Facebookの動画広告を効果的に活用したいけれど、どの形式が最適か悩んでいませんか?動画広告は確かに効果的ですが、適切な運用方法やメリットを理解していないと、期待通りの成果が得られないこともあります。
Facebookの動画広告には、フィード広告、ストーリーズ広告、インストリーム広告の3つがあり、それぞれ異なる特徴と活用方法があります。効果的な導入事例やメリットを理解することで、最大限のパフォーマンスを引き出すことが可能です。
本記事では、Facebook動画広告それぞれの特徴や導入事例、そして具体的なメリットについて詳しく解説します。
Facebook動画広告とは
Facebook動画広告は、Facebookが提供する広告サービスの一環で、フィード、ストーリーズ、リール、または動画コンテンツ内(インストリーム広告)で配信することができます。
動画広告は画像広告よりも多くの情報を盛り込むことができ、視聴者に効率的にメッセージを伝えることが可能です。さらに、Facebookは実名登録制のSNSであるため、誕生日、居住地、学歴、職歴、勤務先、結婚や出産などのライフイベントに関する情報が豊富に集まっています。
こうした詳細なユーザー情報を「属性データ」として活用することで、ターゲットユーザーに対してより正確に広告を配信できる点が強みです。
動画広告をFacebookで配信すべき理由
動画広告をFacebookで配信すべき理由として、以下2つが挙げられます。
拡大していく動画広告市場
2024年の動画広告市場は7,209億円に達すると予測されています。これは前年の6,253億円から大幅に増加しており、前年比で約15.3%の成長を示しています。
市場が拡大した主な要因は、スマートフォンの普及や通信速度の向上、SNSプラットフォームの多様化にあります。とくに、スマートフォン向けの動画広告が市場全体の80%以上を占めており、コネクテッドテレビ向け広告も前年比で37%増加しています。
2027年には動画広告市場が1兆228億円に達する見込みです。この成長は、縦型動画広告やインストリーム広告など、新しい広告形式の需要増加によって支えられています。
出典:サイバーエージェント 2023年国内動画広告の市場調査を発表
Metaプラットフォームズの利用率はYouTubeをも上回る
日本において、YouTubeは最も利用されているソーシャルメディアプラットフォームです。
以下レポート「Digital 2021: Japan」では、日本国内での主要なソーシャルメディアプラットフォームの利用状況が示されています。
YouTubeの利用率は74.3%と非常に高いですが、Metaプラットフォームズ(Facebook 30.5%、Instagram 38.6%、Messenger 10.7%)を合わせると、利用率は79.8%に達します。
このデータから、Metaプラットフォームズ全体の広告リーチはYouTubeを上回ることがわかります。
YouTubeとMetaの動画広告の比較
YouTubeとMetaの動画広告を比較すると、それぞれのプラットフォームに以下のような違いがあります。
特徴 | YouTube | Meta(Facebook、Instagram、Messenger、Audience Network) |
---|---|---|
利用者層 | 幅広い年齢層 | プラットフォームごとに異なるターゲット層 |
動画広告の形式 | インストリーム広告(スキップ可能・不可)、ディスカバリー広告、バンパー広告 | フィード広告、ストーリーズ広告、インストリーム広告 |
エンゲージメントの深さ | 長尺のコンテンツが視聴されやすい | 短いクリエイティブが中心で、視覚的に訴求 |
ターゲティング精度 | 行動ベースのターゲティングが中心 | 多次元的なターゲティング(興味、年齢など) |
広告フォーマットの一貫性 | 単一プラットフォーム内での一貫性 | 複数プラットフォームにまたがる一貫したメッセージ |
Metaプラットフォームズを活用することで、異なるターゲット層にまたがる広範なリーチが可能になり、複数のタッチポイントを通じてより多くのユーザーにメッセージを届けられます。
Facebook動画広告を利用できる配置場所
Facebook動画広告はFacebookだけでなく、MessengerやInstagram、Meta Audience Networkなど複数の場所に表示させることができます。
配置場所と広告の長さは、以下のとおりです。
プラットフォーム | 配置場所 | 広告の長さ |
---|---|---|
Facebookフィード | 240分以内 | |
Facebook Marketplace | 240分以内 | |
Facebook動画フィード | なし(配置のみ記載) | |
Facebookストーリーズ | 1~15秒 | |
Facebookインストリーム動画(モバイル) | 5秒~10分 | |
Facebookインストリーム動画(デスクトップ) | 5~15秒 | |
Facebook上の検索結果 | なし(配置のみ記載) | |
Instagramフィード | 1~120秒 | |
Instagram発見タブ | 1~120秒 | |
Instagramストーリーズ | 1~120秒 | |
Instagramリール | なし(配置のみ記載) | |
Audience Network | Audience Networkネイティブ、バナー、インタースティシャル | 1~120秒 |
Audience Network動画リワード | 3~60秒 | |
Audience Networkインストリーム動画 | 5~30秒 | |
Messenger | Messengerストーリーズ | なし(配置のみ記載) |
Facebook動画広告の種類は3つ
Facebookの動画広告には主に3つの種類があります。それぞれの特徴について詳しく解説します。
1.フィード広告
フィード広告は、Facebookのタイムラインに表示される動画広告で、最大240分までの動画が使用可能です。投稿の閲覧途中に、自然な形で表示されるため、ユーザーは広告を「広告」として認識しづらく、ブランドへの親近感や認知度が向上します。
通常の投稿と同じように表示され、反応(いいね、コメント、シェア)もできるため、ユーザーが意識せずに目にすることが多く、高い視認性を誇ります。
2.ストーリーズ広告
ストーリーズ広告は、Facebookのストーリーズ機能を利用した動画広告で、毎日5億人以上が利用してます。フルスクリーンで表示され、ユーザーの注意を引きやすい特徴があります。
ストーリーズは通常15秒以内の動画が表示され、複数のストーリーズに分割することも可能です。視覚的なインパクトが強く、ユーザーに強い印象を与えることができます。
3.インストリーム広告
インストリーム広告は、Facebook上で配信されている長尺動画コンテンツの再生前後や途中で流れる短い動画広告です。
通常15秒以内で、視聴者が興味を持っているコンテンツに関連付けられるため、高い視聴率が期待できます。
Facebook動画広告の導入事例
Facebook動画広告の導入事例について、以下のような成功事例があります。
短尺動画でのインパクト:Sweaty Betty
出典: Sweaty Betty
アパレルブランドであるSweaty Bettyは、通常のビデオ広告に加えてリール広告を使用することで、買い物かごへの追加が90%増加し、ブランドの好感度も向上しました。
これは、リール広告が従来の広告よりも、消費者のエンゲージメントを高め、購買意欲を促進する効果があったことを示しています。
親世代への訴求:インビザライン・ジャパン株式会社
インビザライン・ジャパンは、モバイルファーストのクリエイティブ(スマートフォンなどのモバイルデバイスでの閲覧を前提とした広告のこと)で、FacebookとInstagramの広告キャンペーンを改善しました。
モバイルファーストのクリエイティブと動画広告プラットフォームを組み合わせると、広告効果を高め、費用対効果を向上させることができます。新しい写真と動画広告は、以前のキャンペーンよりもクリック率が12%向上し、コストも削減しました。
Facebook動画広告のメリット
Facebook動画広告を実施する最大のメリットは次の3つです。
狙ったユーザーへのリーチが可能
事前に特定のターゲットを設定し、そのユーザーだけに広告の配信を行い、低い予算で効果の高い広告の配信が可能になります。近年では若者のテレビ離れが進んでいて、Facebook動画広告はテレビCMよりも多く視聴されています。
アメリカの調べで、Facebook動画広告の方がテレビCMと比較して37%も多くリーチできていると報告されています。
拡散による二次的な効果が期待できる
広告にユーザーから「いいね!」のアクションが起こると、アクションを起こしたユーザーの友人にも動画の広告が拡散されます。Facebookの広告は拡散性が高く、年齢や性別、居住地などが近いユーザーなどへ効率的に広告の配信をおこなうことが可能です。
広告費の調整が容易
一日当たりの広告予算を設定できることで、比較的低予算から広告が作成でき運営をおこなうことが可能です。また、キャンペーンごとに上限予算を設定することができるため、予算オーバーを事前に防ぐこともできます。
広告の課金方式は、CPC(クリック単価)かCPM(インプレッション単価)の2種類が選択でき、いずれも一日あたり数百円から数千円程度です。CPCとは、クリック課金方式と呼ばれ、動画広告をクリックするごとに課金されます。
サイトへ訪れて商品購入や資料請求など行動を起こしてほしいという目的の場合の課金手段と言えます。CPMとは、表示回数毎に課金される方式で、動画広告1,000回表示あたりの広告コストを言います。
表示回数当たりですので、ユーザの行動などは関係くブランド認知など、多くのユーザーにリーチしたい場合に最適な課金方式だと言えます。
Facebook動画広告のデメリット
Facebook動画広告のデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
10代へのアプローチは困難
「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の12ページによると、10代のFacebook利用傾向は他の年代と異なる特徴があります。
出典:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
10代はLINEやInstagramなど、よりビジュアル重視のプラットフォームを好む傾向があるため、Facebookの利用率が相対的に低くなり、広告のリーチが制限されます。
また10代は短い動画やストーリー形式のコンテンツを好むため、長尺の動画広告は興味を引きにくく、Facebookのインストリーム広告などは、この点で不利です。
そして10代は新しいトレンドや流行に敏感であり、TikTokやYouTubeなど、より新しいプラットフォームを利用することが多いので、Facebook上での広告効果が薄れます。
これらの要因から、Facebook動画広告は10代へのアプローチにおいて効果的でない場合が多いと考えられます。
仕様変更の頻度が多い
Facebookは、ユーザーや広告主により良い体験を提供するため、頻繁にプラットフォームの仕様を更新しています。しかし、これにより一時的に運用が難しくなることがあり、慣れるまでには時間やリソースを要する場合もあります。
こうしたデメリットを軽減するためには、Facebookの公式アナウンスを定期的に確認し、広告運用チーム内での情報共有を行うことが効果的です
制作費用がかかる割に効果が短い
動画広告の制作には、企画構成、撮影、編集など多くの工程が含まれ、それぞれにコストがかかります。たとえば、プロジェクトの企画構成やディレクションには10〜40万円、撮影には10〜30万円、編集には3〜15万円といった費用が必要です。
動画広告は一時的なキャンペーンやプロモーションに使用されることが多く、その効果は短期間で現れることが一般的です。視聴者の興味を引くためには頻繁に新しいコンテンツの投入が必要となり、持続的な効果を得るのは難しい場合があります。
このことから、ターゲット層へのリーチが不十分であったり、クリエイティブが視聴者に響かなかった場合、投資したコストに見合うリターンを得ることが難しくなります。
Facebook動画広告の課金方法
Facebook動画広告の課金方法には、以下の3つの主要な方法があります。
CPM(Cost Per Mille)
CPMは、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。ブランドの認知度を高めることを目的としたキャンペーンに適しており、広告ができるだけ多くの人に表示されることを重視しています。
料金はオークション形式で決定されるため、設定した予算内で最も多くのインプレッション(表示回数)を獲得できるように調整されます。
CPV(Cost Per View)
CPVは、動画広告が視聴された回数に基づいて課金される方式です。
動画が視聴完了されたり、一定時間以上視聴されたりした場合に費用が発生するため、視聴者の関与度を測る指標としても有効です。
CPC(Cost Per Click)
CPCは、広告がクリックされるたびに課金される方式です。Webサイトへのトラフィックや、特定のアクションを促進したい場合に効果的です。
クリック単価は常に変動し、オークション形式で最適な価格が決定されるため、設定した予算内で効率的なクリック数を獲得することが求められます。
Facebook動画広告を配信する手順
Facebook動画広告の種類やメリット・デメリットは理解したが、どのように配信をするのかわからない方もいるでしょう。そこで、実際に配信するための手順を詳しく解説します。
1. Facebookアカウントの開設
- まず、Facebookの個人アカウントを作成します。
- ビジネス用の広告を管理するために、Facebookビジネスマネージャを設定します
2. 広告キャンペーンの設定
- 広告の目的(例:ブランド認知度、リード獲得、コンバージョンなど)を選択します。
- オークション購入やリーチ&フリークエンシー購入など、適切な購入タイプを選びます。
3. 広告セットの設定
- 年齢、性別、地域、興味関心などでターゲットを絞ります。
- Facebook、Instagram、Messengerなど、広告が表示されるプラットフォームを選びます。
4. 広告クリエイティブの作成
- 広告に使用する動画や画像をアップロードします。
- メインテキストや見出し、説明文を追加し、視聴者に訴求します。
- 視聴者に次のアクションを促すボタン(例:詳細を見る、購入するなど)を設定します。
5. 広告配信と最適化
- 日時または予算を設定し、広告配信期間を決めます。
- 配信後は広告パフォーマンスを定期的に確認し、必要に応じて調整します。
まとめ
本記事では、Facebook動画広告の特徴、導入事例、メリットについて解説しました。動画広告はターゲットに効果的にリーチでき、コスト調整も容易です。適切な形式を選ぶことで、広告効果を最大化できます。
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