策を確立してから運用を行うこと
- 運用には中長期的な時間と労力が必要と理解して始めること
- マーケティング効果を測定・分析し、改善していくこと
以上をふまえて、企業に合ったSNSマーケティングの手法やプラットフォームを取り入れてみてくださいね。
本記事が貴社の成長の一助となれましたら幸いです。
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