「ネットショップを始めたいけど、何から手をつければいいのか分からない」「初期費用や月額料金が高そうで不安……」そんな悩みを抱える個人事業主や小規模店舗の方は多いのではないでしょうか。
今やネットショップはビジネスの重要な販売チャネルですが、実際にはコストの問題や集客や決済の仕組みなど、多くのハードルが存在します。特に専門知識がない方にとっては、開設自体が大きな壁となることも。
そんな中、注目を集めているのが、誰でも無料でネットショップを始められるサービスSquare(スクエア)です。シンプルな操作性と豊富な機能を兼ね備えており、決済・在庫管理・デザイン編集までをワンストップで実現できます。
本記事では、Squareを使ってネットショップを開設する手順から、実際の利用者の評判・口コミ、そして導入のメリット・注意点までを徹底解説します。
Square(スクエア)とは
Square(スクエア)は、小売業者やサービス提供者向けに設計されたキャッシュレス決済プラットフォームです。実店舗・オンラインを問わず、スムーズな商取引を実現する多機能なサービスを提供して
おり、日本を含む世界中で広く利用されています。
クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済など、多様な支払い方法に対応しており、店舗でもオンラインでも簡単に決済を受け付けることができます。
また、スマートフォンやタブレットと連携して使えるコンパクトな決済端末や、誰でも手軽に始められるネットショップ機能も用意されており、低コストで導入できる点も大きな魅力です。
無料で始められるネットショップ作成サービス

前述のとおり、Square(スクエア)は、無料で始められるネットショップ作成サービスを提供しています。
このサービスは、2020年10月15日に提供を開始。新型コロナウイルスの感染拡大により、対面販売が難しくなった多くの事業者がオンライン販売への移行を迫られたことが背景にあります。
現在では、個人事業主や小規模ビジネスを中心に支持されており、コストを抑えてネット販売を始めたい方に、ぜひ候補に入れていただきたいサービスです。
Squareネットショップは、初期費用・月額料金は一切不要で、商品登録・デザイン編集・注文管理などの基本機能もすべて無料で利用可能です。
決済から在庫管理まで一体化されたオールインワンシステム
Squareのネットショップでは、複数店舗の決済情報や売上履歴、ギフトカードの利用状況、顧客データ、スタッフのアクセス権限、在庫管理などを、すべて一元管理できる点が大きな特長です。
在庫情報はオンラインと実店舗でリアルタイムに同期されるため、売り越しのリスクを軽減できます。また、売上や在庫の動向を視覚的に把握できるレポート機能も搭載されており、日々の業務だけでなく、経営判断にも役立ちます。
さらに、新商品の訴求や期間限定セールの実施といった販促イベントの設定も簡単に行えるため、柔軟な販売戦略が可能です。
Squareのネットショップの主な機能とできること
まずは、Squareのネットショップで使える主な機能7つを紹介します。
- 商品ページの作成
- テンプレートを使った簡単デザイン編集
- SNS・メールでのシェア機能
- デリバリー・テイクアウトの予約・事前決済
- 月額課金やチケット販売にも対応
- ギフトカードやクーポンの発行機能
- 在庫・注文管理の自動化
商品ページの作成

Squareでは、商品ごとに専用のページを作成し、写真・価格・説明文などを掲載することで、魅力的なオンライン販売ページを簡単に構築できます。
テンプレートを使った簡単デザイン編集

初心者でも使いやすいテンプレートが豊富に用意されており、ブランドイメージに合ったデザインを簡単に反映できます。レイアウトの編集やカラー変更も直感的に操作できます。
ウェブサイトのテーマを使えるのは有料プランのみなので、テーマを使っておしゃれなサイトを開設したいとお考えの方は注意してください。有料プランは3,375円から利用可能です。
SNS・メールでのシェア機能
作成した商品ページは、SNSやメールを通じてすぐにシェアできるため、プロモーションや集客に活用しやすく、販売機会を広げることが可能です。Instagramとの連携は無料プランでもできます。
Instagramの投稿に商品タグを付けたり、顧客が直接投稿から商品を購入できる環境を整えることが可能です。
デリバリー・テイクアウトの予約・事前決済
飲食店向けには、自店舗によるデリバリーやテイクアウトの予約受付機能も備わっています。オンライン上での注文や事前決済が可能で、非接触型のスムーズな受け渡しを実現できます。
また、注文状況をSMSで通知する機能もあり、顧客がリアルタイムで注文の進行状況を確認できるため、満足度の向上につながります。
決済手数料については、フリープランとプラスプランは3.6%、プレミアムプランでは3.3%と、売上規模に応じてプランを選べる仕組みになっています。
月額課金やチケット販売にも対応
定期サービスや会員制ビジネス向けには、月額課金の仕組みを導入できるほか、イベントや講座向けのチケット販売機能も利用可能です。
Squareのダッシュボード上で、継続的に請求を行うための請求書を簡単に作成でき、顧客にはクレジットカードなどの支払い方法の選択を促す案内を自動で送ることができます。
イベント開催時には、チケット販売用の専用ページを作成でき、そこから顧客がスムーズにアクセス・購入できる仕組みも整っています。
ギフトカードやクーポンの発行機能
販促施策として活用できるギフトカードの販売や割引クーポンの発行機能も提供されており、リピーターの獲得や新規顧客の呼び込みに効果的です。
Squareのギフトカードは、自店舗のブランドに合わせたデザインカスタマイズが可能です。プリペイド式で、顧客が任意の金額をチャージして利用できる仕組みとなっており、使い勝手の良さも魅力です。オンラインでも使えるeギフトカードも作成でき、メールやSNSを通じて家族や友人に簡単に送信できます。
割引クーポンについては、有効期限や利用条件の設定が可能で、キャンペーンや来店促進など目的に応じた柔軟な運用が可能です。
在庫・注文管理の自動化
Squareでは、POSシステムと連携して在庫データをリアルタイムで更新することができます。
商品が購入されると、在庫数が自動的に反映・減少するため、商品補充のタイミングを逃すことなく、売上の機会損失を防止できます。さらに、在庫の重複発注や欠品リスクも最小限に抑えられるため、効率的な在庫管理が可能です。
また実店舗とオンラインショップの販売データを自動で同期できるのも大きな特長です。過去の注文履歴を簡単に追跡できるため、顧客の購買傾向や人気商品の分析に役立ちます。
今後のマーケティング戦略に活用したい企業にとっては、Squareはおすすめです。
Squareのネットショップの料金
無料プランは機能が制限されるものの、基本料金は無料です。
有料プランではデザインの自由度が高まります。
プレミアムプランは決済手数料が割安になります。
フリープラン | プラスプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 月額3,375円 | 月額9,180円 | |
決済手数料 | 3.6% | 3.6% | 3.3% |
ドメイン | 無料サブドメイン(〇〇.square.site)のみ | ・無料サブドメイン(〇〇.square.site) ・独自ドメイン3,025円/年(現在、独自ドメイン1年間無料特典あり) | ・無料サブドメイン(〇〇.square.site) ・独自ドメイン3,025円/年(現在、独自ドメイン1年間無料特典あり) |
初期費用・月額費用は基本無料
Squareのネットショップは、初期費用や月額固定費が基本的に無料で始められるのが大きな特長です。
これからネットショップを開設したい方や、小規模にオンライン販売を始めたい事業者にとって、リスクを抑えて導入しやすいサービスといえます。
決済手数料と有料プランの違い
無料プランでは販売ごとに決済手数料が3.6%かかります。また、Squareには月額3,375円と月額9,180円の有料プランがあり、9,180円のプレミアムプランなら決済手数料が3.3%です。
また、必要に応じて有料プランへアップグレードすることで、
- ウェブサイトのテーマの選択肢が増える
- 高度なレイアウト設定が可能になる
- 定期購入の販売機能が使える
- Facebook広告やGoogle広告への掲載が可能になる
といった拡張機能を利用できるようになります。
まずは無料プランで運用を始め、収益が安定してきたタイミングでアップグレードするという柔軟な使い方ができるのも魅力です。
その他、Squareの詳しい手数料については、Square(スクエア)の決済手数料を全て解説!計算方法から無料にする方法まで【早見表あり】で紹介しています。
カスタムドメインが1年間無料
「〇〇.square.site」で終わる無料のサブドメインを利用する場合、料金は発生しません。ただし、独自ドメイン(カスタムドメイン)を使用する場合は、通常3,025円/年の費用がかかります。ただし、年間プランを契約すると、このカスタムドメインが1年間無料で提供されます。
Squareのネットショップの始め方3ステップ
初めての方に向けて、Squareのネットショップ開設手順を3ステップで解説します。
Step1:アカウント登録と基本情報の設定
まずはSquareの公式サイトから無料アカウントを作成します。
登録後、事業名・所在地・連絡先など、ショップ運営に必要な基本情報を入力します。ここで入力した内容がショップのプロフィールとして表示されるため、正確に設定しましょう。
Step2:商品登録とショップデザインの設定
次に、販売する商品を登録します。商品名、価格、在庫数、商品画像などを設定し、カテゴリごとに整理しておくと購入者にも分かりやすくなります。
あわせて、テンプレートを使ってショップのデザインも整えましょう。ブランドに合わせたカラーやロゴ設定で、信頼感のあるネットショップに仕上がります。
Step3:公開・販売開始
商品の登録とデザインが完了したら、プレビューで確認後、「公開」ボタンをクリックするだけでネットショップがオープンします。
SNSやブログなどでショップURLをシェアし、集客を始めましょう。
送料・決済方法の設定ポイント
Squareではクレジットカード決済やpaypayなど、さまざまな決済手段を設定できます。また、送料設定も重要なポイント。全国一律・地域別・金額に応じた送料無料など、販売スタイルに合わせて柔軟に設定しましょう。
送料の分かりやすさは購入率にも影響します。
paypay導入を検討している方は、SquareでPayPay決済を導入する方法!審査や設定手順を詳しく解説 の記事をあわせてご覧ください。
Squareのネットショップの評判と実際の口コミ
Square決済に関する評判と口コミをX(旧Twitter)で調査しました。実際の利用者のリアルな感想を参考に、導入を検討しましょう。
利用者の良い評判・メリット
(ウチも他のイベントで同じ事があったので今年からsquare導入しましたが、
— 超空想素材研究部/超素研 (@MaterialLabo) May 3, 2025
おサイフ機能があるスマホなら別端末無しで始められて、対応決済方法も多く、費用は売上からの手数料なので使わないときは費用発生せず、大変よいですよ…!PRとかではありませんがオススメです…!)
スマホだけで決済スタートできるというハードルの低さは、イベント出店者やフリーランスにとって非常に大きな利点です。
店舗ではSquareっての使ってカード決済(クレカやSuicaやIdやQuickPayなど)と現金決済をしています。
— 若山 雅弘 (@m_wakayama) May 7, 2025
全てSquareが管理してくれてて、毎日の売り上げもメールで報告してくれます。
日々行っている事は「現金数えて持ち帰る」だけ。
よくわかんないけど、すっごく楽だと思ってます。
全部Squareが管理してくれ、やることは現金を持ち帰るだけと、業務の簡便さ・自動化の恩恵が非常にわかりやすく伝わる内容です。
squareがおすすめです!
— 二平燎平|BtoBマーケ×運用型広告|ハチワレ (@BtoB_hachiware) April 16, 2025
PayPayなどのコード決済もカバーできますし、売上入金が他のサービスと比べて早く翌営業日には振り込まれるので資金繰りの心配が少なくなりますよー
無料でアカウントも作れるし
売上入金が翌営業日と早いという点は、キャッシュフローの不安を抱える小規模事業者や個人にとって重要な決め手となります。
改善してほしい点・デメリット
ヤバすぎ。こんなこと言いたくないけど、先月からsquareの決済でシステム側の不具合が起きていて、めちゃくちゃ顧客に迷惑がかかっている。
— 岡本純平|Lexa Inc. (@Okamoto_Lexa) May 1, 2025
・請求金額が登録している金額と違う
・請求金額が間違っている
・対応完了したはずなのに翌月もエラー頻発
マジでなんとかしてください。@SquareJapan
このユーザーは、ネットショップでの決済処理における金額の誤りやエラーの繰り返しを指摘。顧客対応に影響が出る重大な問題として、システムの信頼性に不満を表明しています。
ネット決済使えると便利だな〜と思って軽い気持ちで申請したらものの見事に審査に落ちて二度とsquare使えない体になってしまったのでこれから申し込もうと思ってる人は無策でやらないほうがいいですよ!!!対策をぐぐってから申し込もう 悲しい https://t.co/wPyJ38LbEV
— 伊藤はと (@whr_pigeon) November 18, 2022
ネットショップでの決済導入を目的としたアカウント審査に失敗し、サービスを利用できなくなったケース。審査基準の不透明さや準備不足が問題になっています。
同人で一時期squareで電子マネー導入したけど対応の速度が遅くなってしまうのでコミケでは耐えきれないということでやめてしまいましたね……。
— しゅどい先生@夏コミ当落待ち (@0622shud) May 6, 2025
高トラフィックなイベントでの決済処理速度の遅さが、ネットショップやモバイル決済の利用において問題に。特に通信環境に依存する点が課題です。
Squareのネットショップ機能は手軽さと低コストで評価される一方、システムの安定性、カスタマイズ性、サポート体制、決済オプションの制約に関する不満が一部で存在します。小規模事業者やシンプルなネットショップには適していますが、複雑なニーズや高額商品を扱う場合は、事前に無料プランで試すことをおすすめします。
実店舗併用での活用事例(サロン・飲食店)
実店舗とオンラインショップを併用してSquareを活用している事例を2つご紹介します。
フェイシャルトリートメントの専門店「美肌室ソラ」の事例
美肌室ソラ(東京・原宿)では、SquareのPOSレジやネットショップ機能を活用し、施術の支払いからスキンケア商品のオンライン販売までを一元管理。
メール注文で手間がかかっていた通販も、Squareのネットショップ導入により業務効率が大幅に向上。全国から注文を受けられるようになり、売上も約10%増加。
「会計処理がとても楽になり、お客様とのやりとりも減ってストレスが少なくなった」と店主の舘山さんも評価しています。
引用:Town Square
世田谷区の飲食店「さんぱち食堂」の事例
東京都世田谷区の「さんぱち食堂」は、和風フレンチと自然派ワインが楽しめる地域密着の飲食店。感染症拡大を機にSquareのクラウド請求書やオンラインショップ機能を導入し、テイクアウトや全国発送を可能に。
非対面決済で業務効率が大幅に向上し、客層も全国へと広がった。手数料の低さや一元管理のしやすさも導入の決め手となり、店舗とオンラインの両立で新たな成長を実現している。
引用:Town Square
Squareのネットショップを他社ツールと比較してわかった使うべき人
BASE・STORESとの比較したSquareの強み
BASEやSTORESと同じく無料でネットショップを始められる点は共通していますが、Squareの最大の強みは「実店舗との連携力」です。POSレジやカード決済システムが一体化されており、オンラインとオフラインの在庫・売上を一元管理できる点が他社にはない特長です。
また、Squareは海外発のツールでありながら、日本国内向けにもローカライズされており、操作性・サポート面も十分です。
実店舗がある事業者に最適
Squareは元々「店舗向けの決済サービス」としてスタートしているため、リアル店舗とネットショップを同時に運営する事業者との相性が抜群です。
例えば、カフェや雑貨店、美容室など、来店客への販売とオンライン注文の両方を取り入れたい場合、SquareならPOS・決済・在庫・顧客管理まで一つのアカウントで対応可能です。
個人・副業でも使いやすい
Squareのネットショップは初期費用・月額無料、審査も比較的スムーズなため、副業や趣味の延長でネット販売を始めたい個人にも向いています。
また、直感的に使える管理画面とテンプレートが揃っており、特別なITスキルがなくても開設・運用がしやすいのが魅力です。ショップの成長に応じて有料プランに切り替えられる柔軟性もあります。
【まとめ】Squareで無料ネットショップを開設しよう
本記事では、無料で始められるSquare(スクエア)のネットショップ開設手順、評判、メリット・注意点を解説しました。
初期費用や月額費用を抑えたい個人事業主や小規模店舗にとって、決済から在庫管理まで一元化できるSquareは、初めてのオンライン販売におすすめのツールです。まずは無料で開設し、手軽にネット販売を始めてみませんか?
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