毎日、施術に接客、そして集客や事務作業…1人で全てをこなす1人美容室のオーナーさん。
『せっかくの施術時間なのに、電話対応で中断してしまう』『閉店後のレジ締めや売上計算に時間がかかってしまう』『お客様の情報を紙のカルテで管理するのが大変』
もし、あなたがこのような悩みを抱えているなら、その解決策の一つがPOSレジです。
POSレジは単なる会計ツールではありません。あなたの代わりに予約管理や顧客管理を行い、日々の業務を劇的に効率化してくれる、まさに『もう一人の自分』のような存在です。
この記事では、1人美容室オーナーのために、POSレジの選び方から、おすすめの機能、そしてPOSレジを賢く導入するための補助金制度まで徹底解説します。
美容室向けPOSレジのタイプと価格相場

美容室向けのPOSレジには、主に以下のタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、ご自身のサロンに最適なものを選びましょう。
POSレジの種類 | メリット | デメリット | 初期費用 | 月額費用 |
タブレット型(iPad / Androidタブレット) | 低コスト省スペース操作性がよい | 配線が煩雑になる場合がある | 約10万円~25万円 (内訳) タブレット端末(iPadなど) 約5万円〜10万円 タブレットスタンド 約5千円〜2万円 レシートプリンター 約2万円〜5万円 キャッシュドロア 約1万円〜3万円 バーコードリーダー(必要時) 約5千円〜2万円 周辺アクセサリ(ケーブルなど) 約数千円〜1万円 | 0〜1.5万円 (内訳) POSソフト利用料(月額) 約0円〜1万円(プランによる) クラウド利用料・バックアップ 月額に含まれる or 数千円 サポート・保守サービス 無料〜5,000円程度(任意) |
パソコン型 | カスタマイズ性が高い大量のデータ処理や複雑な分析に対応しやすい | ソフトウェアの導入や設定に専門知識が必要な場合がある | 約10万円〜40万円 (内訳) OSソフト導入費 約5万円〜20万円 パソコン本体 約5万円〜15万円 レシートプリンター 約2万円〜5万円 キャッシュドロア 約1万円〜3万円 バーコードリーダー 約5千円〜2万円 | 3,000円〜1.5万円 (内訳) POSソフト利用料(月額) 約3,000円〜1万円 クラウド利用料(ある場合) 約1,000円〜5,000円程度 サポート・保守サービス 約0円〜5,000円(任意) |
ターミナル型 | オールインワン高性能操作の安定性が高い | 導入コストが高い | 約40万円~120万円 (内訳) 専用POS端末(レジ本体) 約30万円〜100万円 レシートプリンター(一体型含む) 約5万円 キャッシュドロア 約1万円〜3万円 周辺機器(スキャナーなど) 約1万円〜5万円 導入設定・研修費 約5万円〜10万円 | 約1万円〜3万円 (内訳) POSソフトライセンス(月額) 約5,000円〜2万円 保守・サポート契約(月額) 約5,000円〜1万円 クラウド接続・データ通信(必要時) 約1,000円〜5,000円 |
ターミナル型は高性能で操作の安定性が高いというメリットがありますが、導入コストが高額です。
パソコン型は、カスタマイズ性が高いというメリットがありますが、導入に専門的な知識が必要な場合があります。
一方、タブレット型は、低コストで省スペースというメリットがあるので、1人美容室にはタブレット型がおすすめです。
1人美容室がPOSレジを導入するメリット

POSレジは単なる会計ツールではありません。むしろ、あなたのサロンを次のステージへと押し上げる、強力なビジネスパートナーになってくれます。
ここでは、POSレジ導入によって1人美容室が得られる、4つの大きなメリットを具体的に見ていきましょう。これらのメリットを知れば、きっとあなたのサロンの未来が変わるはずです。
レジ業務の効率化・時間短縮
1人美容室のオーナーさんは、施術、接客、予約管理、清掃など、文字通り「一人何役」もこなしています。そんな中で、レジ業務にかかる時間や手間は、想像以上に大きな負担となり得ます。POSレジを導入することで、この負担が劇的に軽減され、以下のような具体的な効果が期待できます。
◆ 会計時間が短縮できる
- 手計算での金額入力や、電卓を叩いてお釣りを計算する手間がなくなります。POSレジは商品のバーコードをスキャンしたり、メニューをタップするだけで瞬時に合計金額を算出したり、さらにお釣りの金額も表示してくれます。
- お客様をお待たせする時間が減るため、スムーズな会計は顧客満足度の向上にも直結します。
◆ レジ締め作業がスムーズになる
- 一日の売上集計、現金在高の確認、日報作成といったレジ締め作業が自動化されます。手計算によるミスがなくなり、閉店後の作業時間を大幅に短縮できます。
- 売上データが自動で集計されるため、紙の日報に転記したり、Excelに入力したりする手間も不要になります。
◆ ミスが減らせる
- 金額の入力ミス、お釣りの渡し間違いなど、ヒューマンエラーによる会計トラブルを劇的に減らせます。これは信頼性の向上だけでなく、金銭的な損失を防ぐ上でも重要です。
◆ キャッシュレス決済がスピーディーに行える
- POSレジと連携した決済端末を利用することで、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済(PayPay、LINE Payなど)などのキャッシュレス決済が簡単かつスピーディーに行えます。
- 現金管理の手間(両替準備、レジ締め時の現金照合など)が減り、盗難リスクも軽減されます。
このように、「レジ業務の効率化・時間短縮」は、単なる作業時間の削減に留まらず、1人美容室の経営全体にポジティブな影響を与える非常に重要なメリットと言えるでしょう。
売上・経営状況の可視化と改善
1人美容室のオーナーは、日々の施術や接客に忙しく、経営データを細かく分析する時間を確保するのが難しい場合があります。しかし、POSレジを導入することで、これまで見えにくかったサロンの「数字」が明確になり、データに基づいた経営判断が可能になります。
◆ 正確な売上データを把握できる
- POSレジは、日別、月別、年別の総売上だけでなく、メニューごとの売上、商品(店販品)ごとの売上、顧客ごとの購入履歴、時間帯ごとの売上などを自動で集計・記録します。
- 手書きやExcel入力では手間がかかり、ミスも発生しやすかった売上集計が、ボタン一つで正確に把握できるようになります。
◆ 経営状況の「見える化」
- どのメニューが人気で収益性が高いのか、どの店販品が売れているのか、リピート顧客の平均利用額はどのくらいかなど、具体的な数字でサロンの強みや弱みを把握できます。
- 売上の推移をグラフなどで視覚的に確認できるため、閑散期や繁忙期が明確になり、事前に準備をすることも可能です。
◆ 顧客単価やリピート率の向上
- 顧客の来店履歴や購入履歴を把握することで、お客様一人ひとりに合わせた施術提案や店販品のおすすめが可能になります。
- 顧客のリピート頻度を分析し、来店間隔が空き始めたお客様にアプローチするといった施策も可能になります。
◆ 確定申告・税務処理の効率化
- POSレジが記録した正確な売上データは、確定申告や税理士との連携時に非常に役立ちます。手作業での集計が不要になり、時間と手間を大幅に削減できます。
このように、「売上・経営状況の可視化と改善」は、1人美容室が感覚的な経営から脱却し、数字に基づいた戦略的なサロン経営へシフトするための強力な基盤となります。これは、サロンの安定的な成長と収益性向上に直結する、非常に重要なメリットと言えるでしょう。
1人美容室に役立つPOSレジおすすめ機能

POSレジは、1人美容室に役立つ機能を十分に備えています。1人美容室に役立つPOSレジおすすめ機能をご紹介します。
予約管理機能
1人美容室のオーナーは、施術中は電話に出られない、営業時間外は予約を受け付けられないといった課題を抱えがちです。POSレジの予約管理機能を活用することで、これらの課題を解決し、効率的なサロン運営と顧客満足度向上を実現できます。
◆ 24時間365日の予約受付
- オンライン予約システムと連携することで、お客様はオーナーの営業時間に関わらず、いつでも好きな時に予約を入れることができます。これにより、予約の機会損失を防ぎ、顧客の利便性が大幅に向上します。
◆ 施術中の電話対応が不要になる
- 施術中にお客様からの予約電話に対応する必要がなくなります。これにより、目の前のお客様への施術や接客に集中でき、サービス品質の維持・向上に繋がります。
◆ ダブルブッキングの防止
- POSレジの予約管理機能は、リアルタイムで予約状況を反映するため、複数の予約が重なってしまうダブルブッキングのリスクを最小限に抑えます。これにより、お客様に迷惑をかける事態を避けられます。
1人美容室にとって予約管理機能は、業務効率化、顧客満足度向上、そして売上安定化のために非常に有用な機能と言えます。
顧客管理機能
1人美容室の強みは、お客様一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなサービスを提供できることです。POSレジの顧客管理機能は、この強みを最大限に引き出し、お客様との関係性を深めるための強力なツールとなります。
◆ 顧客情報の一元管理
- 顧客の氏名、連絡先、誕生日、来店履歴、施術内容(カット、カラー、パーマの種類、使用薬剤など)、髪質や頭皮の状態、好み、過去の会話内容といったあらゆる情報をPOSレジで一元的に管理できます。
◆ リピート促進と顧客満足度の向上
- 顧客の来店サイクルや頻度を把握し、次回の来店時期を予測できます。来店間隔が空き始めたお客様に、適切なタイミングで再来店を促すメッセージやクーポンの送信が可能です。
- 誕生日のお客様に自動でクーポンやメッセージを送る機能があれば、特別感を演出できます。
顧客管理機能は、1人美容室がお客様との強固な信頼関係を築き、リピーターを増やし、安定したサロン経営を行う上で欠かせない機能と言えるでしょう。
売上集計・分析機能
1人美容室のオーナーは、日々の施術や接客に加えて、サロンの経営状態を把握し、今後の戦略を立てる必要があります。POSレジの売上集計・分析機能は、その「経営」という側面を強力にサポートし、感覚ではなくデータに基づいた意思決定を可能にします。
◆ 正確な売上状況の把握
- POSレジは、日別、月別、年別の総売上はもちろん、メニュー別、店販品別、時間帯別など、様々な角度からの売上データを自動で集計します。
◆ 経営状況の「見える化」と課題発見
- グラフやレポート形式で売上推移を視覚的に把握できるため、サロンの「今」の状況がひと目で分かります。
◆ 目標設定と進捗管理
- 具体的な売上目標や客単価目標を設定し、POSレジのリアルタイムデータで日々の進捗を確認することで、目標達成に向けたモチベーション維持や軌道修正がしやすくなります。
在庫管理機能
1人美容室では、オーナーが全ての業務を兼任するため、店販品の在庫管理がおろそかになりがちです。しかし、POSレジの在庫管理機能を活用することで、無駄をなくし、売上機会の損失を防ぐことができます。
◆ 正確な在庫状況の把握
- POSレジで商品が売れるたびに、リアルタイムで在庫数が自動的に減少します。これにより、現在の正確な在庫数を常に把握できます。
- 手作業での棚卸しやExcel管理に比べて、時間と手間を大幅に削減し、数え間違いなどのミスも防げます。
- 商品の在庫が少なくなると自動でアラートを出す機能があるPOSレジもあります。これにより、人気商品の在庫切れによる販売機会の損失を防ぎ、お客様をがっかりさせることがなくなります。
◆ 売上機会の最大化
- お客様が求める商品が常にサロンにある状態を維持できるため、店販品の売上機会を逃しません。
- 施術後のお客様に、最適な商品をおすすめする際にも、在庫状況をすぐに確認できるため、スムーズな提案が可能です。
1人美容室向けPOSレジの選び方

POSレジ導入の目的は、業務の効率化や売上アップ、顧客満足度の向上など様々ですが、選ぶPOSレジを間違えてしまうと、これらの目標が達成できないばかりか、かえって負担が増えてしまうことにもなりかねません。
では、あなたのサロンに本当に合ったPOSレジを見つけるためには、どのような点に注目して選べば良いのでしょうか。ここでは、1人美容室の特性を踏まえ、後悔しないPOSレジ選びの重要なポイントを解説します。
美容室・サロン向けの機能が備わっているか
一般的な小売店向けのPOSレジでは、美容室の運営に必要な特殊な業務フローや顧客管理のニーズに対応しきれません。美容室・サロン向けの機能が備わっているPOSレジを選ぶことで、1人美容室のオーナーは日々の業務をよりスムーズに、そして効率的に進めることができます。
具体的には、以下のような機能が美容室・サロン運営において特に役立ちます。
◆ 高度な顧客管理機能
- 単なる氏名や連絡先だけでなく、過去の施術履歴(メニュー、担当者、使用薬剤、施術時間、料金)、髪質や頭皮の状態、アレルギー情報、お客様の好み(例:香りの好み、会話の有無)、施術前後の写真、DM送付履歴、家族情報など、美容室ならではの細かな情報を記録・管理できる機能です。
これにより、お客様一人ひとりに合わせたパーソナルなカウンセリングや提案が可能になり、リピート率向上に繋がります。
◆ 予約管理機能との連携
- 美容室では予約がビジネスの核となるため、POSレジとオンライン予約システム(自社サイト、Hot Pepper Beautyなどの外部サイト)がスムーズに連携できることは必須です。
- 予約状況がリアルタイムでPOSレジに反映され、ダブルブッキングを防ぎ、施術中の電話対応を減らすことができます。
◆ 商品(店販品)管理と薬剤管理
- 店販品の在庫管理はもちろん、美容室特有の薬剤の在庫管理や使用履歴を記録できる機能があると便利です。
- 薬剤の消費量を把握することで、コスト管理や発注計画に役立ちます。
◆販促・マーケティング機能
- 顧客データに基づいたDM・メール配信機能(誕生日クーポン、来店促進メッセージ、新メニュー案内など)、ポイントカード機能、クーポン発行・管理機能など、集客やリピート促進に直結する機能が備わっていると、サロンの売上向上に大きく貢献します。
これらの美容室・サロン特有の機能が備わっているかを確認することは、単に会計処理ができるだけでなく、サロンの業務効率化、顧客満足度の向上、そして売上アップという、POSレジ導入の最終的な目的を達成するために不可欠なポイントと言えるでしょう。
使いやすいシステムか
1人美容室のオーナーは、施術、接客、事務作業など、文字通りすべての業務を一人でこなしています。そんな中で、POSレジの操作が複雑だったり、直感的でなかったりすると、かえって業務の負担が増え、導入のメリットを感じにくくなってしまいます。
「使いやすさ」は、日々のサロンワークにPOSレジをスムーズに組み込み、その効果を最大限に引き出すために不可欠な要素です。具体的には、以下の点に注目して「使いやすさ」を判断しましょう。
◆ 直感的な操作性
- スマートフォンやタブレットの操作に慣れている人であれば、説明書を読まなくても感覚的に操作できるかどうかが重要です。
- 顧客登録、会計処理、予約変更など、頻繁に行う操作が少ないタップ数で完了するかを確認しましょう。ボタンの配置や画面遷移が分かりやすいかもポイントです。
◆ 学習コストの低さ
- 導入後に、複雑なマニュアルを読み込んだり、長時間の研修を受けたりする必要がないかを確認します。1人美容室では、新しいシステムを習得するための時間も限られています。
- 無料体験期間などを利用して、実際に触ってみて「これならすぐに使えそう」と感じられるかが重要です。
外部システムと連携できるか
1人美容室のオーナーは、POSレジだけでなく、オンライン予約システム、会計ソフト、キャッシュレス決済端末など、様々なツールを使いこなす必要があります。それぞれのシステムがバラバラに動いていると、データの手入力や二重管理の手間が発生し、かえって業務が煩雑になってしまいます。
POSレジが外部システムと連携できることは、これらの手間を解消し、サロン全体の業務効率を飛躍的に向上させるための鍵となります。
具体的には、以下のような外部システムとの連携が美容室運営において特に役立ちます。
◆ オンライン予約システム(集客ポータルサイト含む)との連携
- Hot Pepper Beautyやminimoなどの大手集客ポータルサイト、またはサロン独自のウェブサイトからのオンライン予約データを、POSレジの予約管理機能に自動で取り込めるかどうかが重要です。
これにより、予約の二重管理を防ぎ、ダブルブッキングのリスクを最小限に抑えられます。また、お客様が予約した情報がPOSレジに自動で反映されるため、手入力の手間が省け、ミスの削減にも繋がります。
◆ キャッシュレス決済端末との連携
- クレジットカード、電子マネー、QRコード決済といったキャッシュレス決済端末とPOSレジが連携できるかを確認しましょう。
- 会計時にPOSレジで入力した金額が自動的に決済端末に送信されるため、金額の二度打ちが不要になり、入力ミスを防げます。これにより、会計処理がスムーズになり、お客様をお待たせする時間を短縮できます。
◆ 会計ソフトとの連携
- 弥生会計やfreee、マネーフォワードクラウドなどの主要な会計ソフトとPOSレジが連携できるかを確認しましょう。
- POSレジで記録された日々の売上データが自動的、または簡単な操作で会計ソフトに取り込めることで、日々の記帳や確定申告の手間を大幅に削減できます。税理士との連携もスムーズになります。
コストパフォーマンスがよいか
1人美容室は、オーナー自身が全ての経費を負担するため、固定費をいかに抑えるかが経営の安定に直結します。POSレジは長期的に利用するシステムであるため、初期費用だけでなく、ランニングコストである月額費用も考慮し、総合的なコストパフォーマンスを見極めることが不可欠です。
「安ければ何でも良い」というわけではなく、必要な機能が過不足なく揃っている上で、予算に見合う費用であるかがポイントになります。
具体的に、コストパフォーマンスを判断する上では以下の点に注目しましょう。
◆ 初期費用
- POSレジ本体(タブレット、PC)、レシートプリンター、キャッシュドロア、決済端末などにかかる費用です。既存のタブレットやPCを活用できるクラウド型POSレジは、この初期費用を大幅に抑えられます。
- 導入時の設定サポートや研修にかかる費用です。自分で設定できる場合は無料、サポートが必要な場合は数万円かかることがあります。
◆ 月額費用の適正さ
- 月額費用は、提供される機能やサポート内容によって大きく異なります。無料プランから高機能な有料プランまで様々です。
- 安価なプランでも必要な機能(予約管理、顧客管理、売上分析など)が不足していては意味がありません。逆に、使わない機能ばかりのハイスペックなプランは無駄になります。
- データ保存容量、利用ユーザー数、特定の連携機能などに別途費用がかからないか、事前に確認が必要です。
◆ 無料試用期間や無料プランの有無
- 多くのタブレット型POSレジサービスでは、無料プランや無料試用期間が用意されています。これらを活用し、実際に使ってみて、操作性や機能が自身のサロンに合っているかを確認することで、無駄な投資を防げます。
コストパフォーマンスの高いPOSレジを選ぶことで、1人美容室は初期投資のリスクを抑えつつ、効率的な経営を実現し、長期的なサロンの成長に繋げることができます。
セキュリティ面が安心か
1人美容室では、オーナー自身がお客様の個人情報(氏名、連絡先、施術履歴など)やサロンの売上データといった機密情報を管理することになります。これらの情報が漏洩したり、システムが不正アクセスを受けたりすると、お客様からの信頼を失うだけでなく、経営にも大きな打撃を与えかねません。
特に、クラウド型POSレジを利用する場合、データがインターネット上に保存されるため、提供元のセキュリティ対策が非常に重要になります。
セキュリティ面で安心できるPOSレジを選ぶためには、以下の点に注目しましょう。
◆ 決済情報の安全性
- クレジットカード情報など、デリケートな決済情報が安全に処理される仕組みになっているか。PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)などのセキュリティ基準に準拠しているかどうかも重要なポイントです。
◆ 不正アクセス対策
- 未認証のユーザーからのアクセスを防ぐための対策(パスワードポリシーの強度、二段階認証など)が講じられているか確認しましょう。
◆ 物理的なセキュリティ
- タブレット本体やキャッシュドロアに鍵がかかるか、またはロック機能があるかなど、物理的な盗難や情報漏洩を防ぐ対策も考慮しましょう。
これらのセキュリティ対策は、目に見えにくい部分ですが、サロンの信頼性を守り、お客様に安心してサービスを提供するために不可欠です。導入を検討する際は、必ずPOSレジ提供会社のセキュリティに関する情報を確認し、疑問点があれば積極的に問い合わせるようにしましょう。
1人美容室におすすめPOSレジ6選
ここからは、1人美容室におすすめのPOSレジ6選をご紹介します。
CASHIER POS

CASHIER POSは、売上・顧客・在庫管理、データ集計・分析まで店舗運営に必要な機能が網羅されています。また、クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど、キャッシュレス決済に幅広く対応しており、効率のよいレジ業務につながります。
タブレット型POSレジであれば、場所を取らず、限られたスペースの1人美容室でも導入しやすいです。そして、月額0円から利用できるプランもあるので、初期費用やランニングコストを抑えたい1人美容室にとって魅力的です。
Square POSレジ

Square POSレジは、売上・顧客・在庫管理、データ集計・分析、キャッシュレス決済といった1人美容室に便利な機能が備わっています。また、予約機能(Square予約)もあり、1人美容室の店舗運営に必要な機能が網羅されています。
専用のPOS端末が不要で、手持ちのiPadやiPhoneにアプリをダウンロードするだけで利用を開始できます。レジ周りの機器もSquare Readerなどのコンパクトな決済端末で済むため、初期投資を大幅に抑えられます。これは、開業資金を抑えたい1人美容室にとって大きなメリットです。
関連記事:Square(スクエア)決済を徹底解説|導入・手数料・メリットまで詳しく紹介!
POS+(ポスタス)

POS+(ポスタス)は、「POS+ beauty(ポスタス ビューティー)」という特に美容サロンに特化したPOSレジシステムを提供しています。POS+ beautyは月額14,000円〜(税別)で、365日電話サポートが利用でき、1人美容院の店舗運営を効率化してくれるシステムです。
POS+ beautyには、Web予約システム機能があり、電話予約とWeb予約を一元管理できるため、ダブルブッキングを防ぎ、接客中の電話対応を減らすことができます。
STORESレジ

STORESレジは「STORES 予約」「STORES レジ」「STORES 決済」など、店舗運営に必要な複数のサービスを提供しており、これらが連携することで、予約から会計、顧客管理までを一貫して効率化できます。1人美容室の場合、複数のシステムを個別で契約・管理する手間が省けるのは大きなメリットです。
特に「STORES 予約」は、美容室を含む多様な業種で利用されており、Web予約システムの提供はもちろん、予約管理システム「かんざし」と連携することで、複数の予約サイト(ホットペッパービューティーなど)からの予約を一元管理できるため、ダブルブッキングのリスクを減らせます。
Airレジ

Airレジは、基本的なレジ機能(会計、商品登録、売上管理、在庫管理など)は、月額費用も初期費用も0円で利用できます。これは、開業初期でコストを抑えたい1人美容室にとって大きな魅力です。
Airレジは単体でも十分使えますが、リクルートが提供する「Airビジネスツールズ」(月額0円~)と連携することで、美容室に必要な機能(キャッシュレス決済、予約システム、会計ソフト連携)を拡張できます。
stera pack POS(ステラパックPOS)

stera pack POSは、決済端末の「stera terminal」にPOSレジアプリを搭載することで、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済、そして現金決済まで、あらゆる決済手段に1台で対応できます。これは、レジ周りをすっきりとさせたい1人美容室にとって大きなメリットです。
また、「A’staff Cloud」などの美容室向けPOSシステムと連携して、予約管理や電子カルテ機能を利用することが推奨されています。
「スモールビジネスプラン」では、初期費用が無料で、かつサービス利用料も初年度(13ヶ月目まで)は無料となる場合があります。これにより、導入のハードルが低くなります。
美容室向けPOSレジで使える補助金制度

POSレジの導入を検討する際、まず気になるのは初期費用ですよね。しかし、ご安心ください。国や地方自治体では、中小企業や小規模事業者のデジタル化を後押しするための補助金制度が用意されており、これらを賢く活用すれば、費用負担を大幅に軽減できます。
ここでは、あなたの美容室がPOSレジを導入する際に利用できる、代表的な補助金制度をご紹介します。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が、自社の生産性向上や業務効率化を目的として、ITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する際に、その経費の一部を補助してくれる国の制度です。美容室もこの「中小企業・小規模事業者」の対象に含まれるため、POSレジ導入の費用を抑えるために大いに活用できます。
IT導入補助金の主なポイントは、以下の通りです。
◆ 補助対象となる経費
- クラウド利用料(最大2年分など)や、初期設定費用などが対象です。
- POSレジ本体となるPCやタブレット、レシートプリンター、キャッシュドロア、決済端末などの周辺機器も補助対象になる場合があります。(例:POSレジ本体は最大20万円、PC・タブレットは最大10万円など)
◆ 補助率・補助額
- 枠や事業者の規模、導入するITツールの機能によって異なりますが、最大で経費の3/4(小規模事業者であれば4/5)が補助されるケースもあります。補助額の上限も、50万円から数百万円まで幅広く設定されています。
◆ 申請方法
- 「IT導入支援事業者」との共同申請が必須です。IT導入補助金事務局に登録されたITベンダーやコンサルタントが、導入するITツールの選定から、申請手続きまでをサポートしてくれます。自社で直接申請することはできません。
POSレジの導入を検討する際は、まずIT導入補助金の最新の公募要領を確認し、対応しているIT導入支援事業者と相談することをおすすめします。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的な経営発展を目指すために、販路開拓や生産性向上に資する取り組みを行う際の費用の一部を補助する制度です。美容室も「小規模事業者」の対象に含まれるため、POSレジ導入がこの補助金の対象となる可能性があります。
小規模事業者持続化補助金の主なポイントは、以下の通りです。
◆ 補助対象者
- 小規模事業者であることが条件です。美容業の場合、常時使用する従業員の数が5人以下の事業者が対象となります。
◆ 補助対象となる経費
- POSレジのソフトウェア購入費やクラウド利用料、レシートプリンターやキャッシュドロアなどのハードウェア購入費が対象となる場合があります。
- ただし、この補助金は「販路開拓」や「生産性向上」に繋がる幅広い経費が対象となるため、POSレジ導入だけでなく、ウェブサイト作成、チラシ作成、広告費なども含めて申請できます。
◆ 補助率・補助額
- 通常枠の場合、補助対象経費の2/3以内が補助され、上限額は50万円です。
- 特定の要件(賃上げ、事業承継、創業、インボイス特例など)を満たす場合は、補助上限額が引き上げられることがあります。
◆ 申請方法
- 商工会議所または商工会のサポートを受けながら申請する形が一般的です。事業計画書を作成し、経営計画の確認を受ける必要があります。
IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金との違い
IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金は、どちらもITツール導入に使える可能性がありますが、目的や対象経費、補助率、申請方法などが異なります。
- IT導入補助金:ITツールの導入に特化しており、IT導入支援事業者との共同申請が必須。
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓や生産性向上を目的とした幅広い取り組みが対象で、商工会議所・商工会のサポートを受けながら事業計画を作成・申請。
どちらの補助金がご自身のサロンの状況や導入目的により適しているか、また併用が可能か(目的が異なる場合は可能な場合あり)を検討し、専門家や各補助金の事務局に相談することをおすすめします。
まとめ
この記事では、1人美容室のオーナーさんが抱える様々なお悩みを解決し、経営を強力にサポートするPOSレジについて、その具体的なメリットから、失敗しない選び方のポイント、そして活用できる補助金制度まで解説してきました。
特に1人美容室では、
- 美容室・サロン向けの機能が備わっているか
- 使いやすいシステムか
- 外部システムと連携できるか
という点が、導入後の満足度を大きく左右します。そして、初期費用を抑えるために「コストパフォーマンス」や「補助金制度」の活用もぜひ視野に入れてください。
コメント