LINEやInstagramなどのSNS利用者が急増していく中、企業のマーケティング施策において、メールマーケティングはいまだに有効な手段の一つです。今回は企業の公式メールの一つであるステップメールの基本概要からシナリオ作成まで徹底解説します!
ステップメールとメルマガの違い
ステップメールの基本概要を理解していただくために、ステップメールと混同されることの多いメルマガと比較してご説明します。
ステップメールでは、「事前に設計したタイミング」・「あらかじめ作成したメール」でシナリオを設定するため、配信の都度、メール内容を考える必要はなく、全てのユーザーが1通目からメールを開封できます。
ステップメールを導入するメリット
ステップメールを導入するメリットは大きく4パターンに分類できます。
1定期購入商品・月額費制商材の解約防止
定期購入商品・月額費制商材の解約で、最も多い理由が「サービスを利用していない」です。
見込み顧客の段階に応じて必要な情報を適宜提供することで、顧客が自社サービスを使いこなせるようになり、サービス利用頻度を増加させ、定期購入商品の解約率を低下させます。
また、月額費制商材であれば、ステップメールにて顧客の信頼を勝ち取ることで、現在利用商材より上位の月額プランへアップセル契約も見込めます。
2BtoB商材での成約率獲得増加
BtoBの場合、メールを受け取った担当者と実際の決済者が別のケースがほとんです。
契約を獲得するためには、担当者に商品を導入することのメリットをしっかりと理解してもらい、購入することで自社の売上拡大や課題改善が可能であると、決済者を説得してもらう必要があります。
ステップメールを送信することで、担当者の疑問・ニーズに合わせた情報を発信し、信頼を勝ち取ることで、決裁者を説得してもらう心強い味方に担当者を育てることができます。
3お問合せ後の成約獲得率増加
ユーザーは数多くの商品を比較検討して購入します。単価の高い商材であれば、なおさら比較検討期間は長くなります。
ステップメールを実施することで、お問合せ(資料請求、無料トライアル実施、お見積り)後のユーザーに対して、成約獲得までの長い検討期間の間、ユーザーのサービス検討段階に応じて、有益な情報を提供しつつ、自然な形で商品宣伝を入れてクロージングが行えます。
一度の資料請求や購買だけでは、そのうち企業名や商材名は忘れられてしまう可能性が高いですが、営業担当者が何度も訪問し購入検討時に顔を思い出してもらう、という営業活動をステップメールが担ってくれます。
4クロスセル・マーケティング
有益な情報を配信し、信用を獲得した段階で、見込み顧客が利用している商材の関連商品を宣伝することで、クロスセル(複数の商品購入)を狙えます。
クロスセルを押し出しすぎると、ビジネス色が強くなり顧客が離れてしまう可能性があるため、まずは商品理解や活用方法などの情報を届けて、見込み顧客からロイヤルカスタマーへと育てていくことが大切です。
ステップメール配信事例紹介!
事例1無料トライアル請求からリピート購入
1通目:商品の基本利用方法と、利用時に気を付けるポイントを紹介
2通目:使用に関してのよくあるご質問紹介
4通目:商品の効果的な活用ノウハウ紹介から、商品ベネフィットを改めて伝える
5通目:開発者の想いやこだわりを伝える
6通目:購入者特典でリピート購入を促す
化粧品などの無料トライアル商材であれば、商材を使い終わるタイミングでリピート購入を促すメール配信設定し、リピート購入率を高めることが可能です。
事例2月額費制商材のアップセル
1通目:商材の基本的なご利用方法
2通目:よくあるご質問紹介
3通目:効果的なご利用方法、オススメ機能の案内
4通目:開発者の想いやこだわりを伝える
5通目:アップセル商材の紹介
6通目:アップセル商材のセール情報発信
見込み顧客をロイヤルカスタマー化させることにより、高単価商材へアップセル契約を狙うことも可能です。
ステップメール導入前に確認すること
ステップメールを配信するまでには、ユーザーのターゲティングからメール文章作成、メール配信ツールの契約など、とても工数がかかります。ステップメールを作成する前に、自社のビジネスはステップメールに向いているのかを必ず検討しましょう。
ステップメールが向いているビジネス
- 高額な商材やサービス (例:自動車、住宅、高級化粧品)
- BtoBビジネス (例:製造メーカー、デザイン制作)
- 月額制商材 (例:転職サイト、音楽アプリ、コンサルタント業)
ステップメールが不向きなビジネス
・低単価かつ使い切り商品やサービス
向いているビジネスであっても、ステップメールを実施する土壌がない場合、つまり配信先が少ない状態では、ステップメールを実施しても十分効果が得られません。ステップメールの起因となる行動が、毎月50件ほど得られている状態から検討しても良いでしょう。
ステップメール作成手順を解説!
自社の商品、サービスがステップメールに向いていると検証したら、ステップメールを作成していきましょう。ステップメール作成手順は以下になります。
step1ターゲットを明確にする
ステップメールは見込み顧客の行動を起点として配信されます。誰に対して、どんなメールを配信するのかというターゲットの明確化は必要不可欠です。
- 資料請求、資料ダウンロード
- セミナー参加
- お問合せフォームからの送信
- お見積り依頼
- 無料トライアル申し込み
- 定期購入商品の契約
など、見込み顧客のアクションに応じて、ニーズを満たすコンテンツの作成が必須になります。
step2目的を明確にする
ターゲットに対して、何の目的を達成するのかを、明確に決めることが大切です。
- 定期購入の解約防止であれば、商品の活用方法
- 成約獲得率増加であれば、商品購入時にユーザーが持つ不安を解消する情報
などの顧客が求める情報と、自社が顧客に伝えたい情報が一致するように、目的の設定をしましょう。
step3見込み顧客の悩みを想像する
- どんな悩みがあるのか?
- どんな不安を抱えているのか?
- どんな理由で購入を躊躇しているのか?
- 何に喜びを感じるのか?
など、見込み顧客が抱えている不安や喜びをできる限り考え、さらには、見込み顧客に直接アンケートをとって、顧客分析を行いましょう。
step4ゴールを設定し逆算する
ゴールとは、見込み顧客がロイヤルカスタマーになることです。ロイヤルカスタマーになるまでの、段階と見込み顧客の変化を逆算して、辿ることで、どの段階の見込み顧客に、どの情報配信するべきかが見えていきます。
step5 メール作成
step1~step4で見込み顧客が求めている情報、自社が伝えしたい情報が見えてきたはずです。見込み顧客が求めている情報と、自社が伝えたい情報をすり合わせてメールの文章を作成していきましょう。メール作成は、全体構成案→メール本文という順番で取り組むと、メール本文作成時に大幅な修正がなく進行できます。
step6メールの配信設定
ステップメール配信ツールを使い配信設定をします。配信ツールには無料と有料があり、まずは、無料プラン・無料お試し期間のある、オレンジメール・FreeNEO・オートステップメールで、ステップメールの効果検証を行い、継続することで効果が見込まれるようでしたら、配信ツールを有料で利用延長もしくは、有料プランへの変更をお勧めします。
ステップメール配信の間隔は商品・サービスによって代わります。1日1通、1週間に1通などきりよく設定し、結果を見ながら改善をすることで、適切な配信間隔を見つけていきましょう。
ステップメール作成の要は自社分析・顧客分析にある
自社分析や顧客分析は、全てのマーケティング施策の根幹となります。ステップメールにおいても例外ではございません。たかがメールと侮ることなく、分析をしっかりと行いステップメールを作成することで、自社の課題を新たに発見でき、全てのマーケティング施策の効果拡大となるでしょう。