GoogleAdWordsが公式ブログにて、適切に設定を行うことでユーザーに最も効果的な広告のローテーション設定についてアップデートを行うと発表しました。このアップデートは2017年9月25日にフルローンチされる予定となっています。
従来の広告ローテーション設定
従来の広告ローテーションでは4つ設定の中から選択することが可能でした。
クリック重視で最適化
Adwords側が蓄積する過去のクリック率より多くのクリック率を見込める広告を、同じ広告グループ内の他の広告より優先的に広告表示をさせます。キャンペーンを作成した時に、他のローテーション設定に変更していなければ必ずクリック重視で最適化の設定になります。
コンバージョン重視で最適化
購入やお問い合わせなどのコンバージョンをより多く獲得できそうな広告が最優先に配信されることにより、投資収益率の向上が見込める設定です。コンバージョン重視で最適化する設定では、広告グループ全体でのクリック数はクリック重視で最適化する設定と比べ少なくなる傾向にあります。
コンバージョン重視で最適化の設定はクリック率とコンバージョン率の両方のデータが参照されるので、コンバージョン率の高い広告を媒体側が判断できない場合は、クリック重視で最適化のローテーション設定と同様の動きをシステム判断で行います。
均等にローテーション
広告を均等にオークションに参加させます。クリック率やコンバージョン率の低い広告も頻繁に表示されるので掲載順位の低下やクリック数、コンバージョン数の減少にもつながります。また、90日が経過するとキャンペーンは自動でクリック数やコンバージョン数のデータに基づき最適化されるようになります。
無期限にローテーション
均等にローテーションする設定とほとんど同様の設定ですが、期間に制限がないので、最適化が行われることはありません。また、無期限にローテーションの場合でも、広告の表示回数が均等になるわけではないので、ご注意下さい。
選択できる項目は2択のみ
今回のアップデートでは、広告のローテション設定を「最適化」と「無期限にローテーション」の2種類となり、最適化をするかしないかの2択の選択になります。
現在の設定がクリック重視で最適化とコンバージョン重視で最適化の場合は、「最適化」の設定に。均等にローテーションと無期限にローテーションの場合は、最適化しない「無期限にローテーション」の設定に自動変更されるようです。
最適化
新たに導入される「最適化」の設定では、Googleの機械学習技術によりキーワード、時間帯、掲載デバイス、ロケーションなど、オークション毎の固有のシグナルを最適化し広告を優先的に配信します。
もしコンバージョンを見込めるだけの十分なデータが広告グループ内で特定できない場合やコンバージョントラッキングを行っていない場合はクリック重視で自動判別されますので、アカウント形態によっても自動で調整を行ってくれます。また、コンバージョン数を重視したい場合は、Adwordsの入札戦略ツールの一つである、スマート自動入札が最適です。
スマート自動入札ではコンバージョンを獲得できる可能性に基いて入札単価を自動的に調整し、コンバージョンを獲得するために最も効果的な広告を表示します。
無期限にローテーション
従来の均等にローテーションは廃止になりますが、無期限のローテーション設定はそのまま継続となります。機能も従来と同様に広告の最適化は行われずに、広告グループ内にある各広告に対し均等にオークションの機械が与えられます。もちろん期日に制限はありません。
広告グループレベルでの設定が可能
従来はキャンペーンレベルでのみ広告のローテーション設定が可能でしたが、アップデート後は広告グループ単位での設定が可能になります。つまり、一つのキャンペーン内で複数のローテーション設定を使い分けることができるので、より細かいアカウント運用が可能になります。
広告の設定数
広告のローテーション設定のアップデートにより、ますます自動化の流れが進んでいきます。そこでGoogleの機械学習の精度を少しでも高め、成果を最大限に出すために最適化される広告を最低3つ以上設定しておきましょう。
これはシステムで選択できる広告の数が多ければ多いほど、優れた掲載結果に期待ができるためです。つい最近まで、広告文はABテストを行いパフォーマンスを向上させるというのが正でしたが、これからはABC以上のテストを行っていくことが正になることでしょう。
まとめ
今回のアップデートにより広告のローテーション設定は最適化をするのかしないのかの2択になり、リスティング広告の自動化はますます進んでいきます。作成する広告文の良し悪しを広告主ではなく、広告を受け取るユーザーに決定してもらうというGoogleの意思が反映されているのではと考えます。
このアップデートにより、どんなコンテキストがユーザーに刺さるのかをこれまで以上に深く考えていき、改善提案の一つの材料として、今後の広告運用に活かして行く必要があります。