オンライン広告を店舗集客に活用する際に欠かすことのできない来店コンバージョン測定の仕組みと、特に実店舗へ誘導する手法が充実しているGoogle広告における測定方法について詳しく紹介します。
来店コンバージョンとは
「来店コンバージョン」とは、ネット広告の閲覧・クリック数が、小売店・飲食店・販売店のような実際に存在する店舗への来店に繋がっているか、ネット広告の効果を把握する方法の一つです。オンライン上でユーザーのすべての購買行動までが完結しないビジネスやサービスであっても、キャッシュに近い箇所の効果測定が出来ます。
そのため、広告費の運用を分かりやすく、オンライン広告に活かせるのが最大の特徴です。
導入事例
来店コンバージョンの測定を導入している実例の中で、「全国に展開されている小売業界のECサイト」と「店舗に来店している」への導入結果です。
来店コンバージョンを計測することで、広告によって7,000件以上の実来店に繋がっている事が分かりました。導入事例について、ご紹介した事例とは別にGoogleの公式ブログで紹介されているため、ご紹介させていただきます。
来店コンバージョンのメリット
来店コンバージョンを計測することで大きく以下のメリットがあります。正確にメリットを理解した上で正しく来店コンバージョン機能を運用しましょう。
1.効果を測定することで、広告運用の改善に活用が可能
Googleが発表しているローソンのディスプレイ広告の計測した事例では、デバイス毎の来店コンバージョンを計測しました。スマホで広告をクリックしてから来店した人の割合は15.7%で、PC&タブレットからの来店率は 11.5% でした。
モバイルの方が、費用対効果が高いことが来店コンバージョンの計測結果から明確となりました。
2.適正な広告予算が把握可能
広告経由の来店数を計測することで、広告経由でどのくらい来店に寄与しているのかを明確にすることで、必要な広告予算を把握することが可能となります。
このように、広告の効果を測定することで、予算配分やクリエイティブの効果検証などのマーケティング運用の改善に活用することが可能となります。
来店コンバージョン計測を行うべき企業
来店コンバージョンの利用条件やメリットを考慮しまして、来店コンバージョン計測を行うべき企業はどのような企業でしょうか。
1.店舗数が複数ある店舗
最適化のためには一定基準のデータ以上が必要なので、チェーン展開をしている企業とは相性が良いでしょう。例えば、複数店舗を展開している飲食店、自動車ディーラー、フランチャイズの店舗は相性がよいと推測されます。
2.ローカル検索と相性が良い業種
自動車ディーラー、エンターテイメント施設、飲食店・学習塾などの検索数が多い業種は相性が良いでしょう。来店計測による改善の幅は高く、データ量も多いので、来店コンバージョンを計測できる可能性は高いです。
また広告予算が大きい企業も運用の改善が大きく図れますので、来店コンバージョン測定が効果的だと考えられます。
該当する企業はぜひ、来店コンバージョン計測機能の検討を頂くと良いと思います。
来店コンバージョン測定の仕組み
Google広告における来店コンバージョンは、収集された膨大なデータに基づき、「推定」されます。「推定」とされているのには次の理由が考えられています。
1.個人のプライバシー保護のため
2.取得が難しいデータを補うため
Googleのロケーション履歴はGPSから発信されるシグナルに加え、Wi-Fiなどのシグナルも組み合わせた測量法により測定されています。そのため、とあるビルの何階のどの店舗に滞在していたのか、というような精密な精度で測定可能です。
Google広告の来店コンバージョン測定条件
来店コンバージョンの測定にはいくつかの導入条件があり、下記を満たす必要があります。
Google広告アカウントとGoogleマイビジネスの登録と連携
実際の店舗集客にあたりGoogleマイビジネスの設定はとても重要になっているので、来店コンバージョン測定の有無に関わらず、必ず設定しましょう。そのうえでGoogle広告アカウントをGoogleマイビジネスに連繋が必須です。来店コンバージョンを計測する際にGoogleマイビジネスで以下3点を満たす必要があります。
- 対象国内に複数の実店舗がある(利用可否についてはGoogle窓口への問い合わせが必要)
- Googleマイビジネスアカウントに各店頭のビジネス情報を作成する
- 紐づけされたビジネス情報の約90%以上はGoogleマイビジネスで管理権限が完了できている
Webサイトに於けるコンバージョンと異なっており、全アカウントで測定できない点は注意が必要です。
一定量のクリック数やインプレッション数が確保されている
来店コンバージョン測定が可能なデバイスは、ロケーション履歴をONにしているデバイスのみである兼ね合いから、管理画面上に計測されるコンバージョン数は実来店数ではなく推計値になってしまいます。
そのためコンバージョン数自体が「信頼できる数値」であり、ユーザーのプライバシー保護の観点から個別の特定ができないように配慮することもあり、「一定量(具体的な数値は非公表)」のクリック数やインプレッション数が発生しているアカウントではないと来店コンバージョンの測定ができない仕様になっています。
住所表示オプションを有効にしている
広告に会社や店舗などの住所、距離を追加表示出来るオプションも設定しておくことが必須です。
来店コンバージョンの測定範囲
来店コンバージョンは、リスティング広告を始めとしたGoogle広告ではひと通りの計測が可能です。リスティング広告であれば、広告をクリックしたユーザーが対象です。ディスプレイ広告はクリックと視認範囲のインプレッションもコンバージョンとして計測されます。
また、動画広告の場合、対象の動画広告を「視聴」したユーザーのみ計測対象であり、以下のいずれかを満たした場合「視聴」したと定義されます。
1.30秒以上の動画再生
2.動画の再生完了
3.動画をクリック
来店コンバージョンを利用できるGoogle広告の配信メニュー
Google広告に来店コンバージョンの最適化に適している配信メニューが豊富にあります。各メニューを実施する上での特徴などについてまとめてみました。
ローカル検索広告
ローカル検索広告は配信面にGoogleマップが含まれており、来店意欲の高いユーザーに直接的にアプローチ出来るのがポイントです。例として、新宿のお寿司店のオーナだとして、Googleマップの検索結果最上部に広告主の情報を掲載出来ます。
ディスプレイロケーション広告
ディスプレイロケーション広告は、潜在層にアプローチしやすい広告です。ロケーションディスプレイ広告と住所表示オプションを組み合わせることは、掲載面や訴求・ターゲティングの工夫次第で、大きな広告効果を生む可能性があります。
ローカルキャンペーン
ローカルキャンペーンは検索広告・ディスプレイ広告・ YouTube広告も加えて配信出来る広告です。複数パターンの素材を準備する必要があり、導入ハードルは高い傾向です。ただ、とにかく店舗集客したいという場合であれば、優先するメニューです。
来店コンバージョンを活用しよう
店舗集客のビジネスでは、今まで可視化出来なかったオンライン広告の効果ですが、来店コンバージョンを活用することでオフラインの行動を測定できます。然るべきクライアントに然るべきタイミングで提案してみましょう。