デジタル化が進むビジネスにおいて、デジタルマーケティングへの注目が高まっています。しかし、デジタルマーケティングの特徴や活用方法を理解していない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルマーケティングの概要や、Googleの無料学習ツールと具体的な活用事例を紹介します。
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、インターネットやスマートフォンなどのデジタル技術を活用して、顧客とコミュニケーションを取り、商品やサービスの販売促進を行うマーケティング手法です。
デジタルマーケティングのメリットは、以下の2点です。
- 顧客との接点をオンラインで構築できるため、24時間365日、どこからでもアプローチできる。
- 顧客の行動データを収集・分析することで、一人ひとりのニーズに合わせた最適なアプローチを実施できる。
デジタルマーケティングの主な目的は、売上や利益の最大化です。そのためには、デジタル技術を活用したさまざまな施策を実施し、効率的に顧客にアプローチしていくことが必要です。
デジタルマーケターの仕事内容
デジタルマーケターの仕事は、WebサイトやSNS、メール、動画などのデジタルツールを活用して、顧客との接点を築き、情報提供や関心・興味を喚起することで、商品やサービスの購入につなげることです。
デジタルマーケターが扱うデジタル施策は、全てデータを蓄積できるものです。このデータを分析することで、顧客のニーズや行動を把握し、一人ひとりに最適なアプローチを実施することができます。
以下では、デジタルマーケターの仕事内容をより詳しく解説します。
ミーティング
クライアントとの打ち合わせやヒアリングでは、クライアントのビジネスやマーケティングの課題、目標、予算などを把握します。
その上で、SEO、Web広告、SNS運営、ITツールの導入、ビッグデータの活用、AIなどを使った業務の自動化など、さまざまなデジタルマーケティング施策の中から、クライアントの課題や目標を解決するために最適なものを検討・提案します。
施策実行
施策を実行する際には、自社で運用する場合と、外部に委託する場合の2つのパターンがあります。
自社運用 | 外部委託 |
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自社運用の場合は、コストを抑えることができ、自社で運用ノウハウを蓄積することができます。一方、外部委託の場合は、専門的な知識やスキルを必要としない施策でも、高い成果を期待することができます。
データ分析
施策の目的や目標を達成するために、必要なデータを収集・分析します。
具体的には、以下のデータを収集・分析します。
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データ分析には、Googleアナリティクス(ga4)などのツールが活用できます。
施策立案
施策の成果を評価することで、施策が目標を達成できているかを判断します。課題があればその原因を特定し、施策の改善に必要なポイントを明確にしていきます。
たとえば、課題は以下のようなものが挙げられます。
- ターゲット層の設定が間違っている
- コンテンツの内容が魅力的ではない
- 広告のターゲティングが適切ではない
- サイトのUI/UXが悪い
上記の課題を改善した後は再度効果測定を行い、改善が効果的であったかどうかの評価を行いましょう。
Googleからデジタルマーケティング資格を取得する方法
デジタルマーケターの仕事内容を理解していただいたところで、次にデジタルマーケティングの仕事を効率的に行うための資格をご紹介します。
なお、これらは全て無料で取得できます。
Google デジタルワークショップ
(引用:Googleより)
Google デジタルワークショップは、Google が無料で提供しているデジタルマーケティングのオンライン学習プログラムです。インターネットの基礎知識から最新のデジタルマーケティング手法まで、幅広く学ぶことができます。
コース名 | 時間 | 概要 |
オンライン ビジネスのセキュリティの向上 | 1時間 | オンライン セキュリティの基礎知識、会社や顧客にどのように応用できるかを学ぶ。 |
デジタル マーケティングの基礎 | 40時間 | デジタルマーケティングの基礎知識、Webサイトの作成、SEO、SEM、ソーシャルメディアマーケティング、コンテンツマーケティングなどの基本を学ぶ。 |
プログラミングの基礎 | 1時間 | コードの概要や具体的な用途について学ぶ。 |
ビジネスをオンラインで展開 | 3時間 | オンラインビジネスの基礎、Webサイトの構築、Eコマースの基本などを学ぶ。 |
セルフ プロモーションで自信をつける | 1時間 | 自己 PR のあり方と自尊心を高める方法を学ぶ。 |
キャリアアップに役立つスキル | 1時間 | 履歴書の作成、面接で相手の心をつかむ方法、やりたい仕事に就くための心構えについて学ぶ。 |
オンラインで自身のビジネスを見つけてもらう | 3時間 | SEO、SEM、ソーシャルメディアマーケティングなどの手法を用いて、オンラインでビジネスを見つけてもらう方法を学ぶ。 |
機械学習の基礎 | 1時間 | 機械学習を実生活で活かす方法について学ぶ。 |
オンライン広告でビジネスを宣伝 | 3時間 | 検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告などのオンライン広告の基本を学ぶ。 |
仕事の生産性の向上 | 1時間 | ツールの活用方法や、優先順位の付け方、他の人への業務委任といったスキルの身に付け方を学ぶ。 |
顧客のニーズとオンラインでの顧客の行動を把握 | 1時間 | ウェブ解析の基本を学ぶ。 |
モバイルを通じてユーザーと繋がる | 1時間 | モバイルマーケティングの基礎、モバイルSEO、モバイル広告などの手法を用いて、モバイルユーザーと繋がる方法を学ぶ。 |
ビジネスを他国に拡大 | 1時間 | 国際マーケティングの基礎、グローバルSEO、グローバルSEMなどの手法を用いて、海外にビジネスを拡大する方法を学ぶ。 |
コンテンツを通してビジネスを宣伝 | 3時間 | コンテンツマーケティングの基本、コンテンツ作成、コンテンツの分析などの手法を用いて、コンテンツを活用してビジネスを宣伝する方法を学ぶ。 |
デジタル ウェルビーイングの基礎 | 1時間 | テクノロジーとの関わり方、健康的習慣を維持するうえで役立つ各種ツールを学ぶ。 |
全15コースの学習プログラムのなかで最もおすすめなのは、「デジタルマーケティングの基礎」コースです。これは、米国IAB(Interactive Advertising Bureau)公認コースのため、国際的にも通用する資格なので、ぜひとも取得しておきましょう。
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
(引用:Googleより)
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleアナリティクスの基礎的な知識とスキルを証明する資格です。GAIQは、Web担当者として、Googleアナリティクスに触れる機会が多い人におすすめです。
Googleアナリティクスは、Webサイトやアプリのアクセス解析に欠かせないツールで、Webマーケティングのスキルアップに最適です。
Google広告認定資格
(引用:Googleより)
Google広告認定資格は広告の知識を証明する資格で、広告代理店や広告運用部署で働く人におすすめの資格です。また、自社で広告を運用したいWeb担当者にも役立ちます。
Google広告は、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告など、さまざまな種類の広告を提供しています。これらの広告の概要から運用方法まで、幅広い知識を身につけることができます。
その他デジタルマーケティングおすすめ資格4選
ここからはGoogle以外で取得できる、とくにおすすめの資格をご紹介します。ただし、有料の資格ですので資格取得の際には、ご注意ください。
マーケティング検定
(引用:日本マーケティング協会より)
公益社団法人日本マーケティング協会主催の試験で獲得できる「マーケティング検定」は、3級、2級、1級の3つの級があります。
3級 | 2級 | 1級 | |
料金 | 一般:6,600円会員/学生:5,500円 | 一般:9,460円会員/学生:8,360円 | 一般:14,850円会員/学生:13,750円 |
概要 | マーケティングの基礎概念を理解していることを証明する資格 | マーケティングの基礎知識に加えて、応用的な知識とスキルを身につけていることを証明する資格 | マーケティングの専門知識とスキルを有していることを証明する資格 |
3級は、就職内定者やマーケティングの初心者、顧客と接するあらゆる人におすすめです。
2級は、マーケティングの専門知識を身につけたい方や、マーケティングの仕事に就きたい方におすすめです。
1級は、マーケティングのプロフェッショナルを目指す方におすすめです。
ファンダメンタルマーケター資格
(引用:ファンダメンタルマーケターより)
ファンダメンタルマーケター資格は、米国データ&マーケティング協会(DMA)が公認する、マーケティングの基礎知識と実践スキルを身につけるための認定資格です。デジタルマーケターを目指す方や、マーケティングのスキルアップを目指す方におすすめです。
26,400円の受講費用でマーケティングの歴史や理論から、デジタルマーケティングの最新トレンドまで幅広い内容を学ぶことができます。10のカリキュラムをすべて受講し、修了テストに合格することで取得できます。
Webアナリスト検定
(引用:Webアナリスト検定より)
Webアナリスト検定は、Webサイトのアクセス解析を体系的に学び、実践的なスキルを身につけるための認定資格です。Webサイトの分析スキルを身につけたい方や、Webマーケティングのスキルアップを目指す方におすすめです。
受講料は主催者によって変わってきますが、およそ16,000円〜24,000円が必要になります。Googleアナリティクスを活用したアクセス解析の基礎から応用、集客からコンバージョンまでのWebマーケティングの流れ、効果的な施策を立案・実行できるスキルを身につけることができます。
ウェブ解析士
(引用:一般社団法人ウェブ解析士協会より)
ウェブ解析士は、ウェブサイトやアプリのアクセス解析を行うことで、ユーザーの行動や属性を分析し、課題を抽出します。ウェブ解析士にはレベル別に3つの資格があり、それぞれに応じた知識とスキルが求められます。
ウェブ解析士 | 上級ウェブ解析士 | ウェブ解析士マスター | |
料金 | 公式テキスト:4,400円講座費用:11,000円
試験費用:17,600円 |
88,000円再試験:22,000円 | マクロ解析レポートコース:110,000円ミクロ解析レポートコース:110,000円
講師養成コース:220,000円 |
概要 | ウェブ解析の基礎的な知識とスキルを身につける | ウェブ解析の応用的な知識とスキルを身につける | ウェブ解析の専門的な知識とスキルを身につけることができ、企業研修の講師として活躍することができる |
ウェブマーケティングのスキルアップを目指す方や、ウェブ解析のスペシャリストを目指す方におすすめの資格です。
デジタルマーケティングの事例
最後に2つの企業を元に、デジタルマーケティングの事例について解説します。
ユニクロ
ユニクロは、店舗とオンラインのデータを統合し、顧客の購買傾向を分析することで、顧客一人ひとりに最適な商品を提案しています。
また、店舗の売上データから商品の需要を予測し、適切なタイミングで補充することで、顧客の満足度を向上させています。さらに、デジタル技術を活用して店舗の運営効率を向上させ、コスト削減にも取り組んでいます。
デジタルを活用したブランドの認知度とエンゲージメントを高めることにも積極的です。TikTokとの提携により、顧客に自らの着こなしを披露してもらうことで、ブランドの魅力を世界中に広めています。
(引用:ユニクロより)
ナイキ
NIKEはアプリを活用することで、現実世界と仮想世界を融合させた新しいビジネスモデルを構築しています。それは、NFT(非代替性トークン)で購入できるスニーカーコレクションです。この仮想スニーカーは、NFT所有者のみが拡張現実(AR)で着用できるものです。
NIKEは顧客との接点を拡大し、ブランドのファン層を拡大しています。また、ブランドのパワーを高めることで、マーケットでの競争力を強化しています。
(引用:NIKEのXより)
まとめ
本記事では、デジタルマーケティングの概要と、Googleにあるデジタルマーケティング資格の紹介、デジタルマーケティングの活用事例を紹介しました。
デジタルマーケティングとは、インターネットやスマートフォンなどのデジタル技術を活用して、顧客とコミュニケーションを取り、商品やサービスの販売促進を行うマーケティング手法です。
デジタルマーケティングのメリットは、以下のとおりです。
- 24時間365日どこからでもアプローチできる。
- 一人ひとりのニーズに合わせた最適なアプローチを実施できる。
デジタルマーケティングの主な目的は、売上や利益の最大化です。施策の目的や目標を達成するためには、必要なデータを収集・分析し、最適なアプローチを考案することです。そのためには、まずGoogleデジタルワークショップなどを活用し、無料で学習していくことをおすすめします。