企業経営において、経費管理やキャッシュフローの改善は欠かせません。そんな中で、法人カードの利用は経費精算や支出の管理を効率化する有効な手段となり得ます。
しかし、「法人カードの審査基準が気になる」「設立間もない会社でも審査に通るのか不安」と感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、中小企業の経営者向けに、法人カードの審査に通過するためのポイントや審査に通りやすいおすすめの法人カード、さらに審査を通りやすくするための対策などについてご紹介します。法人カードの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
法人カードの審査に落ちた場合|考えられる理由
法人カードでは、審査の際に個人カードと異なり、個人の支払い能力よりも会社の経営実績や設立時期、財務状況などにより判断されると言われています。また経営者の信用情報も影響するとされます。
なお、法人カードの審査基準は個人カードと同様、各社公開などはしていません。あくまで考えられる理由としてお伝えします。
設立時期|法人設立年数が浅い
長期間事業を継続していると経営が安定していると判断されやすく、カードによっては設立年数に3年以上など一定の条件を設けることがあります。
逆に法人設立年数が浅い場合には審査に落ちる場合もあり、設立間もない場合には、経営が安定していないと判断されることがあります。
この背景としてカード会社は、安定的に返済が可能な法人を優先するからです。設立直後の企業は売上の波が大きくなることが多く、これがカード会社にとってリスク要因となります。
財務状況|赤字決算
赤字決算が続いている法人は、収益性や資金繰りの不安があると判断され、審査において大きなマイナス要因となります。黒字でも利益が少ない場合や、借入金が多い場合も、同様のリスクが指摘される可能性があります。
法人カードの利用額が大きい場合、カード会社にとっては「立替払い」のリスクがあります。そのため、企業の財務基盤が脆弱である場合、返済が滞るリスクを避けるために審査が厳しくなるのです。
経営者の信用情報|クレジットヒストリー
経営者や、法人の代表者個人の信用情報が審査に大きく影響します。過去にローンやクレジットカードの返済遅延、債務整理(自己破産など)がある場合、信用情報に傷が付き、審査に通りにくくなります。また、クレジットヒストリーが全くない場合(いわゆる「スーパーホワイト」)もリスクと判断されることがあります。
法人の信用度は、しばしば経営者の信用情報と密接に関連付けられます。特に中小企業の場合、法人の経営状態が経営者個人の状況に大きく依存するため、代表者の信用履歴が審査に直接反映されます。
新法人にも申し込みしやすいおすすめの法人カード3選
設立時期が浅いスタートアップや赤字決済などがある法人でも、財務審査などがなく、申し込みやすいおすすめの法人カード3選をご紹介します。会計処理の効率化やビジネスの支援などさまざまな機能やサービスが付いているので、ぜひご検討ください。
カード | おすすめな理由 | 特長 |
マネーフォワードビジネスカード | 決算書提出不要 | 最短5分Web上で申し込み完了会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」との連携により会計業務の効率化を実現 |
FASIO | スタートアップも申し込みしやすい | 年会費永年無料でビジネスのサポートが受けられる税理士の顧問料割引などの優待あり |
INVOY | 財務審査なし | 資金繰り改善に期待取引先からの入金サイトが長く、資金調達が厳しい事業者におすすめ |
マネーフォワード ビジネスカード|決算書提出不要
マネーフォワード ビジネスカードは、決算書の提出が不要、最短5分で申込みができる法人用クレジットカードです。クレジットカードと会計ソフトが連携することで、会計業務が圧倒的に効率化され、利用明細の確認などがスムーズになるビジネスに大変便利な機能を持っています。
おすすめポイント
- 決算書の提出不要
- 経理処理の圧倒的な効率化、月次決算の早期化を実現
- インボイス制度・電子帳簿保存法などにも対応
- 初期費用年会費、海外手数料実質無料
- 設立1年目でも申し込み可能:設立1ヶ月以内なら10,000ポイントプレゼント
カード名 | マネーフォワード ビジネスカード |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料※発行から1年間利用がない場合、年会費1,100円が掛かる |
初期費用 | 無料 |
月額利用料 | 無料 |
海外での取引手数料 | 実質無料 ※海外加盟店での円建て、外貨建て取引にかかる海外手数料3%分を還元 |
発行枚数上限 | 無制限 ※カード発行元判断によりカード発行枚数を制限する場合がある |
国際ブランド | Visa(タッチ決済対応) |
3Dセキュア認証 | 3Dセキュア2.0対応 |
カードポイント付与 | 1~3% |
1取引あたりの利用限度額 | 1億円 ※2024年3月31日以前に発行したカードは原則500万円まで。発行元が認めた加盟店での支払いについてのみ5,000万円 |
支払方法 | 口座引き落とし/事前チャージ |
支払日 | 月末締め、翌月20日(土日祝日の場合は翌営業日)支払い |
マネーフォワード ビジネスカードは、会計アプリ「マネーフォワード クラウド会計」との連携により、次のような会計処理がスムーズになる機能を持っています。
- リアルタイムで明細を自動反映でき、データ入力の手間を削減
- 利用明細にメモの入力ができるためスムーズに仕訳登録可能
- スマホアプリやWeb上で両終了をペーパーレスで回収、電子帳簿保存法にも対応
これまでカード明細の入力が手間だと感じていたことや、カード明細を見ても支払内容が分からず、仕訳登録ができない、領収書の回収・催促に手間が掛かるといった課題を解決できます。
マネーフォワード ビジネスカードを導入すれば、次のように業務が簡略化されます。
- 従業員が法人カードによる支払いによりペーパーレスで領収書を提出できる
- 領収書を確認する作業がなくなり、仕訳が自動で作成され入力も不要
- 振込業務が不要になる
また、2024年11月30日までの期間限定、新規法人限定で新規契約特典として10,000ポイントをプレゼント。対象は会社設立1ヶ月以内の法人限定ですので、ぜひご活用ください。
なお、申し込みにあたって「マネーフォワード クラウド会計・確定申告」(無料)または、「会計Plus」のいずれかで銀行口座との連携が必要です。
FASIOビジネスカード|スタートアップも申し込みしやすい
「FASIOビジネスカード」は、スタートアップ企業も申し込みしやすい法人用クレジットカードです。Web申し込みなら最短3営業日で審査完了でき、カード発行まで最短7営業日で対応。法人のビジネスをサポートしてくれるサービス「Mastercard ビジネス・アシスト」の利用が可能で、ビジネスに必要なさまざまな優待も受けられます。
おすすめポイント
- 年会費永年無料
- ポイントがたまる
- 4枚まで発行可能
- 「Mastercard ビジネス・アシスト」利用可能
- 顧問料割引や初回相談無料などファシオ・グループ優待サービスが受けられる
カード名 | FASIOビジネスカード |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 永年無料(追加カードも無料)※「ファシオ・ビジネスプレミアムゴールドカード」の場合、年会費2,200円 |
初期費用 | 無料※「ファシオ・ビジネスプレミアムゴールドカード」の場合、年会費2,200円 |
月額費用 | 無料 |
発行対象者 | 法人代表者・個人事業主 |
発行枚数上限 | 4枚 |
国際ブランド | Mastercard |
3Dセキュア認証 | ー |
カードポイント付与 | 2,000円につき1ポイント※「ファシオ・ビジネスプレミアムゴールドカード」の場合、1,000円につき1ポイント |
1取引あたりの利用限度額 | ~200万円 |
支払方法 | 口座引き落とし |
支払口座 | 法人代表者名:法人名義口座個人事業主:屋号名もしくは本人名義の口座 |
FASIOビジネスカードは、年会費永年無料、プレミアムゴールドカードは初年度年会費無料(次年度以降1枚につき2,200円)にしては珍しく、ポイントが貯まります。
従業員の分を含めて4枚まで発行可能なため、従業員にカードを渡して事務用品や消耗品などの日常的な支払いもでき、キャッシュレス決済に対応できます。
運営元が税理士法人などを展開する株式会社ファシオ・コンサルティングとなっており、さまざまなビジネスのサポートや優待を受けられ、事業の成長を後押ししてくれることでしょう。
ビジネスサポートを受けられるサービス「Mastercard ビジネス・アシスト」では、次のような特典が受けられます。
- 大規模会議やイベントなどの開催をサポート
- 海外進出や訪日マーケットへの支援
- 従業員の福利厚生サービス優待 など
企業のビジネスを支援する企業と連携しており、事業拡大や収益性向上、人材の強化などさまざまな課題に活用できます。
このほか、税理士法人ファシオ・コンサルティングをはじめとするファシオ・グループの顧問料の優待や「弥生会計オンライン」などクラウド会計システムの年会費優遇が受けられます。
FASIOビジネスカードは、ビジネスのサポートを受けながら、業績の拡大を図る企業にぴったりの法人カードです。
INVOY|財務審査なし
スタートアップや収益が不安定な個人事業主の方では、取引先の入金サイトが長く、資金調達に悩まされるということも多いのではないでしょうか。
そんなとき、便利なのが支払い期日の迫った請求書をカードで一括決済し、支払いは最大60日間後ろ倒しにできる機能を持った「INVOYカード」です。即日利用も可能なので、資金繰りに悩む事業者は検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめポイント
- ビジネスの支払いをカードに置き換えることで3営業日以内に支払いできる
- カードの引き落とし(支払い)は最大60日間後ろ倒しが可能
- 財務審査なく利用が可能※カード会社のルールに従い、利用できない場合もあり
カード名 | INVOY |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
発行対象者 | 法人・個人事業主の方 |
発行枚数上限 | ー |
国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB |
3Dセキュア認証 | あり |
1取引あたりの利用限度額 | 契約のカード会社が定める上限金額に準じる |
決済手数料 | 支払額の3% ※月間200万円未満の場合 |
支払方法 | 口座引き落とし |
支払口座 | 法人代表者名:法人名義口座 個人事業主:屋号名もしくは本人名義の口座 |
INVOYは、クラウド請求書プラットフォーム「INVOY」の運営を行うFINUX株式会社が運営しており、会計処理の効率化にも貢献しています。
大きな特徴は、カード決済から3営業日内に取引先に振込可能、契約者のカードの引き落とし(支払い)は最大60日間後ろ倒しにできることです。
カード決済に統一することで銀行振込などの手間が省け、一括管理ができます。手数料は業界最安水準の支払額の3%です。
利用にあたっては、INVOYアカウントの登録が必要となります。請求書のファイルをアップロードすると、自動で請求内容の情報を読み取り、カード払いの手続きに進みます。
\今だけ!10万円以下のカード払いの手数料が安くなる/
法人カードの審査なし!おすすめビジネスデビットカード
事業費の決済としてクレジットカードだけでなく、ビジネスデビットカードという選択肢もあります。事業費の決済に利用できるおすすめのビジネスデビットカードをご紹介します。
GMOあおぞらネット銀行【ビジネスデビットカード】|与信審査なし!年会費・維持費無料
GMOあおぞらネット銀行【ビジネスデビットカード】なら、与信審査なし、年会費・維持費無料、1枚につき1日最大1,000万円の利用が可能です。
おすすめポイント
- 各種手数料が安い:口座維持手数料無料・振込手数料~145円/1件
- Pay-easy(ペイジー)による社会保険料や税金等の支払いが可能
- 最大1%が現金還元される
- 創業期や赤字でも借りられるビジネスローンの利用が可能
- 条件を満たせば、最短即日口座開設
カード名 | GMOあおぞらネット銀行【ビジネスデビットカード】 |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料※個人の方がMastercardで利用する場合、3,300円 |
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 無料 |
発行対象者 | 個人、個人事業主の方・法人 |
発行枚数上限 | 特になし(追加発行は法人のみ)※1枚につき1,100円の発行手数料が掛かる |
国際ブランド | VISA・Mastercard |
3Dセキュア認証 | ー |
カードポイント付与 | ー |
特典内容 | 最大1%が現金還元 |
利用可能サービス | ビジネスローン |
1日あたりの利用限度額 | 1枚につき1,000万円※Mastercardの場合 |
振込手数料 | GMOあおぞらネット銀行宛なら無料他行宛:145円/件 |
支払方法 | GMOあおぞらネット銀行から口座引き落とし※GMOあおぞらネット銀行口座開設が必要 |
支払口座 | 法人代表者名:法人名義口座個人事業主:屋号名もしくは本人名義の口座 |
クレジットカードとの違いは、事業用の普通預金口座から即時引き落としされる点です。未払い金などの経理処理負担を軽減し、利用内容がWeb明細にすぐ反映されるため、月内の経理処理が可能です。
また、利用時にリアルタイムで利用の通知をメール送信するため、カードを紛失した場合でも不正利用の確認ができ、インターネット・バンキング・アプリからカード機能の利用を制限することも可能です。
デビットカードによる振込手数料はGMOあおぞらネット銀行宛なら無料、他行宛ては1件につき145円、さらに振込件数が多い事業者は月額利用500円で1件あたり129円になります。
\2025年1月31日まで最大1,500円プレゼント!/
利用にあたっては法人口座の開設が必要です。口座開設スピードは平均1.7日と口座開設当日から振込も可能。他行宛て振込手数料が3か月20回/月無料など安いのもうれしいポイントです。
ぜひ口座開設し、GMOあおぞらネット銀行【ビジネスデビットカード】を利用してはいかがでしょうか。
法人カードの審査に通りやすくするには?対策5つ
法人カードの審査に通りやすくするには、次の5つの対策をすると良いでしょう。
- 固定電話を設置する
- 会社のホームページを開設する
- 代表者の個人カードをグレードアップする
- カードの利用限度額を低く設定する
- 審査に通りやすいカードを選ぶ
固定電話を設置する
固定電話は、企業の信頼性を示すポイントとしてカード会社に評価されることがあります。携帯電話だけの場合、事務所の実在性や業務の安定性が疑われる可能性があります。
固定電話番号を持つことで、会社の信頼度が高まり、事務所がしっかり存在する安定した法人と見なされる可能性が高まります。特に中小企業や設立間もない法人にとって、少しでも信頼性を補強する手段として有効です。
会社のホームページを開設する
ホームページは、会社の業務内容や実績を第三者に公開する手段であり、企業の透明性や実在性を示します。審査担当者が法人の信頼性を確認する際に、情報が不足していると審査が不利になることがあります。
ホームページがあると、カード会社が法人の実態を把握しやすくなり、信頼度が高まります。事業内容や会社概要、連絡先などを分かりやすく記載することがポイントです。
代表者の個人カードをグレードアップする
法人カードの審査では、代表者個人の信用情報が重視される場合が多いため、個人カードで良好なクレジットヒストリーを築いておくことが重要です。一般カードからゴールドカードなどへのグレードアップは、その一つの指標となります。
グレードアップした個人カードを保有していることで、信用力が高いと評価され、法人カードの審査でも有利に働きます。また、個人カードで利用履歴や支払い履歴を良好に維持することも重要です。
カードの利用限度額を低く設定する
利用限度額が高いほど、カード会社にとっての立替払いリスクが大きくなるため、審査が厳しくなります。低い限度額を設定することで、リスクが軽減されるため審査に通りやすくなります。
たとえば、最初は利用限度額を低めに設定し、実績を積んでから増額申請を行うと、審査が通りやすくなります。初期段階では必要最低限の限度額で申し込むのがポイントです。
審査に通りやすいカードを選ぶ
法人カードには審査基準が比較的緩いものもあります。たとえば、設立間もない法人や小規模事業者向けのカードは、審査条件が柔軟に設定されていることが多いです。
自社の状況に合ったカードを選ぶことで、審査に通る可能性が高まります。事前に口コミや公式情報を調査し、特に「個人保証不要」や「設立年数不問」などの条件があるカードを選ぶのも一つの方法です。
▶法人用デビットカードをご利用の方はこちら
まとめ
この記事では、審査に通りやすいおすすめの法人カードを中心に、審査に落ちた場合の考えられる理由や審査に通りやすくする方法などについて解説してきました。
法人カードには、スタートアップや中小・零細企業、個人事業主の方などそれぞれの状況に合わせて、さまざまなビジネスサポートがセットになっているクレジットカードもあります。
審査が通りやすく、ビジネスを後押ししてくれるおすすめの法人カードは次の3つです。
- 会計業務の効率化を進めてくれるマネーフォワード ビジネスカード
- スタートアップも申し込みやすいFASIOビジネスカード
- 資金繰り改善に期待できるINVOY
カード | おすすめな理由 | 特長 |
マネーフォワードビジネスカード | 決算書提出不要 | ・最短5分Web上で申し込み完了 ・会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」との連携により会計業務の効率化を実現 |
FASIO | スタートアップも申し込みしやすい | ・年会費永年無料でビジネスのサポートが受けられる ・税理士の顧問料割引などの優待あり |
INVOY | 財務審査なし | ・資金繰り改善に期待 ・取引先からの入金サイトが長く、資金調達が厳しい事業者におすすめ |
なお、クレジットカード以外をお考えの方には、GMOあおぞらネット銀行【ビジネスデビット】もおすすめです。
ぜひ、おすすめの法人カードを活用して、あなたのビジネスを成長させていきましょう。
コメント