あまり気にされていない広告運用担当者の方もいっらっしゃるのが現状ですが、インプレッションシェア損失率はリスティング広告の効果改善を目指すために非常に有効な指標です。今回は、広告の表示を確認するのに重要なインプレッションシェア損失率についてご紹介します。
インプレッションシェア損失率とは
始めにインプレッションシェアとは、実際に広告が表示された割合を知るための指標です。設定されたキーワードや予算、単価などで広告が表示されたと予測された回数に対し、実際に広告が標示された回数が何%あったかを確認することができます。
インプレッションシェア損失率とは、インプレッションシェアの損失率ですので、何%広告表示回数が機会損失されたかという指標になります。
予算と広告ランクの考え方
Google検索のキャンペーン単位で見れるインプレッションシェア損失率には2種類あり、予算によるインプレッションシェア損失と広告ランクによるインプレッションシェア損失率が有ります。yahoo!プロモーションの場合、掲載順位によるインプレッションシェア損失率が指標として確認できます。
GoogleAdwordsの例として、表示されなかった回数が40%とすると40%の中には広告ランクと予算による損失率が含まれていることになります。
つまり、広告ランクによりインプレッションシェア損失率○○%+予算によるインプレッションシェア損失率〇〇%=40%という結果になります。
この40%の表示機会損失率の比重は「キャンペーン」→「表示項目」→「競合指標」で
- 検索広告のインプレッションシェア損失率(広告ランク)
- 検索広告のインプレッションシェア損失率(予算)
で確認することが可能です。
次にインプレッションシェア損失の対処法についてご紹介します。
予算によるインプレッションシェア損失
設定した一日のキャンペーン予算が不足して起こる損失率です。
対処法としては、キャンペーンの日予算の増額すれば回避できる問題ではありますが、予算を増やすことが出来ない事情がある場合もありますし、なによりまずは、無駄に予算を消化してしまっていないかを確認することが大切で、その他の方法を最初に考えなくてはいけません。
その他の対処法としては、
- 配信地域の見直し
- 配信する時間帯の見直し
- デバイスの見直し
- 入札単価を下げる
- キーワードの停止、見直し
などが有ります。
地域、時間帯、デバイスを絞り込む
地域、時間帯、デバイスべつのデータは運用する上でよく見る箇所だと思います。効率の悪い地域や時間帯、デバイスへの配信を削る事でインプレッションシェア損失率を抑制する事もできますし、無駄な予算の消化をなくすことにも繋がります。
入札単価を低くする
キャンペーン予算に合わせて入札単価を低く設定することによりインプレッション損失率を改善することが可能です。しかし、入札単価は広告ランクにも関わっているため、広告ランクによるインプレッション損失率が増加する可能性があるため、指標を見ながら適正な入札単価を探っていかなければいけません。既に適正な入札単価な場合は損失率を悪化させる可能性もあるため、単に単価を下げてしまえばよいという話ではありません。
キーワードの停止、見直し
予算が限られている場合、キーワードを縮小する必要があります。部分一致を多く入稿している場合は、よりターゲットに近しい語句を絞り込み部分一致やフレーズ一致などにマッチタイプを変更することで表示回数を少なくし、予算の無駄な消化を防ぎ、インプレッションシェア損失率も減少させることも可能になります。また、CV獲得に至っていないキーワードや、検索母数の少ないキーワード、CPCが高く予算を圧迫してしまうキーワードを停止することで改善できる可能性もあります。実際に損失率を確認し、アカウントの中でCPAやクリック率等優先するべき項目と見比べ、効果の悪いキーワードを停止することもひとつの手だと思います。
その他にも検索パートナーに配信しない(デフォルトのままだと配信される設定になっています)RLSAを利用して特定のユーザーの単価のみを抑制、除外することもインプレッションシェア損失率を減少させるためにできるひとつの手法になります。
広告ランクによるインプレッションシェア損失
その名の通り、広告ランクがインプレッションシェア損失に影響します。広告ランクは、品質スコア(推定クリック率、ランディングページの利便性、広告の関連性)×入札単価で算出されるため、品質スコアと入札単価のを行うことで損失率を減らすことができます。また、広告表示オプションを追加することでも損失率を減らすことが可能です。
広告文やサイトの修正を行う
サイトや、入稿したキーワードとマッチする広告文を作成し品質を上げることで広告ランクが改善されます。常にABテストを行ってよりクリック率や掲載率の高い広告文を目指すことで広告ランクが改善されインプレッションシェア損失率も改善されます。また、ランディングページの修正を行うことで広告の関連性を上げることも大切です。
ターゲティングや広告文がよくできていてもサイトが原因で結果がでないということも多々あるので解析ツール等を使用し改善点を見つけ修正を行っていくことがより良い結果に繋がると思います。
まとめ
運用型広告では、インプレッションシェアを有効的に活用することで、取りこぼしているかもしれないCVの損失をなくせる可能性があります。
今回ご紹介したインプレッション損失率は広告グループ、キーワード単位でも少し違った指標で見ることができるので確認してみてください。