SEO対策において外部からの被リンクは重要で、被リンクが多いほど検索エンジン側から有益なサイトと見做されます。しかし逆に、悪影響を与える可能性のあるリンクも存在します。今回はマイナス影響を与えるスパムリンクについてご紹介します。
スパムリンクとは
スパムリンクとは、Googleのウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に反しているサイトや、明らかにスパムサイトと分かるサイトからはられているリンクのことを指します。
また上記の他にも、リンク集だけあるサイトのように、低品質であったり内容が薄いページから貼られているリンクも、スパムリンクと見做されます。
Googleの品質ガイドライン
Googleの品質ガイドラインには、Webサイトにおいて以下のような手法を使用しないよう記載がありますので、確認しておきましょう。
- コンテンツの自動生成
- リンクプログラムへの参加
- オリジナルのコンテンツがほとんど存在しない、または、まったく存在しないページの作成
- クローキング
- 不正なリダイレクト
- 隠しテキストや隠しリンク
- 誘導ページ
- コンテンツの無断複製
- 十分な付加価値のないアフィリエイト サイト
- コンテンツに関係のないキーワードの、ページへの詰め込み
- フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェアのインストールといった悪意のある動作を伴うページの作成
- リッチ スニペット マークアップの悪用
- Googleへの自動化されたクエリの送信
スパムと聞くと、「詐欺や個人情報の収集を目的として、URLをクリックさせるようなスパムメール」や、「Twitterなどのアプリ上で行われる、SNSスパムのような迷惑行為」を、真っ先に思い浮かべる方が多いかと思います。
実際に、Googleの品質ガイドラインにも、「フィッシングや、ウイルス、トロイの木馬、その他のマルウェア」「不正なリダイレクト」「誘導ページ」とあるように、セキュリティ面で明らかに影響が出るような悪質な手法を、サイトで使用しないよう定めています。
上記のような悪質なサイトからの「不自然なリンク」や「スパムリンク」は、2016年にGoogleより発表された「ペンギンアップデート4.0」により、ペナルティではなく無効化や無視をする仕様となったため、マイナスに働くことはありませんが、プラスにも働きません。
また、特に悪質と判断された場合には、ペナルティを受ける可能性もあります。スパム対策の影響を受ける可能性のあるリンクについては、リンク否認ツールなどのサービスを利用して、スパムリンクを取り除くとよいでしょう。
「不自然なリンク」とは
SEOにおいてプラス評価になるリンクとは、サイトや記事での引用や、文章中において紹介される形でリンクされている場合のもので、自身が関与していない「自然な」リンクになります。
対して、検索順位を操作する目的で、大量の自作ページからのリンク、有料リンクを獲得しているような場合は、「不自然な」リンクとして判断されます。
2016年以前の仕様では、自作自演に対してペナルティが発生することを利用し、競合サイトの検索順位を下げる意図で、質の低いサイト・迷惑サイトからのリンクを大量にはるネガティブSEOという方法が存在していました。
しかし現在は、前述した「ペンギンアップデート4.0」によって、不自然なリンクもスパムリンクと同様、無効化・無視という扱いになっていますのでご安心ください。
外部リンクの確認方法
「ペンギンアップデート」後であっても、やはりスパムリンクが貼られているのはサイトにとって良い影響を与えません。
自分のサイトが、どんなサイトからリンクを貼られているのか、定期的にチェックをしましょう。Google Search Consoleを使用して、サイトに貼られているリンクを確認できますので、その方法をご紹介します。
Google Search Consoleとは
Google Search Consoleは、Googleが提供しているサービスで、Google検索内のサイトの掲載順位をチェックしたり、管理・改善したりするのに役立ちます。利用は無料なので、登録することをオススメします。
外部リンクのチェック作業は、わずか3STEPで完了します。図解付きでまとめましたので、是非参考にしてください。
1.Google Search Consoleにログインする
まず、Google Search Consoleにログインしてください。
ログインすると、画面左側にメニューが設置されているかと思いますので、メニューの下の方にある「リンク」を選択しましょう。
2.外部リンクを確認
「リンク」内は2つの画面に分かれており、左側が「外部リンク」・右側が「内部リンク」となっています。今回確認するのは左側の「外部リンク」になります。
「外部リンク」はさらに上中下の3つに分かれており、
- 上段:上位のリンクされているページ(外部リンクが多く貼られている自サイトのページ一覧)
- 中段:上位リンクの元サイト(外部リンクを貼っている元サイト一覧)
- 下段:上位の元テキスト(外部リンクが埋め込まれている文字列)
の構成となっています。チェックするのは中段の「上位リンクの元サイト」になります。
3.外部リンクの元サイトを確認する
「上位リンクの元サイト」をクリックすると、「サイト」「リンクしているページ」「ターゲットページ」の項目が表示されます。
- サイト:自分のサイトにリンクを貼っている外部サイト(ドメイン)
- リンクしているページ:上記ドメインが自分のサイトに貼っているリンクの数
- ターゲットページ:上記ドメインからリンクが貼られている自分のサイトのページ数
例えば、
サイト:tree.com
リンクしているページ:10
ターゲットページ:5
であれば、tree.comというドメインのサイトから、自分のサイト5ページに10個のリンクが貼られている、ということになります。基本的には健全なリンクだと思いますが、不自然に多くのリンクが貼られている場合は注意しましょう。不審なサイトからのリンクは、Search Consoleから「否認」をすることで被リンクを外せます。
スパムリンクを否認する
上記の方法で外部リンクを確認し、不審なドメインからリンクが貼られていた場合は、該当ドメインの「否認」を行いましょう。「否認」を行うことで、該当ドメインから自分のサイトへリンクを貼ることができなくなります。Googleが提供しているスパムリンクの否認方法をご紹介いたします。否認作業はたったの2ステップで完了するので、実践してみましょう。
1.否認するリンクをまとめる
まずは、不審なサイトのURLを、メモ帳やエクセルなどのツールにコピー&ペーストで写し、一覧にまとめます。まとめる際は、次の手順です。
- URLは1行ずつ記載する
- ページ単体でなく、ドメイン全体を否認したい時は「domain:◯◯◯.com」
- ファイルを保存する際は、txt形式で保存
否認したいサイトの数が多い場合は、「リンク」ページの右上に設置されている「外部リンクをエクスポート」をクリックすれば、一括でcsv形式に保存できます。ただし、上記の方法を使用する場合は、否認したくないサイトのURLが混在していないか、しっかりチェックする必要があります。
2.リンクの否認ページにファイルをアップロードする
リンクの否認ページにアクセスします。左下のプルダウンで自分のサイトを選択してください。
サイトを選択すると、「ファイルを選択」というボタンが表示されますので、クリックして1でまとめたファイルをアップロードしてください。この時、再度否認したくないサイトのURLが混在していないか、十分に確認しましょう。最後に「リンクの否認」ボタンをクリックして、スパムリンクを否認する作業は完了です。
スパムリンクに注意して安全なサイト運営を
せっかく上質なコンテンツを設置していても、悪質なスパムリンクがあなたのサイトの評価を下げてしまう可能性があります。外部リンクはSEOに大きな影響を与える要素なので、しっかり気を払うことが大切です。適切に対処して、より良く安全なサイト運営を心がけていきましょう。