訪日外国人の増加や国内市場の縮小化とともに海外市場への注目が高まっています。
しかし、海外向けに集客するとなると、国や地域に合わせたマーケティング対策が必要です。
そこで本記事では、海外集客するためのマーケティング戦略の立て方や手法などについて解説します。
海外マーケティング戦略の立て方5ステップ
海外集客するうえで、マーケティング戦略は欠かせません。海外進出の際の戦略を立てる際は、次の流れで行うと良いでしょう。
- 目的を明確化する
- 市場調査
- ターゲティング
- 媒体・手法の選択
- 効果測定と改善
目的を明確化する
海外マーケティングは、国内マーケティングとは異なる複雑な環境下で行われるため、明確な目的設定が成功への鍵となります。
次のことが求められます。
- 方向性の羅針盤:目的に沿って戦略を策定し、効果的な実行を可能にする
- モチベーションの維持:チーム全体で共通の目標を共有し、モチベーションを高める
- 資源の有効活用:限られた時間、費用、人材を効率的に分配
- リスクの回避:目的不明確による迷走や失敗を防ぎ、無駄なコストを削減
また、海外マーケティング特有の課題として、次のことが挙げられます。
市場環境の複雑性:国や地域によって異なる文化、言語、経済状況、政治情勢、競争環境などを把握する必要
情報収集の困難:膨大な情報量と信頼性の低い情報源への対応
コストと時間の制約:国内よりも広範囲の情報収集、翻訳、現地調査、人材確保など、時間と費用がかかる
今すぐ目的設定に取り組み、海外市場での飛躍的な成長を実現しましょう!
市場調査
海外マーケティングにおいて、成功の鍵を握るのは、徹底した市場調査と分析です。国内市場とは異なる複雑な環境下で成功するためには、綿密な事前準備が不可欠となります。
市場調査・分析は、次のような理由から非常に重要です。
成功確率を大幅に向上:市場環境、顧客ニーズ、競合状況、法規制などを把握し、適切な戦略を策定
リスクを最小限に抑制:事前に情報収集することで、想定外の課題や失敗を回避
競争優位性を確立:独自の視点で分析し、競合との差別化を図る
日本と海外市場の違いは次のようになっています。
- 文化・価値観:消費者の嗜好や行動パターンに影響を与える
- 法規制:商品やサービスの販売に制限を設ける場合がある
- 経済状況:購買力や市場規模を左右する
- 競争状況:国内とは異なる競合企業が存在する
分析手法としては、3C分析、SWOT分析、PEST分析が代表的です。それぞれの言葉の意味は次のようになっています。
3C分析:顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)
SWOT分析:強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)
PEST分析:政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)
徹底した市場調査と分析は、海外マーケティングにおける成功への近道です。調査・分析に取り組み、海外市場での飛躍的な成長を実現しましょう!
ターゲティング
海外マーケティングで成功するためには、対象国の市場調査・分析に加え、ターゲットの絞り込みが不可欠です。
ターゲットを絞り込むことで限られたリソースを最も効果的に活用し、費用対効果の向上につながります。興味関心の高いユーザーにアプローチすることで、コンバージョン率の向上も見込みやすくなるでしょう。
独自のターゲット戦略で差別化すれば、競争優位性の確立にもつながります。
ターゲット絞り込みのポイントは次の5点です。
- 属性:性別、年齢、居住地、職業、家族構成、興味関心、ニーズなど
- セグメンテーション:さまざまな属性に基づいてユーザーを分類
- 自社との親和性:自社の製品やサービスに合致するニーズを持つユーザー
- 競合状況:競合企業のターゲット戦略を分析
- データ分析:アクセス解析、アンケート調査などを活用
適切なターゲット設定と見直しを行いながら、効果的な層にアプローチしていきましょう。
検索エンジンとキーワードの戦略
海外マーケティングでは、対象国に合わせた検索エンジンとキーワードの戦略が成功の鍵となります。
日本と海外の検索エンジンシェアの違いとして、日本ではGoogle圧倒的シェアを占めますが、中国ではBaidu、ロシアではYANDEXが圧倒的シェアを持っています。
効果的な検索エンジンを選定することは非常に重要です。利用率の高い検索エンジンで広告掲載すれば、広告効果の最大化が、検索ボリュームの高いキーワード選定することで、SEO効果の最大化がそれぞれ期待できます。
海外マーケティング成功のための戦略は、次の4つが重要です。
- 対象国の検索エンジンシェア調査:Google以外にも地域特化型検索エンジンが存在
- キーワード選定:検索ボリューム、競合性、ターゲット層のニーズなどを考慮
- 地域特化型検索エンジン対策:SEO対策、広告掲載などを検討
- 多言語対応:言語、文化、習慣に合わせたコンテンツ制作
効果測定と改善
海外マーケティングは、綿密な計画と実行に加え、効果測定と改善のサイクルを継続することで成功に導くことができます。
効果測定をすることで、費用対効果の高い施策に注力しやすくなり、改善点を見つけて、より効果的な戦略へつなげやすくなります。データに基づいた的確な判断で意思決定の迅速化にもつながります。
改善のポイントは、次の4つです。
- 目標設定:具体的な目標を設定し、達成度を測定
- KPIの設定:コンバージョン率、アクセス数、顧客獲得単価など
- データ分析ツール:Google Analyticsなど
- PDCAサイクル:計画、実行、評価、改善を繰り返す
海外市場の動向は、常に最新情報や変化に迅速に対応すること、人材とパートナーが非常に重要な鍵となるでしょう。パートナーは次の3点をポイントに選びましょう。
- 海外マーケティング経験者
- 現地事情に詳しい人材
- 信頼できるビジネスパートナー
弊社でも広告配信するにあたってサポートを実施しております。海外向け広告のご相談は、海外広告および1年以上の留学経験者が担当いたします。
単にWeb広告の知識があるだけでなく、御社の事業形態・各国のインターネット事情も考慮して広告の設計が可能です。
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海外マーケティングの手法
海外マーケティングの手法として、次の5つが挙げられます。
- Webサイト
- SNS
- SEM(SEO・リスティング広告)
- 動画マーケティング
- プレスリリース
Webサイト
海外マーケティングにおいて、WEBサイト制作は単なる効果的な手法ではなく、必須と言えるでしょう。
WEBサイト制作は、次の3つの理由から必要です。
- 企業の顔:海外ユーザーにとって、企業を知るための重要な窓口
- 情報発信:製品やサービス、企業理念、ニュースなどを発信
- 顧客との接点:問い合わせ、購入、サポートなど
Webサイトを新規制作の際は、ターゲット市場に合わせた最適なサイトを構築しましょう。モデルサイトを構築することで拠点ごとに共通の基盤を構築し、地域に合わせたコンテンツを追加することができます。
考慮すべき点は次の3つです。
- 翻訳
- デザイン
- 問い合わせ窓口を設ける
翻訳の際は、言語、文化、習慣に合わせて正確にしましょう。ネイティブ言語に精通した翻訳者に関わってもらうことが重要です。
デザインは、ターゲット市場に合わせたデザインにしましょう。サイト開設と同時に質問や相談を受け付ける窓口が必要です。
また、Webサイトを制作する以外にもネットショップを開業することによって自社の製品を知ってもらうことができます。
関連記事:海外向けにネット販売をするには? 方法と注意点を解説
SEM(SEOとリスティング広告)
SEO対策では、ユーザーが自然に検索した際に検索エンジンの画面上に表示されるようにするためにさまざまな施策をします。自社サイトを開設しても、SEO対策をしないことにはユーザーがそのサイトに来てもらえることはなく、検索キーワードに応じたコンテンツを充実させることが重要です。
海外でSEO対策、リスティング広告を運用する際は、ターゲット国の検索エンジンを把握し、検索習慣や言語・文化を理解したうえで、行うことが重要です。同じ意味合いで検索したとしても、中国と日本では漢字が異なることや、欧米圏では言葉の選び方が違います。
関連記事:海外向けリスティング広告の特徴と成功の秘訣を徹底解説!!
このほか、SNSなどのWebマーケティングの手法については、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご参考ください。
関連記事:海外マーケティングを成功させるポイント!事例も紹介
海外SEO対策
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンの最適化という意味です。海外に合わせたSEO対策をすれば、海外にリアル進出せずとも、国内にいながら海外集客ができ、売上を伸ばすことが期待できます。
関連記事:海外SEO対策とは?注意点と流入数を増やすポイント
海外SEO対策の効果と注意点
海外SEO対策をすれば次のような効果が期待できます。
- 安定した長期的な集客
- コスト効率の高い集客
- 日本国内で海外集客できる
良質なコンテンツで特定のキーワード上位表示を獲得すれば、順位が容易に落ちることはなく、継続的な集客が可能です。また、一度上位表示されれば、プロモーション費用やマーケティング費用をかけずに集客を維持できます。
また、従来の海外進出とは異なり、日本にいながら海外市場へアプローチできる画期的な施策です。海外代理店や代行会社とのやり取りをはさまず、費用を抑えながら海外進出できるチャンスがあります。
現地ニーズに合わせたコンテンツで的確な顧客層へ訴求すれば、言語や文化の壁を超えて、効率的な集客を実現することができます。競合との差別化を図り、ブランド認知度向上への貢献も期待できるでしょう。
ただし、時間を掛けてコンテンツを作成し、Webサイトを育てたからといって、必ずしもSEOの効果が表れるとは限らず、ターゲット国に合わせた対策が必要です。
海外SEO対策に必要なポイント5つ
海外市場への進出において、多言語SEO対策は不可欠です。適切な対策を講じることで、検索エンジンからの評価を高め、海外からのアクセスを増やすことができます。
海外SEO対策に必要なポイントは次の5つです。
- 言語ごとに独自のURLを設定
- ネイティブによるコンテンツ作成
- 対象国で利用されているサーバーを使う
- HTMLでlang属性を使用
- Googleサーチコンソールでジオターゲティングを設定する
言語ごとに独自のURLを設定
言語ごとに独自のURLを設定しましょう。同じ言語のコンテンツを見つけやすくし、ユーザー離脱を防ぎます。
ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリの3つのパターンから、最適な方法を選択しましょう。
ネイティブによるコンテンツ作成
機械翻訳ではなく、現地の言語に精通したネイティブによる作成が望ましいです。現地の人にとって読みやすく、意味が伝わるコンテンツを作成することで、検索エンジンからの評価も高まります。
対象国で利用されているサーバーを使う
現地のサーバーを使うことで、検索エンジンからの評価が向上すると言われています。
AWSなどの多くの国で利用されているサーバーを活用しましょう。
HTMLでlang属性を使用
言語ごとに異なるサイトがあることを検索エンジンに知らせることができます。hreflang属性とlang属性を適切に使用することで、重複コンテンツの認識を防ぎ、検索結果での表示順位向上に繋がります。
Googleサーチコンソールでジオターゲティングを設定
ターゲットとしている国を検索エンジンに伝えることができます。多言語サイトの場合、言語ごとに設定する必要があります。
ただ、キーワード選定においては、ターゲット地域のユーザーが実際に検索するキーワードを選定する必要があります。
検索キーワードの選び方
海外SEO対策で成功するには、ターゲット国・エリアに住む人が求めている情報と、自社のビジネスに関連するキーワードを戦略的に選定し、それらのキーワードで検索するユーザーを満足させるコンテンツを作成することが不可欠です。
効果的なキーワード選定のためには、まずターゲットユーザーのニーズを深く理解する必要があります。また、競合の分析もしておきましょう。
キーワード調査ツールとしては、「Google Keyword Planner」や競合サイトのキーワード戦略を分析する「Ahrefs」、 キーワードのランキング推移やトラフィックなどを分析する「SEMrush」などがあります。
競合サイトの分析では、競合サイトがどのようなキーワードで上位表示されているのか、どのようなコンテンツを作成しているのかを確認しましょう。自社のビジネスに関連するキーワードを選定するヒントとなります。
ターゲットユーザーのニーズを把握したら、自社のビジネスに関連するキーワードを選定します。
ターゲットユーザーへのアンケート調査をするのも有効です。自社の製品やサービスに関する質問を投げかけ、情報収集の手段や方法や購入検討の際に重視するポイントを明らかにしましょう。
キーワード選定ができたら、次はそれらのキーワードで検索するユーザーを満足させるコンテンツを作成する必要があります。以下のポイントを参考に、高品質なコンテンツを作成しましょう。
- ターゲットユーザーに合わせた内容:
- ターゲットユーザーのニーズや問題を解決する内容
- ターゲットユーザーの理解度に合わせた文章
海外SEO対策は、時間をかけて継続的に取り組むことで成果が出ます。上記のポイントを参考に、ターゲットユーザーのニーズに合致した高品質なコンテンツを作成し、海外市場での成功を目指しましょう。
海外SEOと日本でのSEOの違いと対策方法
日本におけるSEO対策は、主にGoogle検索エンジンを対象とした対策が中心です。しかし、海外市場への進出においては、各国で主流の検索エンジンやユーザーニーズに合わせて、個別の対策が必要となります。
海外SEO対策では次の6点が重要です。
- ターゲット地域の検索エンジンを調査
- 現地ニーズに合わせたコンテンツ作成
- 競合分析とキーワード選定
- 現地化の徹底
- 言語ごとのサイト運営
- 継続的な分析と改善
ターゲット地域の検索エンジンを調査
Google以外にも、Baidu(中国)、YANDEX(ロシア)、Naver(韓国)、Bing(北米・ヨーロッパ)など、地域ごとに主流の検索エンジンが存在します。
ターゲットとする地域で利用されている検索エンジンを調査し、その検索エンジンに合わせたSEO対策を行うことが重要です。
現地ニーズに合わせたコンテンツ作成
単に日本語コンテンツを翻訳するのではなく、現地ユーザーのニーズや文化に合わせたコンテンツを作成する必要があります。
現地の人材やパートナー企業と連携し、ニーズに合致したコンテンツ企画・制作を行うことが重要です。
競合分析とキーワード選定
英語など利用者が多い言語では、日本語よりも競合が増え、検索結果上位に表示される難易度が上がります。
ターゲットとする言語やキーワードの検索ボリュームや競合状況を分析し、適切なキーワード選定を行う必要があります。
現地化の徹底
翻訳精度向上ツールやネイティブチェックを活用し、高品質な翻訳コンテンツを作成します。画像、動画、メタ情報なども現地化し、ユーザーにとって自然な体験を提供します。
言語ごとのサイト運営
言語ごとにURL、サイト構造、コンテンツを最適化します。
hreflang属性やlang属性などを適切に使用し、検索エンジンに言語情報を正しく認識させます。
継続的な分析と改善
アクセス解析ツールや検索エンジンからの評価指標などを活用し、定期的に分析を行います。
分析結果に基づいて、コンテンツの改善やキーワード選定の見直しなどを継続的に行うことが重要です。
海外SEO対策は、時間と労力を要する取り組みです。しかし、適切な戦略と実行によって、海外市場での成功を大きく近づけることができます。
海外の検索エンジンの割合
ターゲット国の検索エンジンの利用割合を踏まえておくことは重要です。例を挙げると、中国・韓国・インドの検索エンジンのシェア割合は次のようになっています。
- 中国:1位が百度(Baidu)で39.64%、2位がYandex(21.81%)、3位がBing(18.59%)
- 韓国:1位がGoogleで(60.79%)、2位がNaver(33.94%)、3位がBingで(2.41%)
- インド:1位がGoogleで(98.53%)、2位がBing(0.97%)、3位がYahoo!で(0.28%)
世界中で圧倒的なシェアを占めるGoogleですが、中国市場に進出したい場合は、Google以外の検索エンジン対策が必要となります。
関連記事:海外向けリスティング広告の特徴と成功の秘訣を徹底解説!!
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