Square(スクエア)では、定期的な支払いを自動化できる「請求書」と「サブスクリプション」の2つの機能が提供されています。
しかし、それぞれの仕組みや料金体系には違いがあり、業種やビジネスモデルによって適したサービスが異なります。
そこで本記事では、主にSquare導入を検討する方に向けて、Squareのサブスク機能について、「請求書」と「サブスクリプション」の違いを詳しく解説します。
さらに、設定方法や手数料、他の決済サービスとの比較も併せてご紹介します。
Squareのサブスクとは?自動継続課金ができる2つの機能

Squareのサブスクリプションサービス(以下、「サブスク」)は、Squareが提供する特定の機能を無料で、または有料で継続的に利用できるサービスです。
一般的に、サブスクリプションサービスの利用には固定費がかかりますが、Squareのサブスクには固定費が発生しません。
そのため、Squareが提供する2種類のサブスクから、自社の目的に合ったサービスを柔軟に選ぶことができます。
今回は、その2つのサブスク機能についてご紹介します。
「請求書」とは?特徴・メリット・デメリット
まずは請求書の特徴・メリット・デメリットからです。
請求書の特徴
Squareの「請求書」は、特定の顧客との取引に最適な機能で、決まったスケジュールに従って自動的に請求書を送信できる仕組みです。
この機能を利用すると、毎月や毎週といった定期的な支払いを求めるビジネスで、手作業を減らしながら効率的に請求を管理できます。顧客ごとに異なる金額を設定でき、取引ごとに請求内容を変更することも可能です。支払日や金額の変更ができる柔軟性があるため、個別対応が必要な業種にも適しています。
ただし、請求書の停止は加盟店側でのみ可能となるため、顧客側からのキャンセルには個別対応が必要となります。
請求書のメリット
- さまざまな形式のファイルを添付できる
- 支払いが失敗しても、再度支払いを促すリマインドメールが送信される
- 商品やサービスの詳細、数量、金額などをお客様ごとにカスタマイズできる
請求書のデメリット
- 手数料が3.75%と高め(自動継続課金のみ)
- 顧客がカードや住所を変更した場合、手動で更新する必要がある
- 顧客側でサブスクのキャンセルができない
「サブスクリプション」とは?特徴・メリット・デメリット
次に、サブスクリプションの特徴・メリット・デメリットです。
サブスクリプションの特徴
Squareの「サブスクリプション」は、特定の相手に依存せず、不特定多数の顧客向けに定額課金を自動化する機能です。事前にプランを作成し、顧客が登録すると、設定したスケジュールで自動的に決済が行われます。
この機能を活用すれば、例えばスポーツジムやオンラインスクール、サブスクリプション型の会員制サービスなど、定額課金を必要とするビジネスで運用が可能です。ホームページやSNSに決済リンクを設置することで、オンライン上での契約も可能にします。
また、サブスクリプションでは顧客の利便性も向上し、一度登録すれば手続きなしで毎月自動的に決済が行われるため、支払いの手間を省くことができます。さらに、顧客は自身の判断で契約を解約したり、一時停止したりすることも可能です。
サブスクリプションのメリット
- 手数料が3.6%と、請求書よりも0.15%も安い
- サブスクのトライアル設定ができる
- 顧客側でサブスクのキャンセルができる
サブスクリプションのデメリット
- 途中で料金を変更するには、新たなプランを作成する必要がある
- エステ・学習塾などの業種は利用不可の場合がある
Squareのサブスク機能(自動継続課金)の料金・決済手数料は?

Squareのサブスク機能を導入する際に気になるのが、料金や決済手数料です。
請求書とサブスクリプションでは、それぞれ手数料が異なり、ビジネスの形態によってコストが変わるため、事前に確認しておくことが重要です。
請求書の手数料と支払い方法
Square請求書には2つのプランがあります。
基本的な機能は無料プランで利用できますが、請求書テンプレートの作成やカスタムフィールドの追加など、より高度なカスタマイズが必要な場合には、月額3,000円の有料プランがおすすめです。
決済手数料は3.75%で、対応するクレジットカードブランドは以下のとおりです。
- Visa
- Mastercard
- American Express
- JCB
- Diners Club
- Discover
サブスクリプションの手数料と支払い方法
Squareのサブスク機能では、以下のクレジットカードに対応しています。
- Visa
- Mastercard
- American Express
- JCB
- Diners Club
- Discover
決済手数料は3.6%で、請求書機能よりも低コストで継続課金を行うことができます。
他のサブスク決済サービスとの比較(Stripe・STORESなど)
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 | 主な支払い方法 |
Square(請求書/サブスクリプション) | 無料 | 無料(有料プランあり月額3,000円) | 請求書:3.75%サブスクリプション:3.60% | クレジットカード |
Stripe(Billing) | 無料 | 無料 | 3.6%(銀行振込は1.5%) | デビットカード、クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済 |
STORES(定期便) | 無料 | 0円(有料プランあり月額3,480円) | 無料プラン:5%有料プラン:3.6% | クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済など |
PayPal(定期支払い) | 無料 | 無料 | 3.6%+40円/件 | PayPal、デビットカード、クレジットカード、銀行振込 |
このように、Squareの請求書機能やサブスクリプション機能は、手軽に利用できる料金体系と決済手数料を備えており、特に定額サービスやBtoB取引に適しています。
他のサービスと比較しても、シンプルな料金設定と使いやすさが魅力です。

Squareでサブスク(自動継続課金)を作成する方法【図解付き】
請求書の作成手順
ステップ1.Squareアカウントにログイン
- Squareのウェブサイトまたはアプリにログインします。
ステップ2.請求書セクションにアクセス
- メニューから「請求書」を選択し、「定期請求書」をクリックします。
ステップ3.顧客情報の入力
- 顧客の名前、メールアドレス、電話番号などを入力します。既存の顧客を選択することも可能です。
ステップ4.商品の追加
- 請求書に含める商品やサービスを追加します。商品名、数量、単価を指定し、必要であれば税金やメモを追加します。
ステップ5.送信設定
- 請求書が送信される頻度(例:毎月の第1日など)や送信時間を設定します。設定が完了したら、「送信」をクリックして完了です。
お客様にカード情報を登録してもらう方法
Squareでは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの日本国内発行カードと海外発行カードに対応しています。
顧客には請求書通知内の「請求書を支払う」の「カードで支払う」から必要な情報を入力してもらい、カード情報を登録してもらいましょう。
サブスクリプションの作成手順
ステップ1.Squareアカウントにログイン
- Squareのウェブサイトまたはアプリにログインします。
ステップ2.サブスクリプションのセクションにアクセス

- メニューから「支払い」を選択し、「サブスクリプション」をクリックします。
ステップ3.商品またはサービスの登録

サブスクにしたい商品やサービスを、Squareの商品ライブラリに登録します。この際、サブスクとして提供する内容を明確にします。
ステップ4.請求書の設定
サブスクのための請求書を作成します。この請求書は、顧客がサブスクリプションを開始するために必要な情報を提供するものです。
ステップ5.ウェブサイトやリンクの共有
作成したサブスクに基づいて、顧客が申し込むためのリンクを生成します。このリンクをウェブサイトやSNSを通じて顧客と共有します。
ステップ6.顧客情報の収集
顧客がリンクを使用して申し込みを行った際、必要な情報(名前、メールアドレス、支払い情報など)を収集します。顧客は自分で情報を入力して申請を完了させます。
ステップ7.サブスクリプションの管理
顧客のサブスク状況をSquareのダッシュボードで管理します。支払い状況や顧客からのフィードバックを確認し、必要に応じてオプションを更新します。
Squareのサブスクを停止・解約する方法
サブスクを運用していると、「特定の顧客の請求を停止したい」「一時的に課金を休止したい」といったケースが発生することがあります。
Squareでは、請求書のキャンセルやサブスクリプションの解約・一時停止を簡単に行うことができます。
請求書の解約方法
Squareのダッシュボードにログインします。
メニューから「請求書」または「取引」を選択し、管理したい請求書のリストを表示します。
解約したい請求書を見つけてクリックし、詳細画面に移動します。
請求書の詳細画面で「請求書をキャンセル」または「定期送信の終了」を選択します。
サブスクリプションの解約方法
Squareのダッシュボードにログインします。
サブスクリプション管理ページにアクセスし、解約したいサブスクリプションを見つけます。
三点リーダー「・・・」のボタンをクリックし、「サブスクリプションをキャンセル」を選択します。
解約の確認画面が表示されるので、内容を確認してから確定します。
サブスクリプションの一時停止方法(休止対応)
手順は同じで、Squareダッシュボードに再度ログインします。
メニューから「商品」または「サービス」を選択し、「サブスクリプション」のセクションに移動します。
一時停止するサブスクリプションを見つけ、三点リーダー「・・・」のボタンをクリックします。
メニューから「サブスクリプションを一時停止」を選択し、希望する一時停止の期間を設定します。
期間は、最長で3ヶ月間です。
Squareのサブスク利用時の注意点と禁止事項
Squareのサブスクを利用する際は、特に「継続的役務に該当する取引禁止」と「決済エラー時の対応方法」に注意しましょう。
継続的役務に該当する取引は禁止
継続的役務とは、特定のサービスを定期的に提供するビジネスモデルで、顧客が支払った対価に対し、継続的にサービスを提供します。
エステ、学習塾、フィットネスジムなどが該当し、サービスの価格や期間によっては、クレジットカード決済が利用できない場合があります。
【サブスクが利用できない条件】
エステ
- サービス料金が5万円以下で、提供期間が1年以上
- サービス料金が5万円以上で、提供期間が1か月以上
学習塾・フィットネスジム
- サービス料金が5万円以下で、提供期間が1年以上
- サービス料金が5万円以上で、提供期間が2か月以上
また、継続的役務に付帯して販売される物品(付帯商品)の料金も、継続的役務料金に加算されます。
決済エラー(残高不足・カード期限切れ)時の対応方法
Squareで決済エラーが発生した際は、以下の方法を試してください。
- 別の支払い方法を使用
- 顧客がほかのカードを持っている場合は、その情報を入力し、決済を再試行します。
- カード情報の更新
- 顧客にカードの有効期限や番号を確認・更新してもらい、再度決済を試します。
- Squareサポートに問い合わせ
- 上記の方法で解決しない場合は、Squareのカスタマーサポートに連絡し、対応を依頼してください。
Squareのサブスク決済に関するよくある質問(Q&A)
最後に、Squareのサブスク決済に関するよくある質問をまとめました。
「請求書」と「サブスクリプション」の違いは?
請求書:顧客の指定した頻度で請求書が自動的に送信されるシステムです。請求書は個別に設定でき、顧客はその請求書に基づいて支払いを行います。キャンセルは顧客が行うことができません。
サブスクリプション:定額の料金を顧客から徴収し、サービスや商品を定期的に提供するモデルです。顧客は必要に応じてサブスクをキャンセルしたり変更したりできます。
Squareのサブスク機能の決済手数料は?
Squareのサブスク機能に関する決済手数料は、請求書が3.75%、サブスクリプションが3.60%として設定されています。
Squareのサブスクは銀行振込や現金決済に対応している?
Squareのサブスク機能は主にクレジットカード決済に対応しており、銀行振込や現金決済に関してはサポートしていません。
Squareのサブスクの引き落とし日はいつ?
Squareのサブスクの引き落とし日は、顧客がサブスクを申し込んだ日や契約内容に基づいて決まります。
Squareのサブスク売上はいつ振り込まれる?

Squareのサブスクの売上は、顧客が決済を行った翌営業日に振り込まれることが多いです。例えば、三井住友銀行やりそな銀行では、翌営業日に振り込みが発生します。
ただし、その他の銀行では、毎週金曜日に合算で振り込まれます。銀行によって異なるので注意してください。
Squareのサブスクを途中解約した場合の手数料は?
サブスクを途中解約した場合でも、キャンセル手数料は発生しません。
【まとめ】Squareのサブスクを活用して定額サービスを簡単運用しよう!
本記事では、Squareのサブスク機能について、「請求書」と「サブスクリプション」の違いや設定方法、手数料について解説しました。
自社に最適な決済方法を選ぶことで、請求業務の効率化や安定した売上確保が可能になります。サブスク導入に迷っている方は、まずは無料で試してみるのがおすすめです。
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