ここ最近、Facebookで嬉しいと感じたアップデート2種類「コンバージョン最適化によるデータ不足から起こる配信不足を改善できる機能」と「オーディエンスネットワークなどのニュースフィード以外の広告配信面の透明性の向上」について今回の記事ではご紹介させて頂きます。
どちらのアップデートもFacebook広告の運用者には結構嬉しいお話となっており、広告配信面の透明化の機能はすぐに実装されるというわけではありませんが、実装開始の時はきっと助けになってくれると思いますので、頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。では先にコンバージョン最適化の新しい機能についてご紹介していきたいと思います。
コンバージョン最適化によるデータ不足から起こる配信不足を改善する機能
なぜコンバージョンを最適化の目標とすると配信不足が起きるのか?
コンバージョンを最適化対象とする広告セットで広告配信を行う場合に、なぜリーチ自体が発生しないという自体が起きてしまうかというと、それは「データ不足」が原因となります。Facebook側が推奨するコンバージョンの最適化による配信を行うには、最低でも週に15~25件のコンバージョンを継続して獲得している必要があります。
そのため、「最低でも週に15~25件のコンバージョンが継続」に満たない状態で広告配信を続けている場合は正常に最適化が行われずリーチ数が極端に少なくなったり、最悪の場合は配信数がゼロに等しくなってしまう場合があります。
どんな事が楽になる?
上記にてご紹介させて頂いた様に、広告セットのデータがあまり貯まらないまま配信を続けていると、データが十分に貯まる前に最適化が行われてしまい、リーチが少なくってしまいます。いままではこのような場合の対処法として、十分なコンバージョンデータを集められるようになるまでは「リンクのクリック」を最適化目標として配信を行い、データが貯まってきたら「コンバージョン」最適化にシフトして調整していく、というふうに運用をしていました。
しかし、今回の機能がローンチされた事により最適化対象を「コンバージョン」にしていても必要なコンバージョンデータが得られるまでは自動的に最適化対象を「リンクのクリック」として配信してくれるようになります。せっかく広告セットを作成してもリーチが出ないという状態がなくなり、さらにFacebookのシステム側で最適な切り替えを行ってくれると思われるので運用が楽になると予想されます。
気を付ければならない事
これにより十分なコンバージョンデータがなくとも広告の配信を行うことができますが、十分に気を付けなければならないことはCPAの高騰です。データが少ない状態でも広告セットが停止されることがありませんので、コンバージョンが出なくとも自動的にリンクのクリックを目指して延々と広告が配信され続けてしまいます。すなわち、今回のコンバージョン最適化に対する新しい機能は、コンバージョンを最適化対象に選択している広告セットで「十分なデータ量があるもの」を更に結果を伸ばす機能ではなく、「広告セットに十分な配信数がなくデータが貯まっていない」ものに一時的にリーチを増加させる手助けをする機能となります。
そのことを承知のうえで、配信ボリューム自体が少ないという状況を改善にしていくためにこの機能活用していきましょう。
では続いて広告配信面の透明性の向上についてのアップデート内容についてです。
オーディエンスネットワークなどの広告配信面の透明性の向上
今までの配信面の除外方法
Facebook広告はオーディエンスネットワークやインストリーム広告、インスタント記事などFacebook外の広告面に更なる広告の表示を追求していましたが、その一方でFacebookページ内で掲載されるニュースフィード以外の配信先が明確ではありませんでした。
オーディエンスネットワークの開始以降、どの配信面に・どんなクリエイティブの広告が掲載されているかの詳細な情報は広告主側では確認することができず、Facebook側に問い合わせてみても非公開と伝えられ成す術はありませんでした。しかしこの問題に対して大まかではありますが、出会い系、ギャンブルなどのカテゴリを除外することができる設定や、ドメイン毎又は特定のアプリを指定して除外することのできる機能(ブロックリスト)で最低限の除外を行っていました。
実装されるとどのようなに配信先がわかる?
(2017年6月27日)現在では、先ほどお伝えしたように不透明な部分が多いfacebookですが、今回の新しい機能のローンチによりニュースフィード以外の配信面、オーディエンスネットワークやインストリーム広告などで配信開始前に広告が出る可能性のある面のリストを確認することができるようになります。
今まで各アプリの配信量の平等性などの理由により、ヘルプやサポートに問い合わせても一切開示して頂けなかった情報でしたが、配信先の情報は商材のブランドを保護したり、広告パフォーマンスを向上に繋げれられる大事な指標になるのではないと期待しています。しかし、あくまでも配信前に開示する情報としか書かれていないため、もしかするとGoogle Adwordsの様に広告レポートとして確認しているような配信先毎のデータを詳細に確認できる機能ではないかもしれません。
ブロックリストについてもアップデート
今まではブロックリストを使用する場合は広告セットごとに設定が必要でしたが、今回のブロックリストのアップデートにより広告アカウント単位に設定することができるようになりました。そうすることで、広告アカウント内にある全部の目的キャンペーンに適用させることができるようになりました。たくさんのキャンペーンを管理しなければならない場合でも設定が漏れるミスの心配がなくなりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回の各アップデート内容のまとめとさせて頂きますが「コンバージョン最適化によるデータ不足から起こる配信不足を改善する機能」についてこちらはあくまでもコンバージョン最適化によるリーチ不足を改善するものであって、週にある程度コンバージョンが取れており正常に最適化されている広告セットの効果を更に伸ばすものではありません。そのため、広告セットを作成したものの管理を行わずにコンバージョンがとれないまま配信し続けていたという状況だけは気を付けるようにしましょう。
次に「オーディエンスネットワークなどの広告配信面の透明性の向上」についてですが、こちらの機能は年内にはすべての広告アカウントに対応するとの事なのでしばらくは私たちの広告アカウントには実装をされないのではないかと思われます。更に、もしかするとGoogle adwordsのように広告が配信されたプレースメントのデータを確認する事が出来ないかもしれません。それでも配信面がどこなのかも分からないという状態よりかはとても良いですよね。
Webマーケティングビジネスの1つの手法に欠かせないFacebook広告ですが、最近アップデートの頻度も上がってきていていろんな部分を改善してくれています。が、まだまだ使いにくいと感じる点がありますよね…。今後、新しいターゲット方法や、日予算組みでの配信時間の指定、画像・動画広告などクリエイティブの更なる配信面の拡張、パワーエディタの利便性アップなど、もっとFacebook広告の利便性・可能性を広げていってくれたら嬉しいですね!