リスティング広告の主要な媒体として、GoogleとYahoo!があります。
Google、Yahoo!ともに、国内外で多くの企業に利用されていますが、それぞれに独自の特徴や強みがあります。
本記事では、GoogleとYahoo!のリスティング広告を比較し、ターゲット層の違いや配信方法、費用対効果などを詳しく解説します。自社のマーケティング戦略に最適なプラットフォームを選ぶための参考になさってください。
GoogleとYahoo!のリスティング広告の違い
GoogleとYahoo!のリスティング広告は、次の点で異なります。
Yahoo! | ||
ユーザー層 | 若年層が多い | 40歳以上のミドル・シニア層のシェアが高い |
ディスプレイ広告の配信先 | GmailYouTubeBIGLOBE
livedoor goo |
Yahoo! JAPANの検索結果Yahoo! ニュースLINE
朝日新聞DIGITAL |
ターゲティング | ○年齢・性別・世帯年収・興味や関心 にリーチ可能 | ×年齢・性別・世帯年収・興味や関心 にリーチできない |
表示オプション | ○サイトリンク表示オプション・構造化スニペット表示オプションなど | ×サイトリンク表示オプションなどに対応していない |
文字数 | 上限文字数は同じ | |
サポート制度 | △ | ○無料の設定サポートが充実 |
ユーザー層
2023年の日本におけるトータルデジタルでのインターネットサービス利用ランキング「Tops of 2023:Digital in Japan」(ニールセン デジタル株式会社発表)によると、「Yahoo Japan」8,484万人、「Google」8,367万人でした。いずれも日本の人口の60%以上にリーチするサービスとなっており、「Yahoo!」のほうが約100万人多くみられますが、年代層は異なっています。
出典:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
Googleは20代・30代の男女合計47.4%となっており若年層が約半数を占め、Yahoo!は50代・60歳以上の男女合計56.1%となっており、高年齢層が半数以上を占めます。
Googleは男性が多く、Yahoo!は女性が多いという結果も。このことから、Googleは若年層・男性ユーザーに多く、Yahoo!は高年齢層・女性ユーザーが多いという傾向がみえてきます。
ディスプレイ広告の配信先
Googleのリスティング広告の配信先は、非常に幅広く、GoogleのサービスやGoogleと提携している様々なウェブサイト、モバイルアプリなどに表示されます。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)と呼ばれるこの広大なネットワークは、ユーザーの興味関心や検索履歴に基づいて、最適な広告を配信します。そのため、ターゲットユーザー層に合わせた、きめ細かい広告配信が可能です。
一方、Yahoo!のディスプレイ広告の配信先は、主にYahoo! JAPANの各サービスページや、提携パートナーサイトです。また、2023年4月以降はLINE アプリ内の配信面も広がり、LINE ファミリーアプリや LINE 広告ネットワークも配信先として追加されています。
Yahoo!のディスプレイ広告は、画像や動画付きで表示でき、広告出稿の目的(コンバージョン、動画再生、サイト誘導など)に合わせた運用が可能です。
ターゲティング
Googleのリスティング広告のターゲティングは、特定のキーワードを検索したユーザーに対して広告を表示する「キーワードターゲティング広告」です。
一方、Yahoo!のリスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて配信される広告で、ターゲットとなるユーザーに効率的にアプローチできる広告手法です。
表示オプション
Googleのリスティング広告の表示オプションとは、広告文の下部に追加のテキストや電話番号、サイトリンクなどの情報を掲載できる機能です。
一方、Yahoo!広告のリスティング広告の表示オプションとは、広告の主要構成要素であるタイトルや説明文に加えて、追加のテキストやリンク、電話番号などを表示できる機能です。広告文では伝えきれない情報や特定ページへのリンク、電話発信リンクなどを追加できます。
文字数
GoogleとYahoo!のリスティング広告の文字数は次のようになっています。
項目 | Google広告 | Yahoo!広告 |
見出し1 | 半角30文字(全角15文字) | 半角30文字(全角15文字) |
見出し2 | 半角30文字(全角15文字) | 半角30文字(全角15文字) |
見出し3 | 半角30文字(全角15文字) | 半角30文字(全角15文字) |
説明文1 | 半角90文字(全角45文字) | 半角90文字(全角45文字) |
説明文2 | 半角90文字(全角45文字) | 半角90文字(全角45文字) |
パス2 | 半角15文字(全角7文字) | 半角15文字(全角7文字) |
参考: テキスト広告について – Google 広告 ヘルプ
参考: Yahoo!広告の最適な文字数と使用可能な文字・記号(検索広告・広告表示アセット|ディスプレイ広告)|LINEヤフー for Business
サポート制度
Googleは、広告運用者に対して多様なサポート制度を提供しています。主に以下の方法でサポートを提供しています。
オンラインリソース:
Google広告ヘルプセンター | 使い方や問題解決に役立つ詳細なヘルプドキュメントを提供。広告の設定方法、効果的な広告作成、レポートの見方などが含まれる |
Google広告ラーニングセンター | 無料のオンライン学習プラットフォームで、Google広告の基本から上級レベルまで学べるコンテンツを用意。資格取得のためのトレーニングも提供(例:Google広告認定資格) |
Google広告コミュニティ | 広告主同士やGoogleの専門家と質問や情報交換ができるフォーラムに参加できる |
直接サポートとしては次のようなものがあります。
メール・チャット・電話サポート | 広告アカウントの設定やトラブルシューティングに関する問い合わせに対して、Googleサポートチームが対応。特に、一定額以上の広告費を運用しているアカウントや特定の問題に対しては、電話でのサポートが受けられる |
専任アカウントマネージャー(大規模広告主向け) | 広告運用額が大きい企業には、専任のアカウントマネージャーがつき、広告戦略のアドバイスやカスタマイズされたサポートが提供される |
Yahoo!も同様に広告主に対して多様なサポート制度を提供しています。Yahoo!広告(旧:Yahoo!プロモーション広告)のサポート体制は以下の通りです。
オンラインリソース:
Yahoo!広告ヘルプページ | 広告運用に関する基本的なガイド、FAQ、トラブルシューティングのためのリソースが提供。具体的には、キャンペーン設定や入札戦略、ターゲティング方法など |
Yahoo!広告スクール | Yahoo!は初心者向けに広告運用の基礎を学べるオンライン学習プログラムを提供。無料で受講可能なウェビナーや資料が用意されており、運用ノウハウを効率的に習得できる |
直接サポートとしては次のようなものがあります。
メール・チャット・電話サポート | 広告の設定やトラブルシューティングに関して、Yahoo!のサポートチームが直接対応します。広告運用に関する具体的な質問や、問題が発生した場合に利用できます。 |
専任アカウントマネージャー(大規模広告主向け) | 大規模な広告主に対しては、専任のアカウントマネージャーが配置され、カスタマイズされたアドバイスや運用の最適化サポートが提供されます。 |
その他のサポート | |
自動化機能と推奨設定 | Yahoo!も広告運用の効率化のために自動化機能を提供しており、例えば入札やキャンペーン管理の自動化ツールを利用することで、運用コストを削減しつつ効果を最大化できます。 |
Googleのリスティング広告がおすすめなケース
Googleのリスティング広告がおすすめなケースは、次の通りです。
これらのケースでは、Googleのリスティング広告が非常に効果的なマーケティング手法となります。ターゲットユーザーに対して、タイムリーに適切なメッセージを伝えることができるため、売上や認知度向上に役立つでしょう。
即時性が重要なサービスの場合
リスティング広告は、ユーザーが今すぐ解決したい問題に対して有効です。たとえば、「水道修理」、「エアコンの修理」、「弁護士相談」など、緊急性の高いサービスは、検索結果に直ぐに表示されるリスティング広告を使うと、すぐに集客につなげられます。
特定のエリアでビジネスを展開している場合
地域を絞ってビジネスを行っている企業(例: 地域の美容院、レストラン、ローカルな修理サービスなど)にとって、リスティング広告は地元の顧客をターゲットにしやすいです。Google Adsは地理的に広告をターゲティングできるため、特定のエリアに住むユーザーにアプローチできます。
SEO対策だけでは流入が厳しいケース
競争の激しい市場では、オーガニックな検索結果だけで上位にランクインするのが難しい場合があります。リスティング広告を使うことで、競合よりも上位に自社のサービスを目立たせることができ、より多くのクリックを獲得できる可能性があります。
予算を柔軟に調整したい場合
Googleのリスティング広告は、予算の管理がしやすく、広告費を柔軟に調整できます。クリックごとに料金が発生するため、予算に応じた運用が可能です。また、広告の効果を測定し、リアルタイムで改善できる点もメリットです。
広告の効果測定や最適化が必要な場合
リスティング広告は、インプレッション数、クリック数、コンバージョン率などの詳細なデータを提供します。これにより、効果をすぐに把握し、広告文やキーワードを調整して最適化することができます。
Yahoo!のリスティング広告がおすすめなケース
Yahoo!のリスティング広告がおすすめなケースは次の通りです。特に日本市場での集客を強化したい企業にとっては、Yahoo!のリスティング広告はGoogle広告と補完し合いながら、広告効果を高める戦略的な選択肢になります。
年齢層が高いユーザーをターゲットにしている場合
Yahoo!の検索エンジンは、Googleに比べて年齢層が高めのユーザーが多く利用しています。そのため、中高年層やシニア層をターゲットにした商品やサービス(例: 健康食品、保険、不動産、介護関連サービスなど)では、Yahoo!のリスティング広告が効果的です。
PCユーザーをターゲットにしている場合(法人向けの商材)
Yahoo!広告は、PC利用者へのアプローチに強いです。PCユーザーに広告を届けたいなら、Yahoo!広告がおすすめです。
たとえば、法人向け(ToB)商材の場合には、Yahoo!広告は他の広告媒体よりも効率的にアプローチできる可能性が高いと言えるでしょう。
BtoC向けの商品やサービスを提供している場合
Yahoo!はエンタメやニュースのポータルサイトとしても広く利用されており、日常的に訪れるユーザーが多いのが特徴です。Yahoo!の広告は、一般消費者向けのビジネス(BtoC)に適しています。例えば、食品、ファッション、家電、日用雑貨など、個人消費者をターゲットにした商品は、Yahoo!広告を通じて幅広い層にアプローチできます。
地域に密着したビジネスの場合
Yahoo!広告は、地域に根ざしたビジネスにも効果的です。地域を限定して広告を配信できるため、地元の顧客をターゲットにする飲食店、美容院、修理業者、医療機関などが、地域密着型の広告として利用するケースが多いです。
Yahoo!ショッピングやPayPay経済圏の利用者にアプローチしたい場合
Yahoo!は、Yahoo!ショッピングやPayPayを通じた経済圏を形成しており、これらのユーザーをターゲットにした広告が非常に効果的です。Yahoo!ショッピングで商品を販売している企業や、PayPayを導入している店舗は、リスティング広告を活用してこれらの経済圏内のユーザーに効果的にアプローチできます。
Yahoo!関連メディアでの広告配信を強化したい場合
Yahoo!は、ニュース、天気、エンタメ、スポーツなど、多くのメディアコンテンツを持っています。Yahoo!リスティング広告は、検索エンジンだけでなく、これらのコンテンツページでも広告を表示することができるため、幅広いユーザーに接触できる点が魅力です。メディアを活用したブランド認知向上や、新商品プロモーションに役立ちます。
日本国内市場に特化している場合
Yahoo!は、日本市場において非常に強いシェアを持っています。日本のユーザーをターゲットにした場合、特に国内市場にフォーカスしたビジネスであれば、Yahoo!広告を活用することで高いパフォーマンスを期待できます。日本国内でのプレゼンスが強い点が、Googleとの大きな違いです。
Bigmacリスティング広告運用の成功事例
Bigmacが携わったリスティング広告運用の成功事例をご紹介します。
Googleリスティング広告:3か月間の運用でCV数59件から196件に
高性能AIチャットボットを商材とするA社では、自社サービスにつながる検索キーワードが見い出せず、CPAは高く、CV数も想定よりも少ないという課題を抱えていました。
そこで、想定ユーザーのニーズから検索キーワードを掘り下げ、CV数を約4倍に拡大できました。
弊社による3ヶ月間の運用でCV数は59件から196件に拡大したとともに、CPAも28,033円から24,716円に大幅に改善しました。
さらなる拡大を目指したい:Yahoo!検索広告でCV数431件から586件に
法人向けECを商材とするB社では、一定のCV数は確保できていても、天井がきていて、さらなる拡大ができていないという課題がありました。
そこで、CPA運用からROAS運用に切り替えを行い、獲得キーワードにボリュームが寄るアカウント構成に変更を行いました。
また、適切な入札戦略の設定とアカウント構成、キーワード精査・広告文の見直しを行ったことで、CV数は431件から586件に拡大することができました。
まとめ
本記事では、GoogleとYahoo!のリスティング広告について、どちらを選ぶべきか検討している方に向けて、両者の違いやそれぞれがおすすめな場合について解説してきました。
GoogleとYahoo!それぞれに強みがあり、自社商材と相性の良い媒体を選択しましょう。
Bigmacでは、クリエイティブ作成から広告運用・分析まで一貫して行っております。効果的なマーケティング、利益の向上を目指したい企業様は、ぜひお問い合わせください。