近年、マーケティング領域において注目を集めているWeb接客ツール。
今日のEC業界では、商品や価格による差別化がしにくくなってきたことを背景にCRM(お客様との信頼関係を築き、リピート購入をしてもらう考え方)を実践できるかが、存続の肝となっています。Web接客ツールについて理解し、マーケティング強化に努めていきましょう。
目次
Web接客ツールとは?
Web接客ツールとは、Webサイト上でもリアル店舗と同様に個々のユーザーに接客を行うツールです。
リアル店舗では、お客様が来店したタイミングで「いらっしゃいませ」というご案内をし、何か商品を探していると「何かお探しですか?」と声をかけたり、購入時に未会員のお客様には「今、会員になると10%割引になります」というような、個々に応じた接客対応がされたりします。
リアル店舗ではスタッフがお客様毎にコミュニケーションを最適化していますが、これをそのままWebサイト上でも実施することを可能にするのがWeb接客ツールです。
Web接客ツールが注目されている理由
Web接客ツールが注目されている理由として、EC市場規模の拡大が挙げられます。経済産業省が2017年4月に公表している調査によると、BtoCのEC市場規模は年々成長しており、今後も成長していくことが予想されます。
ツールの種類も、導入企業も増えており、今やマーケティング担当者には欠かせないツールとなりつつあります。企業によっては、ECサイトの売上が150%上昇した、toB領域でも資料請求や問い合わせのCVRを改善させたなどのジャンルを問わずWebサイトのマーケティング成功事例が生まれています。
市場規模が拡大するにつれて、企業間の競争も激化していくため、CVRを向上させるWeb接客ツールへのニーズは更に高まり、注目を集めています。
Web接客ツールのタイプ
Web接客ツールに対するニーズが増えていることはご理解いただけたと思います。では実際にWeb接客ツールを導入するにあたり、どのようなタイプがあるのかを理解しておく必要があります。
Web接客のタイプには、「ポップアップタイプ」,「チャットタイプ」の大きく分けて2つのタイプが存在します。それぞれのタイプについて、説明していきます。
ポップアップタイプ
「ポップアップタイプ」とは、ユーザーの性別や購入履歴、閲覧履歴、デバイス、滞在時間などをリアルタイムで分析し、ユーザーごとに最適なポップアップを表示するタイプです。
例えば、未会員ユーザーには会員登録のご案内、購入履歴がまだないユーザーにはクーポンを配布する等、一人ひとりのユーザーに合わせて最適なポップを表示させることでCVRの向上を図るものです。
チャットタイプ
「チャットタイプ」は主にサイト下部の邪魔にならない場所にチャットを実装し、サイトに訪れているユーザーに対してリアルタイムにチャットで接客を実現します。Web サイトの場合、リアル店舗とは異なり、ユーザーが分からないことがあると離脱してしまう可能性がとても高いです。このような課題を解決するのがチャットです。
ユーザーはチャットで気軽に質問することができ、質問に対して素早く対応することで満足度向上や購買を促すことができます。ユーザーの疑問をすぐに払拭してあげることで離脱を防ぎ、CVRを向上させます。
Web接客ツールのメリット
Web接客ツールを使うことで、ECサイト上などで適切なタイミングで適切な接客をユーザーに行うことができます。EC市場の拡大が進むに連れて、Web接客も普及していく中、Web接客ツールを使うことでどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、Web接客ツールを導入することで得られるメリットについてご紹介します。
コンバージョン率(CVR)の向上
1つ目はCVRの向上です。
Web接客ツールを導入するだけで成果がでるのか疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、海外のレポートでは、Web接客ツールを導入することでCVRが20%以上改善されたというものもあるほどです。
もちろん、事業内容やどのようなシナリオを設計するかにもよりますが、個々のユーザーに対して最適なコミュニケーションを実施することで、実際に成果を創出することが可能です。
離脱率の低下
2つ目は離脱率の低下です。
ECサイトを見ていてブラウザを閉じようとした際に、「本当にこのページから移動してもよろしいですか?」というようなポップアップが表示されることがあります。
他にも、商品の購入を迷っているユーザーに、クーポンを表示させることも可能です。ユーザーを引き止めたり、ユーザーが欲しいと思う情報をタイムリーに伝えたりすることで、ユーザーの離脱率を低下させることが可能です。
CRMにおけるWeb接客ツールの活用
当然ではありますが、EC店舗での接客はWeb上がメインです。リアル店舗であれば、ひと目で性別やおおよその年齢もわかりますし、コミュニケーションをとれば何を探しているのか、過去に購入経験があるかを引き出し、その情報に合わせて個別にコミュニケーションをとることが出来ます。
しかし、Web上では取得できるお客様の情報は限られており、個々のユーザーに適切なタイミングで適切な接客を行うのは困難です。そのため、社内にあるCRMデータと組み合わせた運用が重要となってきます。
CRMデータを使えば、例えば「商品Aのページを見ていて」、「過去の購買金額が1万円以上の」、「東京在住の」、「男性」にのみ「クーポンを表示させる」というような細かいコミュニケーションが可能になります。リアル店舗と同様、Web接客を行うには、顧客ごとにコミュニケーションを変えることが重要です。
CRMの情報がWeb接客ツールを最適化させていく役割を担うため、データ分析に基づいた精度の高い接客ツールがEC運営に必要なのです。
Web接客ツールとCRMをうまく活用しよう
Web接客ツールは、CRMの情報とうまく連携して活用することで真価を発揮します。オンライン上でのビジネスを成功させるためには、Web接客は今後も必要不可欠です。自社に合ったWeb接客ツールを導入し、より多くのユーザーに利用されるWeb・ECサイトへと成長させていきましょう。
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