Web広告をはじめとしたWebプロモーションは、企業にとって業績拡大への大きなチャンスです。しかし、目覚ましい成果を上げる企業もいれば、期待通りの成果を得られずに苦戦している企業も少なくありません。
そこで本記事では、Webプロモーションの手法や成功事例を紹介するとともに、成功させるためのポイントも解説します。
Webプロモーションとは
Webプロモーションとは、インターネットを通じて自社の商品やサービスの販売促進を行うことです。近年、インターネットの普及により、多くの人が商品やサービスをインターネットで購入するようになっています。そのため、Webプロモーションは、企業にとって重要なマーケティング施策の一つとなっています。
Webプロモーションの手法5つと主な成功事例
Web広告
Web広告とは、WebサイトやSNSなどのインターネット上に配信される広告のことを指します。
画像、動画、テキスト、メールといった形式が含まれ、インターネット広告やオンライン広告などとも呼ばれています。
代表的なWeb広告として、ディスプレイ広告やリスティング広告、SNS広告などがあります。
Web広告について詳しく知りたい方は、
「Web広告とは？種類と選び方、効果的な運用方法を解説！」をご覧ください。
Web広告の成功事例
Web広告の手法を用いてWebプロモーションを行い、成功した企業のひとつに、株式会社メルカリが挙げられます。
メルカリは、フリマアプリ「メルカリ」を運営する企業です。同社は、アプリダウンロード数の増加を目的として、リスティング広告と動画広告を組み合わせた運用を行いました。
リスティング広告では、アプリの利用シーンを訴求する広告クリエイティブを作成し、潜在顧客の興味を引くようにしました。また、動画広告では、アプリの操作方法や実際の利用者インタビューなどを紹介することで、アプリの魅力をより具体的に伝えるようにしました。
さらに、広告配信タイミングを最適化することで、ユーザーの行動に合わせて広告を配信しました。
その結果、アプリダウンロード数が3倍に増加し、新規ユーザーのエンゲージメント率が20％向上するなど、大きな成果を上げることができました。
SEO
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。簡単に言うと、検索エンジン（特にGoogle）で特定のキーワードで検索されたときに、自分のサイトを上位に表示させるためのテクニックのことです。
SEOについて詳しく知りたい方は、「SEOの評価基準とは？上位表示を狙うためのポイントを解説」をご覧ください。
SEOの成功事例
SEOの手法を用いてWebプロモーションを行い、成功した企業のひとつに、株式会社ユニクロが挙げられます。
ユニクロは、衣料品販売を展開する大手企業です。ユニクロは、SEO対策によってECサイトの売上を数百億円にまで成長させ、海外市場でも成功しています。
ユニクロが具体的に行った施策としては、ロングテールキーワード対策です。ロングテールキーワードとは、「ランニング シューズ 初心者 女性」のように2つ以上の単語で構成される、比較的検索ボリュームの少ないキーワードのことです。
ユニクロは、ユーザーが実際に検索しているロングテールキーワードを商品ページやカテゴリページに盛り込むことで、様々なニーズを持つユーザーに自社のブランドを認知してもらうことに成功し、売上げアップに繋げています。
SNS運用
SNS運用とは、企業や個人事業主がソーシャルメディア（SNS）を活用して、自社の商品やサービスなどを発信し、顧客とのコミュニケーションを図り、認知度の向上や売上増加を目指す取り組みです。
SNS運用について詳しく知りたい方は、「【SNS集客で成功したい方】超入門ファンを増やすコツ」をご覧ください。
SNS運用の成功事例
SNS運用の手法を用いてWebプロモーションを行い、成功した企業のひとつに、株式会社スターバックス コーヒー ジャパンが挙げられます。
スターバックスは、Instagramを活用して、店舗での顧客体験を重視したWebプロモーションを展開しています。
フォトジェニックな店内や商品の写真を投稿し、ユーザーに「おしゃれな空間で過ごしている」というイメージを訴求しました。さらに、季節限定メニューや新商品をいち早く紹介し、ユーザーの購買意欲を高めました。
これらの施策により、スターバックスはInstagramで多くのフォロワーを獲得し、ブランドイメージの向上と顧客とのエンゲージメント強化に成功しています。
MEO
MEOは「Map Engine Optimization」の略称で、地図エンジン最適化を意味します。これは、主にGoogleマップなどの地図アプリにおいて、自社の店舗やサービスを検索結果の上位に表示させるための施策のことを指します。
MEOについて詳しく知りたい方は、「MEOとは？始め方や集客につながるMEO対策の方法をチェック！」をご覧ください。
MEOの成功事例
MEOの手法を用いてWebプロモーションを行い、成功した企業のひとつに、株式会社一蘭が挙げられます。
一蘭は、1960年に福岡で創業した、天然とんこつラーメン専門店です。一蘭は、Googleマイビジネス（Googleが無料で提供する、店舗や企業情報を検索エンジンやGoogleマップに表示するためのサービス）を活用して、各店舗の行列状況やクーポン情報をリアルタイムで配信することで、顧客満足度を高め、来店促進に成功しました。
YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネルとは、動画配信プラットフォーム「YouTube」上で、個人や企業、団体などが動画を投稿して公開できるページのことです。
関連記事：YouTube広告の単価を解説！費用対効果を得る運用のコツは？
YouTubeチャンネルの成功事例
YouTubeチャンネルの手法を用いてWebプロモーションを行い、成功した企業のひとつに、日清食品株式会社が挙げられます。
日清食品は、チキンラーメンの「ひよこちゃん劇場」シリーズは、コミカルなアニメーションと親しみやすいキャラクターで人気を集め、再生回数が1億回を超える動画も多数生み出しています。また、オリジナルレシピ動画や有名タレントとのコラボ動画なども積極的に公開し、幅広い層の視聴者に訴求しています。
Bigmacが手がけたWebプロモーションの成功事例をご紹介
ここからは、Bigmacが手がけたWebプロモーションの成功事例をご紹介いたします。
株式会社能作 様
株式会社能作は、富山県高岡市で創業100年を超える鋳物メーカーです。高岡銅器の伝統技術を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに合ったデザイン性の高い鋳物製品を製造・販売しています。
Bigmacでは、能作様のWebプロモーションをサポートさせていただき、高評価をいただいています。詳しくは、こちらをご覧ください。
モール系ECサイト・通販サイト
モール系ECサイトや通販サイトのWebプロモーションの成功事例です。
モール系ECサイト①
商材 雑貨
平均客単価 約10,000円
成果
- 平均CPA（顧客獲得単価）800円、ROAS（広告投資収益率）1500%を達成
- 既存顧客のリピート購入だけでなく、新規顧客への検索広告や既存顧客のデータを活かしたターゲッティングを活用し、SNS広告にて新規ユーザーの獲得に成功
モール系ECサイト②
商材 雑貨・食器・インテリア
平均客単価 約12,000円
成果
- 広告運用初月でCPA700円を達成。その後も平均CPA1,000円を継続しながら新規顧客の獲得拡大に成功
- それまで取り組んでいなかった自社商品の良さ、見た目の美しさやインパクトを活かした広告用の画像・動画を制作し、デジタル広告として展開。SNS広告などで注目を集め、初月からCPA700円を記録
単品通販サイト
商材 美容系、定期購入商品
平均客単価 約4,000円
成果
- 運用開始から3ヶ月で目標CPAに対して200%達成
- 徹底して広告およびターゲッティングのAB比較テストを実施。結果の悪い運用方法を停止し、良い広告を残していくことでパフォーマンスの高い広告運用を実現
ウェディング業界
ウェディング関連企業のWebプロモーションの成功事例です。
実施施策
- クリック単価制の導入
- クリック単価が高騰するのを未然に防ぐ
- ABテストを繰り返し実行
- LPとの整合性を確認（獲得率改善）
- クリエイティブの有効性（獲得率改善）
- 配信面の違い（獲得率改善）
上記の施策によって、獲得単価が21,390円から11,510円に減少しました。
施策前後の各指標値の差異
| 表示回数 | クリック数 | クリック率 | クリック単価 | コスト | 獲得数 | 獲得率 | 獲得単価 | |
| 施策前 | 356,254 | 3,365 | 0.94 | 95円 | 320,844円 | 15 | 0.45% | 21,390円 |
| 施策後 | 405,879 | 3,318 | 0.82 | 101円 | 333,872円 | 29 | 0.87% | 11,510円 |
| 差異 | 114% | 99% | 87% | 106% | 104% | 193% | 196% | 54% |
美容業界
美容関連企業のWebプロモーションの成功事例です。
実施施策
- 年間スケジュールの策定
- 繁忙期と連動した交通広告の実施、CMと連動した広告配信
- クリエイティブ検証
- 静止画と動画のクリエイティブ配信
- クリエイティブのABテスト実施
- セグメント精査
上記の施策によって、獲得率が1.72%から5.57%に向上し、さらに、獲得単価が20,835円から8,460円に減少しました。
自動車業界
自動車販売会社のWebプロモーションの成功事例です。
実施施策
- クリエイティブ検証
- 人気車種の画像追加
- 画像とテキストの組み合わせ方
上記の施策によって、獲得率が3.39%から6.16%に向上し、さらに、獲得単価が65円から36円に減少しました。
Webプロモーションのメリット
少額から始められる
従来のテレビCMや新聞広告とは異なり、Webプロモーションは広告掲載の場所や期間を自由に選択できるため、初期費用を抑えることができます。
テレビCMは、15秒のCMを1回放映するだけでも数十万円かかります。また、新聞広告も全国紙になると数十万円が相場です。そしてWeb広告は、安価なものなら数十円で出稿することができるという、コストの低さが際立っています。
狙いのターゲットに広告を配信できる
従来のテレビCMなどのマスメディア広告では、年齢層や性別、地域などといったごく大まかなターゲティングしかできませんでしたが、Webプロモーションでは、以下のような様々な属性や興味関心に基づいて、より精度の高いターゲティングを行うことができます。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 興味関心
- 閲覧履歴
- 購入履歴
- デバイス
- 行動履歴
例えば、以下のようなターゲティングが可能です。
- 20〜30代の女性で、ファッションに興味がある人に、アパレルブランドの広告を配信する
- 過去に自社のECサイトで購入履歴がある人に、クーポンを配信する
- スマホユーザーに、アプリのダウンロード広告を配信する
このように、Webプロモーションでは、より精度の高いターゲティングを行うことで、広告を無駄なく配信することができます。その結果、広告費の節約やコンバージョン率の向上など、様々なメリットを得ることができます。
豊富な広告掲載媒体がある
近年、インターネットの普及により、様々なWeb媒体が登場しています。その結果、Webプロモーションにおいても、広告掲載媒体の選択肢が非常に豊富になりました。
代表的な広告掲載媒体としては、以下のようなものがあります。
代表的なWeb広告媒体
| 検索エンジン | GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索キーワードを入力した際に、検索結果の上位や横に表示されるリスティング広告 |
| Webサイト | 様々なジャンルのWebサイトのページ上に、バナー広告やテキスト広告などを掲載 |
| SNS | X、Instagram、Facebookなどのソーシャルメディアに広告を掲載 |
| 動画配信サイト | YouTubeなどの動画配信サイトに動画広告を掲載 |
| メール | 顧客や見込み顧客に対して、メールで広告を配信 |
上記以外にも、様々な広告掲載媒体があります。
このように、Webプロモーションでは、自社の商品やサービスに合った最適な広告掲載媒体を選択することができます。また、複数の広告掲載媒体を組み合わせることで、より効果的なプロモーションを行うことも可能です。
広告効果を分析し、改善できる
従来のテレビCMなどのマスメディア広告では、広告効果を測定することが非常に困難でした。しかし、Webプロモーションでは、様々なツールを活用することで、広告効果を詳細に分析することができます。
Webプロモーションを成功させるポイント
Webプロモーションを成功させるためには、以下の4つのポイントを押さえましょう。
- ターゲット層を明確にする
- ターゲットがよく利用している媒体を選ぶ
- 効果測定を行い、改善する
- 専門家に相談する
ターゲット層を明確にする
Webプロモーションにおいて、「ターゲット層を明確にする」というのは、自社の商品やサービスを購入する可能性が高い顧客層を具体的に定義することです。年齢、性別、居住地域、職業、趣味、ライフスタイルなど、様々な属性を組み合わせることで、より詳細なターゲット像を描き出すことができます。
ターゲット層を明確にする方法はいくつかありますが、代表的な方法は以下の通りです。
ターゲット層を明確にする方法
| ペルソナ設定 | ターゲット層の架空の人物像を作成し、その人物像の属性や興味関心、行動パターンなどを具体的に設定する。 |
| 顧客分析 | 過去の顧客データやアンケート調査などを分析し、ターゲット層の属性や興味関心などを把握する。 |
| 競合分析 | 競合企業がどのようなターゲット層にアプローチしているのかを分析し、自社のターゲット層を絞り込む。 |
注意点としては、ターゲット層を絞り込みすぎないことです。ターゲット層を絞り込みすぎると、潜在顧客を見逃してしまう可能性があります。ある程度の幅を持たせてターゲット層を設定することが重要です。
ターゲット層を明確にすることで、以下のようなメリットがあります。
- 効果的な広告配信
ターゲット層の属性や興味関心に基づいて広告を配信することで、広告の無駄を省き、より多くの潜在顧客にリーチすることが可能
- コンバージョン率の向上
ターゲット層のニーズに合致した広告を配信することで、コンバージョン率の向上が期待できる
- 顧客満足度の向上
ターゲット層に合わせた商品やサービスを提供することで、顧客満足度の向上が期待できる
- 費用対効果の向上
広告費を無駄なく使うことで、費用対効果の向上が見込める
ターゲットがよく利用している媒体を選ぶ
ターゲット層が利用している媒体で広告を配信することで、より多くの人に広告を届けることができます。
ターゲット層がよく利用している媒体を選ぶ際には、以下の点に注意する必要があります。
媒体を選ぶ際の注意点
| 媒体の属性 | 媒体の属性（年齢層、性別、地域など）とターゲット層の属性が一致しているかどうかを確認する。 |
| 媒体の興味関心 | 媒体の興味関心（ニュース、エンターテイメント、ショッピングなど）とターゲット層の興味関心が一致しているかどうかを確認する。 |
| 媒体の利用状況 | 媒体の利用状況（利用頻度、利用時間帯など）とターゲット層の利用状況が一致しているかどうかを確認する。 |
ターゲット層が利用している媒体で広告を配信することで、広告のリーチ率が向上し、広告のクリック率やコンバージョン率を向上させることができます。
効果測定を行い、改善する
効果測定を行うことで、どの施策が効果的で、どの施策が効果的でないのかを把握することができます。効果的な施策を重点的に行い、効果的でない施策を改善することで、Webプロモーション全体の成果を向上させることができます。
関連記事：マーケティングアナリティクス（分析）とは？手法や活用事例を紹介
専門家に相談する
Webプロモーションは、様々な専門知識や経験が必要とされる奥深い分野です。専門家に相談することで、以下のようなメリットがあります。
- 課題の明確化
自社でWebプロモーションを実施する場合、課題を明確化するのが難しい場合も。専門家は、豊富な知識と経験に基づいて、Webプロモーションにおける課題を的確に洗い出すことができます。
- 効果的な施策の提案
課題が明確になったら、次にどのような施策を実行すべきかを検討する必要があります。専門家は、自社の状況やターゲット層に合った効果的な施策を提案することができます。
- 実行支援
提案された施策を実行する際には、専門家がサポートしてくれる場合があります。専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ効果的にWebプロモーションを実施することができます。
- 最新情報の提供
Webプロモーションに関する情報は日々更新されています。専門家は、常に最新の情報を収集しており、自社に役立つ情報を提供することができます。
- 費用対効果の向上
専門家に相談することで、Webプロモーションにかかる費用を無駄なく使うことができます。専門家は、限られた予算の中で最大限の効果を出すための施策を提案することができます。
Webプロモーションを成功させるためには、専門家に相談することを強くおすすめします。専門家のサポートを受けることで、Webプロモーションの成果をより高めることができます。
まとめ
本記事では、Webプロモーションの成功事例をいくつか紹介しました。自社のWebプロモーションを成功させるために、以下のポイントを踏まえ、成功事例を研究していきましょう。
- ターゲット層を明確にする
- ターゲットがよく利用している媒体を選ぶ
- 効果測定を行い、改善する
自社でWebプロモーションを施策していくのが難しいときは、Bigmacまでご相談ください。
