アメリカ越境ECへの参入方法と成功のポイントを紹介!

アメリカ越境ECへの参入方法と成功のポイントを紹介!

海外への越境ECを検討する企業にとって、中国とともに注目すべき国がアメリカではないでしょうか。経済産業省が発表した調査によると、全世界のEC市場シェアは中国・アメリカの2か国で約7割近くを占めるのが現状です。

アメリカでは日本製品の需要も高く、狙い目と言えるでしょう。

そこで本記事では、アメリカ越境EC市場のポイントや参入方法、成功のポイントなどについて解説します。

目次

越境ECとは?

越境ECとは?

越境ECとはインターネットを使い、日本国内から世界中に様々な商品を販売するEC(電子商取引)のことです。 急成長している市場のため、成功すればビジネスを大きく拡大することができます。
越境ECにおける各国の市場規模や特徴、ECサイトを作るときの基本的な知識などを説明します。

アメリカEC市場規模と注目すべきポイント

アメリカEC市場規模と現状で注目すべきポイントを紹介します。

日本からのアメリカ向け越境EC市場規模は1兆3,056億円(2022年)

経済産業省の「令和4年度電子商取引法に関する市場調査報告書」では、2022 年の各国間の越境 EC 市場規模の推計結果では米国の越境 BtoC-EC(日本・中国)の総市場規模は 2 兆 2,111 億円となり、日本経由の市場規模は 1 兆 3,056 億円でした。

日本製品は中国と比べてもアメリカから支持を集めており、2倍近くの売上高を持っています。今後も大きく伸びていくことが予想されます。

アメリカのEC市場規模とEC化率

経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2022年のアメリカのEC市場規模は1兆328億USドルで、小売市場に占めるEC市場の割合(EC化率)は14.5%と推計されています。2020年のコロナウィルス感染症拡大により、EC利用が急増したものの、2021年以降は14%台を維持していました。

今後も15%前後の水準で維持するものとみられています。

商材別では衣類・雑貨がトップ

商材別にみていくと、「衣類・雑貨」が最も多く、約28兆円(1,808 億ドル、前年比 4.4%増)で、次いで家具・建材・電子機器、車・車用品となっています。EC 化率では、衣類・雑貨が最も高く 13.9%と最多でした。

また、各種調査会社の調べでは、直近の米国における EC 化率は、「書籍・音楽・ビデオ」では7割近く、「コンピュータ・家電製品」では5割以上と推計されています。越境ECで扱う商材選びは重要なので、ニーズをしっかり見極めましょう。

アメリカでECモール人気トップはAmazon

世界最大の統計調査データプラットフォームを提供すると言われる「Statista(スタティスタ、本社ドイツ)」によると、2023年にEC企業で最も多くシェアを占めるのはAmazonで、そのシェア率は37.6%でした。

Amazonが優位な立場にあるものの、近年は以下の図のように多数の企業がシェアを占めつつあり、WalmartやeBayなども注目されています。

アメリカの代表的なECサイトと参入方法を紹介

アメリカの代表的なECサイトとしては、以下のものがあります。

ECサイト 参入(出品)方法
Amazon ①Amazon.co.jpのグローバルセリングを利用する

②アメリカのAmazonマーケットプレイスに出品する

Walmart Walmart Marketplace Seller(ウォールマートマーケットプレイスセラー)に登録する
eBay eBayセラーアカウントを作成する
Shopify ECサイトをShopifyで構築する

越境が可能なECモールに出品したり、プラットフォームを利用したりすることで、アメリカECに参入できます

関連記事:海外向けネットショップ開業おすすめ13選!ポイント・注意点も紹介

Amazon(アマゾン)

amazon(アマゾン):アメリカ

出典:amazon

日本でも大きなシェアを持ち、世界中にユーザーを抱えるAmazon(アマゾン)は、アメリカのシアトルに本社を置く大手ECモールです。Amazonの強さは、圧倒的な品揃えと迅速な発送にあります。

Amazonで越境ECに参入する方法として、次の2つがあります。

  • Amazon.co.jpのグローバルセリングを利用する
  • アメリカのAmazonマーケットプレイスに出品する

Amazonのグローバルセリングは、日本にいながらにして海外へ商品を販売できる最も簡単な方法です。日本語でサポートを受けられるほか、為替レートや関税計算などの煩雑な手続きを代行してもらうことができます。

方法としては、Amazonグローバルセリング用のアカウントを作成し、地域や商品を登録するだけで始められます。ただ、注意点として販売手数料が高いことがあります。

アメリカのAmazonマーケットプレイスに出品する方法としては、次のことが必要です。

  • アメリカのAmazonセラーアカウントを作成する
  • セラーセントラルからグローバルセリングに登録する:海外銀行口座の開設
  • 法人登記簿謄本や銀行口座の残高証明書、クレジットカードの利用明細書

より多くの顧客にリーチでき、販売手数料が比較的安いという特徴があります。ただ、現地の言語で出品する必要があることや、為替レートや関税計算などの手続きを自分で行う必要があることに注意が必要です。

Walmart(ウォールマート)

Walmart(ウォールマート)

出典:Walmart

アメリカだけでなく世界16カ国で展開し、2億人を超えるアクティブユーザーを抱えているWalmart(ウォールマート)。

食品から家電、ファッションアイテムまで、幅広い商品を驚きの低価格で提供しています。

特に、他店で同じ商品がより安く販売されている場合、差額を補償する「低価格保証プログラム」は、Walmartならではの強みです。

Walmartへの越境EC参入は、Walmart Marketplace Seller(ウォールマートマーケットプレイスセラー)に登録することで可能です。ただし、Walmartの審査基準を満たす必要があり、審査には、販売実績、財務状況、商品情報などの書類提出が必要となります。

Walmartへの越境EC参入は、Walmart Marketplace Seller(ウォールマートマーケットプレイスセラー)に登録することで可能です。ただし、Walmartの審査基準を満たす必要があり、審査には、販売実績、財務状況、商品情報などの書類提出が必要となります。

eBay(イーベイ)

eBay(イーベイ)

出典:eBay

世界最大級のオンラインマーケットプレイスで、190カ国に展開しているeBay(イーベイ)は、日本にいながら海外の商品を簡単に調達できるプラットフォームとして人気を集めています。国内ではYahoo!オークションやメルカリが有名ですが、海外製品の品揃えや価格面で、eBayは多くのユーザーに支持されています。

個人・法人問わずアカウントを開設できるeBayは、日本からアメリカへの越境ECにも有効な手段です。豊富な商品とグローバルな顧客基盤を活用することで、新たな販路開拓や売上拡大を目指すことができます。

eBayへの越境EC参入方法は、eBayセラーアカウントを作成することで可能となります。アカウント作成には、メールアドレス、氏名、住所などの情報が必要です。

Shopify(ショッピファイ)

Shopify(ショッピファイ)

出典:Shopify

Shopifyは、近年人気急上昇中のECプラットフォームであり、全世界175か国のストアで利用されています。50以上の言語と130以上の通貨に対応しており、世界中の顧客に商品を販売することができます。

Shopifyはこれまでに紹介したAmazonやWalmartなどのECモールではなく、ECサイトを構築する形になりますが、専門知識がなくても、簡単に構築・運営が可能です。

商品登録、決済、注文管理、マーケティングなど、ECに必要な機能が全てそろっており、アプリやテーマを導入することで、サイトを自由にカスタマイズできます。日本語を含む多言語でサポートを提供しており、困ったことがあっても安心です。

Shopifyの越境EC参入方法は以下の通りです。

  • Shopifyアカウントを作成: Shopifyの公式サイトから、無料でアカウントを作成
  • 3つのプランから、ビジネス規模に合ったプランを選択する
  • 商品情報、決済方法、送料などを設定し、ショップを構築する
  • 販売する商品を登録する
  • SEO対策、ソーシャルメディアマーケティングなど、集客施策を実施する

関連記事:越境ECを始めたい方必見!  Shopifyなら簡単に越境ECを作れる理由

アメリカ越境ECを始める前に押さえておきたいこと

アメリカ越境ECを始める前に押さえておきたいこと

アメリカの越境ECを始める前に押さえておきたいことは以下の通りです。

商材の関税

海外への販売には、海外へ輸出する商品に対して課される「関税」という壁が存在します。ただし、1回の取引が800USドル未満の場合、関税は掛かりません。

関税率は商品によって異なり、HSコードと呼ばれる国際的な商品分類コードに基づいて決定されます。HSコードは、税関での通関手続きをスムーズに行うために定められたものであり、商品を正しく分類することが重要です。

アメリカの関税表については、こちらをご確認ください。

食品や医薬品、化粧品などを輸出する場合にはFDA認証が必要

アメリカへ食品や医薬品を輸出するなら、FDA認証は必須です!

FDA認証とは、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)による認証制度で、特定の品目をアメリカに輸出する際に商品登録が義務付けられています。これは、アメリカ国民の健康を守るために設けられた制度です。

FDA認証が必要になる品目は以下の通りです。

  • 食品:加工食品、飲料、サプリメントなど
  • 医薬品:処方薬、市販薬、医薬品原料など
  • 化粧品:スキンケア、メイクアップ、ヘアケア製品など
  • 医療機器:手術器具、診断機器、治療機器など
  • 放射線放出装置:医療用X線装置、CTスキャン装置、放射線治療機器など

FDA認証を受けずに上記の品目を輸出してしまうと、税関での輸入拒否だけでなく、商品の差し押さえや刑事告訴などの厳しい罰則を受ける可能性があります。

KOL(インフルエンサー)の活用

KOLとは、「Key Opinion Leader」の略で、KOLマーケティングは、近年注目を集めている越境ECのマーケティング手法の一つです。多くのフォロワーを持つインフルエンサーに自社製品を紹介してもらうことで、ターゲット顧客に効果的にアプローチすることができます。

日本でしか手に入らないアニメやゲームは越境ECとしての相性が良いと考えられます。KOLの選定には、アニメ・ゲームジャンル、フォロワー属性、エンゲージメント率などを考慮し、ターゲット顧客にリーチできるKOLを選びましょう。

PayPalなどのオンライン決済方法

越境ECにおいて、主要な決済手段を網羅することは、顧客満足度向上と売上拡大に不可欠です。ユーザーは、慣れた決済手段がない場合、購入を断念してしまう可能性が高いからです。

アメリカ市場では、クレジットカード決済が依然として主流ですが、デビットカード決済やPayPalも広く利用されています。近年は、VenmoやZelleなどのモバイル決済サービスも人気を集めています。

アメリカECの注意点

アメリカで越境EC参入する場合の注意点は以下の通りです。

EC法に注意する

EC法「OECD」ガイドラインは、ECにおける消費者保護と取引の安全性を目的としたガイドラインです。アメリカ市場への参入を目指すなら、このガイドラインを遵守した運営が不可欠です。アメリカ市場への参入を目指すなら、このガイドラインを遵守した運営が不可欠です。

ガイドラインで定められている主な項目は以下の通りです。

項目 内容
透明かつ効果的な保護 消費者は、商品の情報や取引条件を明確に理解できる必要がある
公正なビジネス、広告及びマーケティング慣行 虚偽広告や不当勧誘は禁止されている
オンライン上の情報開示 販売者に関する情報や返品・交換ポリシーなどを明示する必要がある
確認プロセス 消費者は、注文内容を確認し、修正できる機会を与えられなければならない
支払システム 安全で信頼できる決済手段を提供する必要がある
紛争解決と救済 消費者と販売者間の紛争解決手段を設ける必要がある
プライバシーとセキュリティ 消費者の個人情報は厳重に保護する必要がある
教育、認識、デジタル能力 消費者がオンライン取引に関する知識を習得できるよう、情報提供や教育プログラムの提供などが求められる

マーケティング規制

アメリカのマーケティング規制は、連邦法と州法の両方によって定められています。主な規制は以下の通りです。

1. 連邦法

連邦取引委員会法(FTC法):不当な競争方法や不当な広告行為を禁止する法律です。

食品医薬品法(FD&C法):食品、医薬品、化粧品などの製造、販売、広告を規制する法律です。

消費者金融保護法(CFPA):消費者金融商品に関する広告やマーケティング活動を規制する法律です。

プライバシー法:個人情報の収集、使用、開示などを規制する法律です。代表的なものとして、プライバシーシールド法、カリフォルニア消費者情報保護法(CCPA)などが挙げられます。

2. 州法

アメリカ各州には、独自の消費者保護法や広告規制法があります。州によって規制の内容は異なるため、販売する商品やサービス、ターゲットとする顧客層に応じて、各州の法令を遵守する必要があります。

3. その他の規制

上記に加え、業界団体や自主規制団体による規制も存在します。例えば、医薬品業界では、医薬品広告に関する自主規制団体であるPhRMAが設けられています。

アメリカでマーケティング活動を行う際には、これらの規制を遵守することが重要です。違反した場合、民事上の責任を問われるだけでなく、刑事罰の対象となる場合もあります。

規制を遵守するためのポイント

規制を守るために次の対処をしておきましょう。

  • 関係する法律や規制を事前に調査する
  • 弁護士やコンプライアンス専門家に相談する
  • 広告やマーケティング資料に適切な表示を行う
  • 消費者からの苦情に迅速かつ適切に対応する

アメリカ越境EC成功のポイント

アメリカの越境EC成功のポイントを解説します。

アメリカでは買えないものを販売する

アメリカの消費者が越境ECを利用する主な理由として、「比較的安い価格で商品を購入できるため」(43%)、「国内にはないユニークな商品が欲しいため」(36%)というものが挙げられています。

参考:米国の越境EC | 主要国・地域の越境EC(電子商取引) – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ

現在の円安は、越境ECでの商品販売にとって追い風となります。特に、アメリカ市場においては、「国内では買えないもの」にフォーカスすることで、価格競争力だけでなく、独自性を活かした商品戦略が成功のカギとなります。

市場調査を徹底する

アメリカは広大な国土を持ち、地域によって嗜好やニーズが大きく異なります。そのため、ターゲットとなる顧客層を明確にし、そのニーズに合致した商品を販売することが重要です。市場調査には、現地の消費者へのアンケート調査や、競合他社の分析などが有効です。

関連記事:海外マーケティングを成功させるポイント!事例も紹介

魅力的な商品を販売する

アメリカ市場では、高品質で革新的な商品が求められています。また、日本ならではの商品や、アメリカでは手に入りにくい商品も人気があります。自社の商品がアメリカ市場でどのように差別化できるのかを検討することが重要です。

適切なマーケティング戦略を立てる

アメリカには、GoogleやFacebookなどの主要なインターネット広告プラットフォームがあります。これらのプラットフォームを活用し、ターゲット顧客層に効果的に広告を配信する必要があります。また、ソーシャルメディアやインフルエンサーマーケティングなども有効なマーケティング手段です。

信頼できる物流業者を選ぶ

アメリカは広い国土を持つため、商品配送には時間がかかります。そのため、迅速かつ安全に商品を配送できる物流業者を選ぶことが重要です。また、関税や通関手続きに関する知識も必要となります。

顧客サービスを充実させる

アメリカ人は、迅速かつ丁寧な顧客サービスを期待しています。そのため、日本語だけでなく英語での顧客対応も可能にする必要があります。また、返品や交換などの手続きもスムーズに行えるように体制を整えることが重要です。

越境ECに関するよくある質問

越境ECに関する質問にお答えします。

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