自社で保有する顧客データをFacebook広告で活用すれば、過去に接点を持ったユーザーに再びアプローチすることも可能です。
Facebookのカスタムオーディエンスでは、ユーザーの行動履歴や顧客情報を生かしてターゲットリストを作成できます。
カスタムオーディエンスを利用することで、広告主のビジネスを知っているユーザーへの配信や除外、ユーザーに類似した興味関心を持つユーザーへの広告配信などさまざまなケースで活用可能です。
本記事では、Facebookのカスタムオーディエンスの機能を活用してFacebook広告を最大化する方法について詳しく解説します。
Facebookのカスタムオーディエンスとは
カスタムオーディエンスは、Facebook広告のターゲット設定オプションのひとつで、Facebook利用者の中から既存の顧客を見つけ出す機能です。
この機能の中に「カスタマーリスト」があり、これらを相互活用することで新規顧客や見込み顧客(リード)の獲得に効果的です。
Facebookのカスタマーリストとは
カスタマーリストは、自社が保有している顧客のメールアドレスや電話番号などの情報をもとに作成したリストです。
Facebook広告のカスタムオーディエンスでこのリストを活用すれば、既存顧客や見込み客に向けた効果的なターゲティングが可能になります。
カスタマーリストとカスタムオーディエンスの関係
カスタマーリストをもとにしてカスタムオーディエンスを作成することで、企業は自社の製品やサービスに対して高い関心を持つ可能性のあるユーザーに直接アプローチできます。
Facebookカスタムオーディエンス5つのタイプと特徴
Facebookのカスタムオーディエンスの主な種類は、以下5つです。
- カスタマーリスト
- ウェブサイト
- エンゲージメント
- モバイルアプリ
- オフラインアクティビティ
それぞれの特徴を解説します。
カスタマーリストのカスタムオーディエンス
既存顧客のメールアドレスや電話番号などのデータを使用してターゲティングを行います。
広告主が保有する顧客情報とFacebookのユーザー情報を照合し、一致するユーザーに対して広告配信を行います。
ウェブサイトのカスタムオーディエンス
自社のウェブサイトを訪れたユーザーを対象にリターゲティングを行います。
Facebookピクセルを使用して、特定のページを訪れたユーザーを追跡し、広告を配信します。
エンゲージメントのカスタムオーディエンス
FacebookやInstagram上で自社コンテンツに対してアクションを行ったユーザーをターゲットにします。
ブランドに関心を持つ可能性が高いユーザーに広告を配信できます。
モバイルアプリのカスタムオーディエンス
自社のモバイルアプリ内で特定のアクションを行ったユーザーをターゲットにします。
アプリ内でのユーザー行動に基づいて広告を配信し、リテンション率の向上を図ります。
オフラインアクティビティのカスタムオーディエンス
店舗での購入や電話注文など、オフラインで接点を持ったユーザーを対象とします。
オンラインとオフラインの両方で顧客との関係を強化するために利用されます。
Facebookカスタムオーディエンスの作成方法
カスタムオーディエンスの作成方法は、種類によって異なります。
まず、すべてに共通する手順は以下のとおりです。
- 広告マネージャを開き、画面左の「オーディエンス」をクリック
- 「オーディエンスを作成」から「カスタムオーディエンス」をクリック
カスタマーリストを使ったカスタムオーディエンスの作成方法
顧客情報を活用する「カスタマーリストのカスタムオーディエンス」の作成手順は以下のとおりです。
【顧客リストが既にある場合】
- 「カスタムオーディエンス」をクリック
- 「カスタマーリスト」にある「次へ」をクリック
- CSVファイルをアップロードし、オーディエンス名を入力して保存
- 「マッピング識別情報」にアップロードしたオーディエンスが表示されていれば完了
【顧客リストをこれから作成する場合】
- 「カスタムオーディエンス」をクリック
- 「カスタマーリスト」にある「次へ」をクリック
- 「ファイルテンプレートをダウンロード」よりテンプレートを入手
- 顧客リストを追加
- カスタマーバリューの有無にチェックを入れ、「次へ」をクリック
- 「マッピング識別情報」にアップロードしたオーディエンスが表示されていれば完了
Facebookカスタマーリストの活用で広告効果を最大化するには
広告効果を最大化するには、次の2つの方法が有効です。
リストにカスタマーバリューを含める
そもそもカスタマーバリューは、顧客が商品やサービスから得る価値のことを指します。
企業が顧客にとって高い価値を提供できる場合、顧客は他社製品やサービスに移る可能性が低くなり、結果としてリテンション(顧客維持率)が向上します。
ロイヤル顧客は、繰り返し商品を購入する可能性が高くなります。
カスタマーバリューの計算方法
BtoCのカスタマーバリューを評価する場合、「RFM」分析が有効です。その方法は、顧客の購買行動を3つの要素(Recency・Frequency・Monetary)に分解し、顧客ごとにスコアを次のように算出します。
最後に購入した日からどれくらい経過しているか。最近購入した顧客ほど優良な顧客と見なされます。
一定期間にどれだけ頻繁に購入したか。購入頻度が高い顧客は、ロイヤリティが高いと判断されます。
一定期間にどれだけの金額を支払ったか。支払い金額が多い顧客は、より価値の高い顧客です。 |
例として、特定顧客のカスタマーバリューをRFM分析を用いて評価してみます。※RFMスコアは1〜5点を割り当てます。
顧客A | 顧客B | |
---|---|---|
Recency(最近性) | 購入したのが3日前 | 購入したのが2か月前 |
Frequency(頻度) | 過去6か月で12回購入 | 過去6か月で2回購入 |
Monetary(購入金額) | 過去6か月の合計購入額は10万円 | 過去6か月の合計購入額は3万円 |
RFMスコア | Recency:5点(最近購入)Frequency:5点(購入頻度が高い)
Monetary:5点(購入金額が多い) → 総合スコア:15点(優良顧客) |
Recency:2点(しばらく購入していない)Frequency:2点(購入頻度が低い)
Monetary:2点(購入金額が少ない) → 総合スコア:6点(価値が低い顧客) |
RFM分析を使うと、顧客ごとに購買履歴に基づいて価値を数値化でき、マーケティング施策に役立てることができます。
コンバージョン率の高い新規ユーザーに広告を配信する
新規ユーザーに向けた広告を効果的に配信するためには、類似オーディエンスを使用します。
これは、既存の顧客や過去にコンバージョンしたユーザーの属性にもとづき、コンバージョンする可能性が高い新規ユーザーを特定できる機能です。
この類似オーディエンスに対して広告を配信することで、まだ接点のない新規ユーザーの中でも、より高いコンバージョンが見込める層へアプローチすることが可能です。
これに地域や年齢、性別などの基本的なフィルタリングを加えることで、ターゲットをさらに絞り込み、広告のパフォーマンスを最適化することができます。
Facebookカスタマーリスト使用時の注意点
最後に、Facebookのカスタマーリストを使用する際の注意点について解説します。
カスタマーリストを使用する前には、顧客にデータの使用方法を説明し、同意を得ることが必要です。これは、個人データ保護やその取扱いについて定められたEU域内の各国に適用される法令、GDPRやCCPAなどのプライバシー保護法に準拠するためです。
また、アップロードするデータはFacebookが指定するフォーマットに従って準備しないと、ターゲティングに問題が生じる可能性がありますので、注意してください。
まとめ
本記事では、Facebookのカスタマーリストのカスタムオーディエンスについて解説しました。
カスタマーリストとは既存顧客データを活用したターゲティング手法で、カスタムオーディエンスと組み合わせることで効果的な広告配信が可能になります。
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