海外進出を狙う企業が、その国で集客をするうえでSEO対策は欠かせません。しかし、海外では、日本のSEOとは異なる独自のSEO対策が求められます。
そこで本記事では、海外のSEO対策や注意点、アクセス数を増やすポイントなどを解説します。
海外SEO対策で日本と違う点3つ
海外のSEO対策をするうえで日本国内でのSEO対策と異なる点は次の3つです。
- 国によって主流になっている検索エンジンが異なる
- 言語・文化によってキーワードが異なる
- コンテンツのトレンドの違い
国によって主流になっている検索エンジンが異なる
まず、国によって主流になっている検索エンジンが異なるという点に注意が必要です。世界全体でみると、やはりGoogleが主流ではありますが、国によってはGoogleの利用を規制しているところもあります。
たとえば、中国では政府によってインターネット検閲システムがあることから、通常のインターネット環境ではGoogleサービスに接続できません。そのため、中国でSEO対策をするなら、Googleではなく主流となっている中国発のサービス「百度(Baidu)」をはじめ、ロシアのサービス「Yandex」やBingとなります。
また、ロシアではGoogleが使用されているものの、最も利用されているのは「Yandex」となっているため、YandexでSEO対策する必要があります。
言語・文化によってキーワードが異なる
言語・文化によってキーワードが異なる点にも注意が必要です。日本や韓国では、「東京 グルメ」のような単一の言語の組み合わせで検索することが多いですが、欧米では「What to eat in Tokyo」などのようにフレーズで検索することが多くなっています。
こうした検索習慣の違いを把握したうえで、効果的なキーワード選定をすることが非常に重要です。
コンテンツのトレンドの違い
どんなコンテンツにニーズがあるのか、どんなテーマがトレンドになっているのかは、国によって異なります。日本語コンテンツを単純に翻訳するのではなく、現地ユーザーのニーズや文化に合わせたコンテンツを制作しましょう。
コンテンツのトレンドについては、現地の人材やパートナー企業と連携し、ニーズに合致したコンテンツを企画・制作することが重要です。
海外SEO対策でやること5つ
海外SEO対策でやることは次の5つです。
- 言語ごとに独自のURLを作成する
- 機械翻訳を利用せず、ネイティブに文章作成してもらう
- 対象国で利用されているサーバーを使う
- HTMLでlang属性をターゲット国に設定する
関連記事:海外集客するには?マーケティング手法や戦略の立て方
言語ごとに独自のURLを作成する
言語ごとに独自のURLを作成します。海外の検索エンジンで自社サイトを認識してもらい、ユーザーにも自社のサイトがどういうものなのかを知ってもらうためには、その国の言語で作った同一の内容のページを言語ごとに作成する必要があります。
対象国で利用されているサーバーを使う
海外でSEO対策を行うときには、現地のサーバーを使うことで検索エンジンからの評価が向上すると言われています。多数のエリアで利用されているサーバーが良いとされているため、AWSなど多くの国で利用されているサーバーを活用しましょう。
HTMLでlang属性をターゲット国に設定する
言語ごとに異なるサイトがあることを検索エンジンに知らせることができます。hreflang属性とlang属性を適切に使用することで、重複コンテンツの認識を防ぎ、検索結果での表示順位向上に繋がります。
海外SEOで注意すべきこと
海外SEO対策で注意すべきことは次の3点です。
- 日本のSEOよりもコストがかかる
- 海外SEOに強いコンサルタントにサポートを依頼する
- 長期的に取り組む必要がある
日本のSEOよりもコストがかかる
海外のSEO対策に取り組む場合、現地の言語や文化に詳しい人にコンテンツ制作を依頼することになります。翻訳が必要となると、日本でコンテンツ制作を依頼するよりも割高になる可能性が高いです。
しかし、コンテンツ制作するにはただ日本語を翻訳するのではなく、現地のネイティブ人材に依頼する方がより質の高いコンテンツが期待できます。
海外SEOに強いコンサルタントにサポートを依頼する
海外SEO対策は、現地の言語や文化、トレンドに深く、現地の企業とのパイプや専門的な知見があるコンサルタントにサポートを依頼するのが効果的です。
海外では、言語や文化、検索習慣の違いのほか、法律や規制が日本と大きく異なっています。海外SEOの効果的な施策には、こうした現地の内情に詳しい専門家のサポートが重要です。
長期的に取り組む必要がある
海外SEO対策は、すぐに結果が出るわけではなく、さらに時間を掛けてもその分の成果が出るとは限りません。
海外市場は日本よりもさらに競合が激しく、言語や文化の違い、ターゲット国の主流となる検索エンジンのアルゴリズムに精通する必要があります。こうした複数の要素を考慮した対策が求められるため、長期的な視点で取り組むこと、継続的な改善が求められます。
関連記事:海外集客するには?マーケティング手法や戦略の立て方
国・地域別SEO対策
次の5つの国・地域のSEO対策を解説します。
- 韓国でのSEO対策
- 中国でのSEO対策
- 東南アジアでのSEO対策
- アメリカでのSEO対策
- ロシアでのSEO対策
各国で主流の検索エンジンを知ったうえで活用しつつ、SNSとの組み合わせも有効です。ターゲット国で効果的なSNSを使って、アクセス数を増やしましょう。
各国の検索エンジンについては、こちらの「海外向けリスティング広告の特徴と成功の秘訣を徹底解説!!」でも紹介しているので、参考にしてください。
【韓国】SEO対策
韓国では、主流の検索エンジンがNAVER(ネイバー)となっており、NAVERに合わせた対策が必要です。NAVERは韓国発のサービスで、独自のインターフェースを持ち、ニュースや天気、株価などのカテゴリ別に表示される仕組みです。
NAVERでは個人ブログが優先される傾向があり、たとえば「東京グルメ」と検索すると、個人のブログの情報が上位に表示されるため、韓国人は企業の情報よりも個人が実際に食べた情報をもとにお店を探す傾向があります。
検索キーワードについては、日本語と同じように単一の言葉を組み合わせる傾向は日本と同じです。現地のトレンドや検索ボリュームに合わせてキーワード選定をしましょう。
【中国】SEO対策
中国では、百度(Baidu)が最もユーザー数が多く、次いでYandex、Bingとなっています。そのため、中国でSEO対策する場合は百度のアルゴリズムを抑えることが重要です。
また、中国では日本と検索キーワードも異なるため、現地のトレンドを抑えておくことも必要になってきます。中国ではモバイル端末利用者が急増しており、モバイル最適化も重要なポイントの一つです。
中国のSNSでは、WeChat(ウイ―チャット)やWeibo(ウェイボー)といったプラットフォームが人気で、これらと組み合わせて活用するといいでしょう。このほか、中国では文化や法律面においても規制されていることやトレンドを抑えておきましょう。
【東南アジア】SEO対策
東南アジアでも、日本同様、Googleが圧倒的なシェアを誇る検索エンジンです。そのため、SEO対策の基本的な手法は日本と共通しています。検索結果に上位表示されるためには、適切なキーワード選定が不可欠です。
また、東南アジアでは、多くのユーザーがスマートフォンやタブレット端末でインターネットを利用しています。そのため、ウェブサイトはモバイル端末で閲覧しやすいように最適化しましょう。
東南アジアでは、SNSが広く利用されています。特に、タイではFacebookが非常に人気です。商材やターゲット層に合ったSNSを活用することで、より多くのユーザーにアプローチすることができます。
各国の主要SNSとシェアされやすいメディアは次の通りです。
国 | 主要SNS | シェア | シェアされやすいメディア |
タイ | 98% | 動画 | |
マレーシア | 82% | 画像 | |
ベトナム | 72% | ブログ記事 | |
インドネシア | 81% | インフォグラフィック | |
シンガポール | 79% | ライブ配信 |
【アメリカ】SEO対策
アメリカでも、検索エンジンとしてGoogleが最も多く利用されているため、Googleのアルゴリズムの理解が必要となります。また、アメリカでビジネスを行う場合、Googleビジネスプロフィールを作成し、地域検索においてローカルSEOを最適化しましょう。
検索キーワードについては、英語をはじめ、欧米圏の言語では日本や韓国と違って複数の単語を組み合わせたフレーズで検索する傾向があります。たとえば、日本では「東京 グルメ おすすめ」と検索するところを「What to eat in Tokyo」などと検索します。
こうしたユーザーの自然な検索行動を理解したキーワードの選定と、競合がひしめくアメリカ市場で生き残るための、競合分析と改善が不可欠です。最新のトレンドやテクノロジーを取り入れながら、継続的な改善と最適化が求められます。
【ロシア】SEO対策
ロシアは、インターネット利用者数が1億人を超える巨大な市場であり、多くの企業にとって魅力的なターゲットとなっています。しかし、ロシアでのSEO対策は、日本とは異なる点が多く、独自の戦略が必要です。
ロシアでは、Googleが世界シェアと同様に圧倒的なシェアを誇っていますが、Yandexも依然として高い人気を維持しています。Yandexはロシア語に特化したアルゴリズムを採用しているため、ロシア語でのSEO対策を行う場合は、Yandexのアルゴリズムを理解することが重要です。
ロシア語は日本語と異なる言語構造を持ち、検索習慣も異なります。そのため、キーワード選定や配置においては、現地のトレンドに合わせた対策が必要です。具体的には、以下の点に注意する必要があります。
また、ロシアで圧倒的なシェアを持つSNS「VK」の活用も重要です。FacebookやTwitterとは異なるプラットフォームであるため、VK内でのマーケティング戦略も重要です。VK内では、ユーザー同士の交流が活発であり、以下のような施策が効果的です。
海外SEOでアクセス数を増やすポイント
海外SEO対策において、アクセス数を増やすポイントは次の3つです。
- ニュースサイトなどから被リンクを獲得する
- ネイティブ人材に記事制作を依頼する
- 現地のトレンドに合った記事制作する
ニュースサイトなどから被リンクを獲得する
SEO対策をするうえで重要なことが被リンク獲得です。現地のニュースサイトなどから被リンクをもらうと良いでしょう。ニュースサイトは信用性や影響力があり、拡散にも期待できます。
特に、現地のプレスリリースサイトから被リンクをもらうのは、費用対効果が非常に高いSEO戦略と言えるでしょう。費用を抑えながら、二次拡散や現地企業からの被リンク獲得まで期待できます。
ネイティブ人材に記事制作を依頼する
可能であれば、現地の人材にキーワードの選定や記事作成を依頼するといいでしょう。現地の人の方がトレンドに詳しく、検索習慣についても理解が深いです。
現地の言語の独特な表現方法やニュアンス、キーワードの選定がしやすいとともに、信頼性の高いコンテンツが期待できます。検索エンジンへの理解だけでなく、現地で人気のSNSでのシェアも効果的で、被リンク獲得にも貢献してくれるでしょう。
逆に現地の人材に依頼する際は、SEOや現地の検索エンジンへのアルゴリズムに精通するとともに、現地のプレスリリースや企業とのつながり、SNSの活用ができる人材を選ぶと良いです。
現地のトレンドに合った記事制作する
検索エンジンで上位表示を獲得するためには、「現地のトレンドや話題」を取り入れることが非常に重要です。ユーザーは常に最新の情報やトレンドを求めており、それに基づいたコンテンツを求めています。
現地のニュースをチェックするとともに、イベント情報をはじめとするリアルなつながりも重要です。そのためにSNSでトレンドを把握しつつ、効果的に活用しましょう。
海外集客・マーケティングはBigmac(ビッグマック)にご相談ください
本記事では、海外SEO対策の注意点と国別のSEO対策、アクセス数を増やすポイントなどを解説してきました。
海外SEOは現地の言語や文化、主流の検索エンジンを踏まえることが重要です。また、海外に販路を開拓するにあたって、競合の分析や現地のトレンド・内情に合った施策が求められます。
Bigmacでは、海外集客を支援しています。Web広告・マーケティング支援を中心に、海外配信やサイト制作も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。